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角野隼斗がクラシック音楽の殿堂で響かせた芳醇な音色、憧れの上原ひろみとセッションも実現

角野隼斗
約1年前2025年03月07日 6:05

角野隼斗(Penthouse)が2月28日に、クラシックコンサートホールの老舗である東京・サントリーホールで全国ツアー「Human Universe」の最終公演を行った。

クラシックピアニストとして数々のコンクールで優秀な成績を収めながらも、東京大学理科一類に進学して研究者を志し、同時にCateen名義でYouTuberとして活動するなど、八面六臂の活躍を見せる角野。ツアーファイナルの同日にはドキュメンタリーフィルム「不確かな軌跡」も劇場公開され、国内外でその知名度を拡大させている。

「Human Universe」の世界を1人で表現

そんな彼のサントリーホール公演には幅広い年齢層のファンが参加。グランドピアノ、アップライトピアノ、アナログシンセサイザー・Prophet-10が並ぶステージを見つめながら開演を待った。期待にあふれた空気がホールに漂う中、角野はシンプルな黒いスーツに身を包んで登場。まずはグランドピアノに向かい「Introduction」を奏で、観客を歓迎したのち、バッハの「半音階的幻想曲とフーガ」でたちまちオーディエンスを魅了した。

角野はMCで「人間の中にある宇宙」を音楽で表現すべく作った最新アルバム「Human Universe」や、そのコンセプトに基づくプログラムの内容について言及。今回の公演があらかじめ決められた曲順に沿って演奏されるものではなく、副題でくくられた3曲ごとのセットが曲間に即興を織り交ぜながらランダムに演奏されることを説明した。最初の「A Call Beyond」と題されたセットでは、バッハのコラール前奏曲「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」がグランドピアノで披露されたのち、坂本龍一「solari」を挟み、Prophet-10で映画「インターステラー」の劇中曲であるハンス・ジマーの「Day One」が届けられた。続く2番目のセット「Celestes」はひそやかなタッチで奏でられるドビュッシーの「月の光」で幕開け。アルバムのタイトルトラックでもある角野作曲の「Human Universe」も演奏され、エモーショナルな空気を紡いだ。

尊敬する上原ひろみとセッション実現

3番目のセットである「Three Nocturnes」では、世界のさまざまな場所で見た夜空にインスピレーションを得て書かれた角野のオリジナル曲3曲が連なる展開に。アコースティックのグランドピアノと、アンプリファイドされたアップライトピアノ、そしてProphet-10の演奏を織り混ぜ、「人間の中にある宇宙」を観客の前で表現していく。3つのセットが終わると、角野が「神秘的な方向で宇宙に興味をもっていたスクリャービンの哲学がもっとも感じられる曲」と評するベートーヴェンの「ピアノソナタ第5番」や、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」、ストラヴィンスキーによる「火の鳥」で会場を圧倒した。

アンコールでバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」が披露されたあとには、ツアーファイナルらしい特別な演出も。角野は「Human Universe」という曲について、11拍子で始まる曲を書きたいという思いから、尊敬するミュージシャンの頭文字を曲名にしたという裏話をトーク。そのミュージシャンとテレビ番組でセッションしたことを目を輝かせながら明かしたのち、「一緒にどうですか?」と憧れのピアニスト上原ひろみを呼び込んだ。最初は緊張した面持ちの角野だったが、上原とともにグランドピアノに向き合い、「The Tom and Jerry Show」をセッション。上原が「主よ、人の望みの喜びよ」のフレーズを挟み込む遊び心を見せつつ、2人は高速のラグタイムプレイをノンストップで繰り出し満員の会場を大いに沸かせた。

なお、この日の公演の模様は、3月29日にNHK BSプレミアム4K「角野隼斗 ピアノ・リサイタル&ドキュメント」、4月6日にNHK Eテレ「クラシック音楽館~角野隼斗スペシャル~」で放送される。

番組情報

NHK BSP4K「角野隼斗 ピアノ・リサイタル&ドキュメント」

2025年3月29日(土)16:00~18:00

NHK Eテレ「クラシック音楽館~角野隼斗スペシャル~」

2025年4月6日(日)21:00~23:00

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