映画「【推しの子】-The Final Act-」の前夜祭舞台挨拶が本日12月19日に東京・丸の内TOEIで行われ、キャストの櫻井海音、齋藤飛鳥、齊藤なぎさ、原菜乃華、茅島みずき、あの、金子ノブアキ、スミス監督が登壇した。
赤坂アカと横槍メンゴによって「週刊ヤングジャンプ」で連載された「【推しの子】」は、伝説のアイドル・アイの双子の子供として転生したアクアとルビーを中心とした物語。突如命を奪われたアイの死の真相を追いかけるアクアと、アイのようなアイドルになることを一途に夢見るルビーが、それぞれの思いを抱えたまま一筋縄ではいかない芸能界へと突き進んでいく。実写版となるドラマシリーズがPrime Videoで11月28日より配信され、その後続きとなる映画が明日12月20日より公開される。
公開前日を迎え、アクア役の櫻井は「撮影していたのは約1年前で、オファーをいただいたのが約2年前になるんですけど、そのとき感じていたプレッシャーだったり、これだけの人気作を実写化することに対する怖さから逃げなくてよかったなと今ここに立ってより強く感じています」と感慨深げに語る。アイ役の齋藤飛鳥は「まずドラマシリーズを観てくださったすべての方にお礼を申し上げたいなという気持ちがあって。やっぱりとてつもない人気の作品ですから、賛否の“賛”があればうれしいですけど、もちろん大きな“否”はスミスさんをはじめ、スタッフの皆さんも演者の皆さんも覚悟していたとは思いますね。その中でも私が演じた星野アイさんは特別なような気はしていて。 最強で無敵な人を生身の人間が演じるということで、撮影期間から今もずっと、緊張の糸が張り詰めているなと感じますけど、原作者様、原作ファンの方々、そして初めて『【推しの子】』に触れる方々に最大限の敬意を持って、誠心誠意みんなで作り上げてきた作品だと思いますので、ドラマシリーズでそれが伝わっていたのならすごくうれしいことです。そして明日から公開される映画で、さらにその覚悟を皆さんに何かしらの形で受け取っていただけるのであれば、それは幸せなことだなと思います」とまっすぐに述べた。
その後ルビー、元天才子役女優の有馬かな、人気ユーチューバーMEMちょによるアイドルグループB小町の楽曲の話題に。「思い出の楽曲は?」と司会者に聞かれ、有馬役の原が「3人とも一番好きなのが『SHINING SONG』。実はデビューライブの撮影から卒業ライブまで1週間しか期間が空いていなくて。だからデビューから卒業まで1週間なんですけど、本当に数年一緒に活動してきたかのような、存在しない記憶が頭を駆け巡るぐらい『SHINING SONG』は撮影中のことを思い出させてくれる曲です。聴いてるだけでちょっと涙が出そうになってくるような楽曲だなと思います」と映画のエンディングソング「SHINING SONG」を挙げると、MEMちょ役のあのも「間違いない。やっていて本当に寂しくなってきちゃう。感極まりながら3人で踊っていました」と同意した。
ルビー役の齊藤なぎさがB小町のオリジナル曲「我ら完全無敵のアイドル!!」について「SNSで踊ってくださってる方も多くて。キャッチーだし、耳に残る。 踊っていても楽しいです。でも、ジャンプの振りが多いから1曲終わったら息が切れてます」と話すと、原も「しかも撮影のときは『我ら完全無敵のアイドル!!』と『サインはB』を連続して踊ったので大変でした」と苦労を振り返った。あのは実写ミュージックビデオが制作された「トワイライト」について「まだ2人と会ったばっかりだったので、今よりはまだコミュニケーションを取れてなかったんですが、すぐに仲よくなれたので、これからやっていけそうだなと思いながらMVの撮影したり、レコーディングをしていました」と懐かしそうに語った。
舞台挨拶では作中に登場する映画「15年の嘘」にちなんで、キャスト陣が“最近ついた嘘”をフリップで発表する場面も。あのがフリップに書いたのは「芸能人からのお誘い」。あのは「芸能人が『この日にご飯行きましょう』って誘ってくださって。そのとき、予定的に行けないなと思ったんですよ。でも、返信するのをすぐ忘れちゃって、返信してなくて。お誘いいただいた日にちを過ぎたあとに『そういえば誘ってくれてたんだ。返信するか』と思って、『行けます』って言いました。これはもうしょっちゅうついてる嘘です。返信したことにはなるし、潔い嘘。皆さんにもおすすめです」とマイペースに話した。
原は子役時代にオーディションに受かりたいがゆえに、できないことも「できます」と嘘をついていたことを告白。原は 「オーディションで『楽器できますか? 歌えますか? ダンスできますか?」とか聞かれることがすごく多くて。何もできないんですけど、全部『できます。やってました』と言って、受かったあとに一生懸命練習してできるようにすれば嘘じゃないと思って。それで、嘘をついて何個かお仕事をゲットしました」とストイックな有馬さながらのエピソードを明かした。齊藤なぎさが語ったのは実家の犬についている嘘。実家から帰る際に犬が寂しそうにしているのを見ると、しばらく会える予定がなくても、つい「またすぐ会えるよ」と言ってしまうという。すると隣の櫻井から「僕、その真逆の嘘をついてます。猫を飼ってるんですけど、『俺、もう帰ってこないから』って言って、2時間後に帰ってくる」という謎の嘘が飛び出し、2人は「じゃあ逆だね」「逆の愛情表現だね」と双子のように仲睦まじく笑い合った。
齋藤飛鳥がフリップにつづったのは「26年の嘘」という意味深な言葉。彼女は「今26歳なんですけど、 生まれてこのかた、嘘をついて生きてきているなと思ったんです。毎日嘘をついている」と真顔で話す。ミステリアスな雰囲気が漂うそのさまは「嘘はとびきりの愛」だと言うアイさながら。司会者から「真実の姿は誰も知らないということですか?」と聞かれると、彼女は「はい。知れません」と言い切った。櫻井はフリップに「29」と書き、「僕、23歳って公表しているんですけど、実は29歳なんです」と突然言い出す。ひとしきりキャスト陣と観客をざわつかせて場をかき乱した櫻井は「……っていう嘘です。23歳です」と、したり顔で訂正して“嘘つき”の称号を得た。
最後に櫻井は「我々が約1年前に『【推しの子】』という作品に対して誠意を持って向き合ってきた思いを、ようやく今日皆さんにお届けできることを何よりもうれしく思っています。そして、明日からは全国でも公開されるということで、本当に多くの方に届いて、観終わったあとに 何か気持ちを動かせたらいいなと思います」と作品をアピールして舞台挨拶を締めくくった。
(c)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 (c)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会