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Gero、満員の1万3000人に囲まれ武道館という夢に「さようなら」

Gero「さようなら、武道館」
約1か月前2025年03月01日 10:06

Geroが2月26日に東京・日本武道館にてワンマンライブ「さようなら、武道館」を開催した。

1万3000人に囲まれ、夢の舞台へ

2008年にニコニコ動画への“歌ってみた”動画の投稿で活動を開始し、その後はボーカリストのみならずYouTuber・肉チョモランマとしての活動など多方面で活躍してきたGero。彼の大一番となる武道館公演には、ニコニコ時代からのリスナーであろう古参のファンのみならず、YouTuberとしての活動からGeroのことを知ったであろう若い世代のファンも集まり、総勢1万3000人の観客が武道館のセンターステージを囲んだ。

「さようなら、武道館」のタイトルにちなみ会場のSEは「さらば恋人」「Pretender」「シャルル」など歌詞に“別れの言葉”が含まれた曲が流れ、定刻を少し過ぎた頃に客電が落ちる。Geroのライブを長年支えてきたGeroBANDのメンバーであるパスタ(Key)、海賊王(G)、Hiroki169(B)、SHiN(Dr)に続いて登場したGeroは、360°を取り囲むファンを見渡して「武道館!」と力強くシャウト。その勢いのまま「BELOVED×SURVIVAL」で武道館公演がスタートした。

Geroは武道館という大舞台かつセンターステージでのライブというシチュエーションにはしゃぎながらも「いつも通りやるだけ」と冷静な一面を見せる。その二面性はパフォーマンスにも表れており、「名古屋のデブ」で笑顔いっぱいのパフォーマンスを見せつけたかと思えば「シャンティ」ではニコリとも笑わずシリアスな表情で楽曲の世界観を表現。オーディエンスはGeroのイメージカラーである緑のペンライトを揺らしながら、何かに憑依されたかのような彼のパフォーマンスをじっと見守っていた。

相方・めいちゃんから受け取ったバトン

MCではGeroが武道館を目指した背景について「相方でもあるめいちゃんが武道館に立ったのを見て『俺も立たなアカン』と思った」と語る。さらにめいちゃんが制作したという新曲「100万回生まれ変わっても」をライブで初披露した。歌唱中、緑のペンライトに混じりめいちゃんのイメージカラーであるオレンジ色のペンライトが客席に灯り、会場内はどこか温かな空気感に包まれた。

ライブ中盤のMCでは「さようなら、武道館」という公演名の由来についてGeroが「一生に一度という思いを込めて、『さようなら』と名付けた」と語る。しかし実際にステージに立った彼は「長いライブ人生の中でも、今が一番いいかも」とその手応えを明かし、「『ただいま、武道館』はあるかも」と笑ってみせた。

Geroの17年、ニコ動カルチャーの17年

この日のセットリストはGeroの活動を総括するのはもちろん、wowaka「アンノウン・マザーグース」、DECO*27「二息歩行」などGeroと同じくニコニコ動画時代を生きたクリエイターたちのボカロ曲のカバー、今やアニソン界を牽引する存在となった大石昌良提供の「ベイビーミュージックライダー」、新世代のボカロPからの提供曲「ヴィータ」など、ボカロ曲や歌ってみた文化を中心としたオタクカルチャーの17年を総括するような内容に。Gero自身も歌いながらこれまでの17年を反芻していたのか「みんなの魂背負って、死ぬ気でやりました」と、その重みを口にしていた。

ライブ本編のラストは、Geroと同じく黎明期にニコニコ動画で音楽活動をしていた前山田健一提供の「うどん」。Gero立ってのお願いで右手を回しながら上半身を動かす“Choo Choo Trainの動き”を観客に求めると、会場内は緑色のペンライトがうねるように動き、壮観な景色に。盛大な「おいなりさん」コールを決め本編が締まるかと思ったところで「もう1回」の声が上がり、Geroは再び「うどん」を冒頭から歌い始める。再び客席がうねる大盛り上がりを見せると、Geroは満足げな表情を浮かべながら手を振ってステージをあとにした。

次の夢の話

アンコールではバンドマスターのパスタが弾くピアノの伴奏をバックに、Geroが胸に手を当てて「Just Be Friends」を歌唱。さらにGeroは自身の分身としてCVを務めた濱中翠の名前を挙げ、「翠くんの思いを乗せて歌います」と宣言し、「金曜日のおはよう」を歌い上げた。

アンコールのMCではGeroが「もっとKing Gnuみたいに売れたかった!」とボヤいて笑いを取りながらも「次の夢の話をしていいか」と切り出し、「まず横浜アリーナ。次に地元の大阪城ホール、そしてさいたまスーパーアリーナ!」と、具体的な目標を掲げた。会場内に彼を讃える大きな拍手が響き渡るとGeroは「いやあ、終わりたくない」と、夢の武道館公演の終わりを惜しむようにしゃがみこむ。最後の楽曲はGeroにとって憧れの存在でもあるGom提供の「The Bandits」。銀テープが発射され会場内が大盛況に包まれる中、Geroは体を反らせて渾身のシャウトを響かせ、夢の舞台でのライブを締めくくった。

セットリスト

Gero「さようなら、武道館」2025年2月26日 日本武道館

01. BELOVED×SURVIVAL
02. ドーナツホール
03. 名古屋のデブ
04. アンチェインゲイザー
05. シャンティ
06. アンノウン・マザーグース
07. 100万回生まれ変わっても
08. シザーハンズ
09. ベイビーミュージックライダー
10. ジャンキーナイトタウンオーケストラ
11. HALO
12. モノクローム
13. サヨナラカゲロウ
14. ヴィータ
15. 二息歩行
16. しゃよう
17. うどん
18. うどん
<アンコール>
19. Just Be Friends
20. 金曜日のおはよう
21. 吾輩はオス猫である
22. The Bandits

(撮影:江隈麗志、清水健志郎 、黒瀬友里)

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