キスマイ横尾渉が父親役務める「some day」本日開幕、2年連続の舞台出演で感じた“芝居の楽しさ”

9分前2025年02月20日 10:04

横尾渉（Kis-My-Ft2）が出演する舞台「some day」が本日2月20日に東京・シアターサンモールで開幕した。この記事では前日の19日、ゲネプロ前に行われた囲み取材の模様をレポートする。

僕が最後まで台本を持っていよう

「some day」は劇団オーストラ・マコンドーにより2019年に初演された作品。今回は演劇ユニット・山本試験紙による「試験紙プロデュース」シリーズの第1弾として、オーストラ・マコンドー主宰の倉本朋幸が内容をブラッシュアップし、キャストを一新したセルフリメイク版として上演される。舞台の演出は杉本達が務めている。横尾は2021年にdTVで配信されたドラマ「ConneXion」で杉本と出会い、その大切な縁で昨年5月に山本試験紙の舞台「ピクトグラム」に出演した。「ピクトグラム」では悲劇の中で翻弄される青年を熱演した横尾。今回はかつて一世を風靡した元アイドルで、現在はあまり仕事がない俳優・西村朋ノ介範を演じる。物語は、ある日突然、朋ノ介範のもとに実の娘だという1人の家出少女・あめが来訪したことから動き出す。突然父親になった男と、突然父親に会った娘が過ごした3週間あまりが描写される。

囲み取材には横尾、朝日奈まお、森下亮（クロムモリブデン）、智順（阿佐ヶ谷スパイダース）、坂ノ上茜、坂本真、佐野剛（江古田のガールズ）、小林風花、演出家の杉本が登壇した。舞台初出演となる、あめ役の朝日奈は「最初に1カ月稽古をすると聞いたときは長くて大変だなと思っていたんですけど、あっという間で、何より楽しく毎日を稽古できました。新鮮で刺激的な日々だったなと思います」と稽古を振り返る。朝日奈と親子を演じる横尾は「稽古の中で朝日奈と芝居をしてみてどうだったか？」と司会者に尋ねられると、「まおさんは天才すぎて、何も言うことはありませんよ」ときっぱり。「最初は『僕が最後まで台本を持っていよう』『まおさんが台本を外すまでは外さない』と思っていたんですが、まおさんはその3日後に台本を外してました。僕は1週間前まで持っていました。まおさんはセリフもバンバン頭に入ってるし、ナチュラルに演技するし、逆に僕が教わることがいっぱい。引っ張っていこうと思っていたのが、引っ張ってもらっていました」と、当初朝日奈がプレシャーを感じないよう気づかかっていたものの、結果的に自分のほうが長く台本が必要だったというエピソードを明かした。

横尾さんの優しさだなと思います

横尾と同じく「ピクトグラム」にも出演していた智順は、演出家の杉本について「圧倒的に横尾くんに対するノートが多い。それは多分、横尾くんに対して期待しかしてないんやろうな。『もっともっと！』っていう。だからあのノートの多さにつながる。それも愛情を感じるし、2人しかわからない共通の言葉みたいなものもありますよね？ノート中に『これは俺らしかわからん言葉やねんけど……』って、2人にしかわからない共通語で。絆と愛を感じます」と話す。稽古場の雰囲気の話になり、坂ノ上が「最初からアットホームな雰囲気があって、私もスッと入りやすかった。何よりやっぱり、横尾さんが……一応アイドルじゃないですか。一応アイドルなのに、こんなに現場でいじられる」と切り出すと、横尾も登壇者も大笑い。坂ノ上は「うちらがガンガン言ってもいいんだという空気感を、横尾さんが作ってくださっていたのがすごく大きかった。横尾さんの優しさだなと思います」と横尾の存在が稽古場に温かな空気をもたらしていたことを語った。

杉本さんと出会っていなかったら、僕は多分芝居をやっていなかった

「親子を演じる横尾と朝日奈がどのような様子に見えるか？」という記者の質問を受け、智順は「昨日場当たりやってて客席から見ていたんですけど、親子に見えます。今の横尾さんは金髪で派手な風貌に見えるけど、実年齢で考えても、17歳の女の子がいてもおかしくない。おしゃれな親子というか、2人で109に買い物に行きそうな親子に見えました」と2人を眺めた。坂ノ上は「物語の中でちょっと特殊な環境の中で巡り会う親子のさまが、最初に出会ったときの2人（横尾と朝日奈）の関係性に似てるなと思って。1カ月稽古をやっていく中で、2人が仲よくちょっといじり合ったりしてる姿を見てると、こういうふうにあめと西村朋ノ介範も心を通わせていったのかなという月日が見えた。私も昨日場当たりを見ていて、2人の距離感が親子に見えました」としみじみと述べる。朝日奈は「初めましての本読みのときやビジュアル撮影のときはまだ横尾さんと距離が縮まっていなくて、『どういう人なんだろう？』と思っていたんですけれど、稽古の合間で声をかけてくださったり、楽しく現場を和ませてくださった」と横尾の優しさを語りつつ、「最後まで台本を持たれていたこと以外はすごく頼りになる、とても素晴らしい存在だったのかなと思います」とも付け加えて横尾を笑わせ、いい関係性を囲み取材の中でも見せた。

「今舞台のお仕事に対して一番楽しいと感じるのはどういう瞬間か？」と問われた横尾は「先輩方の演技を間近で見させてもらえるのが一番楽しいですね。僕は芝居をあまりやってきていないので、先輩たちの芝居を見られるのはすごく貴重なこと。そして、杉本さんから指導していただけるのがすごく楽しい。あと、まおさんが舞台初出演ということで、初めての舞台で主演をやるお方の気持ちを感じて、成長が見れるのも楽しかったです」と充実した表情で話す。「2年連続での舞台出演を通して、芝居に対する心境の変化は生まれたか？」と続けて聞かれた横尾は「まったく苦手意識しかありません！」と答えて登壇者と記者陣を笑わせつつも、「杉本さんとは『ConneXion』という、藤ヶ谷（太輔）、千賀（健永）と出演させてもらったドラマからのお付き合い。杉本さんと出会っていなかったら、僕は多分芝居をやっていなかったと思いますので、今後もよろしくお願いします」と杉本とおじぎをし合った。

また「some day」の収録映像が3月14日10:00から20日23:59まで1週間限定で配信されることが決定した。配信チケットの価格は3500円。さらにオンラインショップにて、パンフレットと台本に加え、舞台写真を使用したフォトブックが発売される。フォトブックには劇中で歌われている2曲「私に」「フェブラリー」を収録したCDが付属。「私に」はあめと朋ノ介範、「フェブラリー」はあめが歌唱している。