テレビ東京のドラマ「カプカプ」で初のドラマ主演を務めているSakurashimejiの田中雅功と高田彪我が、音楽ナタリーの取材に応じた。
俺、なんかしたかな?
11月27日深夜に放送がスタートした「カプカプ」は、カプセルホテルを舞台にしたロードムービー。大学4年生の沖田海斗と鷹見亮は、ある目的のために千葉から大阪を目指して自転車旅をすることに。お金がない2人は旅の資金を節約するためにカプセルホテルを利用するが、常連客から過ごし方のコツを教わるうちに、次第にカプセルホテルの魅力や楽しみ方を見つけていく。マンボウやしろが脚本を手がける今作で、田中は海斗を、高田は亮を演じる。
2人での主演決定を知ったときの心境を聞くと、田中は「『ちょっといい?』と会議室に呼び出されたんですけど、『ちょっといい?』にしては偉い人がいるな、と。だから一瞬『俺、なんかしたかな?』と思って、一生懸命今までの人生を振り返って……」とプレイバックする。「該当するようなことがなかったから、余計怖くなっちゃって。『それは冤罪です』と言う準備をしていたんですけど、実際はすごく素敵なお話でした」と笑った彼は「自分たちがドラマの主演をするなんて思ってもいないから、理解するのに時間がかかりました。びっくりと同時にうれしかったですね」と思いを語る。そして高田は「そこから『主題歌作るよ』という話も始まって、もう現時点(※取材時)で3話分撮り終えていますし……一瞬で過ぎていきますね」と続けた。
怖くなるレベルで実際の2人と同じ
「自分で言うのも変な話ですけど、ドラマのテーマも含めて僕らの雰囲気に合っているなと感じた」と田中。脚本を手がけるマンボウやしろに対しては特別な思いがあるそうで「小学校6年生くらいのときから、やしろさんのことがめっちゃ好きで。ずっとラジオを聞いてて」と明かす。「学校が終わると彪我と2人で練習をするんですけど、スタジオまでの道中にずっと聞いていたのがやしろさんの番組なんです。だから脚本担当を知ったときは『えええ!』となりました」と喜びの心境を語った彼に脚本の印象について聞くと「僕、会話劇が大好きで。このドラマはロードムービーではあるけれど、ほとんど僕ら2人のやりとりで描かれているので、会話だけでシーンを成立させる部分もすごくたくさんあるんです。そこはすごく面白いと同時に、会話劇って難しいなと感じています」という返答が。小説家としての一面も持つ田中は、さらに「自分がこれから書きたいもののために、すごく勉強になるなって。“読んで、自分が演じる”って、なかなかない機会だと思いますし。『こう書いたら言いやすいのか』と思ったり……すごく面白いです」と貴重な経験に瞳を輝かせた。
一方で高田も「自分そのものが役柄に投影されているような感覚です。亮くんは、勉強ができるという点を除いてほぼ僕と同じ性格。物語が自然に自分の中に入ってきて、脚本を読んだときから演じるのが楽しみでした」と、役柄との親和性について語る。ドラマには毎回ゲスト俳優が登場。海斗と亮がカプセルホテルで出会う常連客を演じるのは小手伸也、真矢ミキ、山中聡、近藤芳正、宍戸美和公、山崎樹範、松尾諭、ベンガルと、豪華な顔ぶれだ。ゲスト陣との共演シーンについても高田は「ゲストの皆さんと絡むときのセリフや立ち回り、しゃべる分量が本当に普段の僕らが外部の方としゃべるときと同じなんです。だから『これ、いつもやってるやつだ』って(笑)」と驚きの心境を明かし「やしろさんとはお会いしたことがなかったんですけど、どうやら当て書きをしてくださったみたいで。もはや怖くなるレベルで実際の2人と同じだったので、面白かったです」と続けた。
海斗と亮のように時間を使えるなら…?
取材時点までの撮影で“一番のトピック”だったことは何か?と2人に聞くと、高田は「雅功が『カプセルホテル』と言うはずのところを『タイムカプセル』って言いました……びっくりしました。『やってるわ』って思いましたね。あはははは!」と即答。「それが一番のトピック? 嘘だろ?」と思わずツッコんだ田中は「そんなこと言い出したら自分だってエグい噛み方してるからな!?(笑)」と返し、2人のやりとりはお互いの“粗探し”の様相に。そんな中で田中が明かしたのは「施設の都合上、ごはんを食べるシーンを朝に撮ったりするんですけど、彪我は朝6時とかにニンニク大盛りの黒チャーハンを完食してました。寝起きの状態で……ホントにヤバい男だと実感して、思わず写真撮りましね。時計が映り込むように(笑)」という高田のエピソード。この暴露に高田が照れ笑いする横で、田中は「もちろんおいしかったからなんですけどね。朝からあのニンニクの量はヤバいよ」と笑っていた。
「彪我は基本落ち着いているけど、朝イチで黒チャーハン爆食いするような変なヤツではあるので(笑)。そういう部分を役柄ではうまく隠せているのかなと思います。まだ撮影は残っているので完全に安心はできないけど」と田中が相方の芝居について語ると、高田も田中の演技について「ライブしているときの表情とは違うものがあるんですよね。海斗くんなりの表情や行動を見ると『こんな顔もできるんだ』って思う。その新鮮さは毎回感じていますね」と返す。「ほとんど僕と彪我の二人芝居で、かつ僕たちは常に一緒にいるから、いつでもどこでも読み合わせができた」と田中が語ったように、Sakurashimejiの阿吽の呼吸やお互いへの深い理解が、2人の主人公を結ぶナチュラルで温かな空気感となって物語を心地よく包み込んでいる。最後に「海斗と亮のように2人だけで時間を使えるならどこで何をする?」と聞くと、雅功から返ってきたのは「先輩のバンドマンの方がやっているスタジオに泊まれるんですけど、そのスタジオに入って合宿をすると思います」という答え。すると高田は「そうなんだよ、同じこと思ってた!」とこれに反応する。最後まで息ぴったりの2人だったが、「自転車で行く?」という田中の提案に高田は「いや、車だよ?」と即答。これに田中は「彪我は助手席に乗ってるだけだろ(笑)。運転するのは俺なんだから!」と返し、2人は楽しそうに言い合いをしながら取材を終えた。
オンエア情報
テレ東ほか「カプカプ」
毎週水曜日25:00~25:30
<出演者>
田中雅功(Sakurashimeji) / 高田彪我(Sakurashimeji)
ゲスト
第3話:近藤芳正 / 宍戸美和公
第4話:山崎樹範
第5話:松尾諭 / ベンガル
※高田彪我の高は、はしごだかが正式表記。