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ART-SCHOOL、たくさんの愛に包まれて迎えた結成25周年「何ひとつ簡単なことではなかった」

「ART-SCHOOL 25th ANNIVERSARY LIVE 2025『Our Beautiful Things』」の様子。(Photo by HIROHISA NAKANO)
5か月前2025年03月18日 1:02

ART-SCHOOLが3月16日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)で結成25周年記念ライブ「ART-SCHOOL 25th ANNIVERSARY LIVE 2025『Our Beautiful Things』」を開催した。

聴いた瞬間から心をつかまれた1曲

ART-SCHOOLはライブに向けてファンから楽曲リクエストを募集。その結果をもとにアニバーサリーイヤーならではのセットリストを構成して特別なライブを繰り広げた。

ステージに姿を現した木下理樹(Vo, G)、戸高賢史(G)、サポートメンバーの中尾憲太郎(B)、藤田勇(Dr / MO'SOME TONEBENDER)、やぎひろみ(G / NITRODAY)の5人は「SWAN DIVE」でゆったりとライブを開始。柔らかなアンサンブルを紡ぎ、幻想的な世界観へとオーディエンスを誘った。戸高が勢いよくギターをかき鳴らすと「スカーレット」の演奏がスタート。疾走感あふれるサウンドでオーディエンスの心を一気に高ぶらせていく。その勢いのまま彼らは「foolish」「BOY MEETS GIRL」を披露し、結成25周年を迎えた屈強な姿を盤石のプレイで観客に示した。

その後もART-SCHOOLはファンから愛されてきたさまざまな楽曲を披露。「ステート オブ グレース」で美しいメロディを紡いだあと、「MISS WORLD」「14souls」といったナンバーを爽快に届けた。戸高が「25年か。エグいね。よく続けてきたね、25年も」と言葉にする。客席から「ありがとう!」という声が次々と上がると、木下は「こちらこそ。皆さんのおかげです」と言葉を返した。戸高は「僕が初めて買ったART-SCHOOLのCDが『DIVA』というシングルだったんですけど、なんか癖になったんです。CDプレイヤーから流れてくる悲鳴のような声にやられちゃって。次に買ったのが『SONIC DEAD KIDS』というミニアルバム。めちゃくちゃ音が悪くてびっくりした(笑)」と懐かしそうに笑う。そして「そのミニアルバムの中にどうしても聴いた瞬間から心をつかまれちゃった曲があって。その感覚は25年経った今でも、1回も変わったことがない。その曲を今からお送りします」という戸高の言葉を経て、彼らが弾き始めたのはこれまでも節目で大切に演奏してきた「斜陽」。ライブ中盤に披露されるのはめずらしいこの曲で、決して色褪せることのないメロディをじっくりと奏でた。

さらにART-SCHOOLは「ウィノナ ライダー アンドロイド」「I hate myself」をプレイ。唯一無二の剥き出しの歌声と感情渦巻くような獰猛なサウンドが場内に響き渡る。「シャーロット」をゆるやかに紡いだあと、戸高が「楽しんでますか? 僕は楽しんでるとか超越して、染み入りながらやっています。エモ散らかしています。そりゃあなんとなく25年続いたわけじゃないんで。本当にいろんなことをやって、時代に寄り添ってみようとして失敗したり……」と話を切り出し、「根っこの部分が何にも変わらずにきたのがよかったなって。今日みたいにZepp Shinjukuにたくさん人が集まってるのを俯瞰して見てみると、『本当にこの人たちART-SCHOOLが好きで集まってるのかな?』みたいな、そういう気持ちがいまだにある。簡単ではなかったけど、俺は個人的には木下理樹のことを信じてきてよかったなと思っています」とまっすぐに語って拍手を浴びる。さらに戸高は「15年くらい前かな、メンバーが抜けるってなって……ナカケンさんが協力するって手を上げてくれて、そのナカケンさんが勇さんを引っ張ってきてくれて。僕らがくだらないいがみ合いとかをしてたとしても、大人の包容力で包んでくれてなだめてくれて、解決に導いてくれて。本当に頭が上がりません。ありがとうございます。プレイヤーとしても本当に最高ですね。2年前にやぎちゃんがサポートで入ってくれて。華のないおじさんたちに華を添えてくれて本当にありがとうございます」とサポートメンバーに感謝の思いを述べ、「あと、やっぱり今日みたいな日にも、何年も駆けつけてくれる皆さん。マジで感謝しかないし、本当に愛していますとしか言えません」とオーディエンスに伝えた。

信じてついてきてくれたオーディエンスとメンバーへの思い

ダンサブルなナンバー「クロエ」を経て、「プール」ではゆらめくようなアンサンブルにオーディエンスがじっくりと浸る。「BUTTERFLY KISS」ではかない歌声を届けた木下は「25年ってすごいなと本当に思いますね。全然何ひとつ簡単なことではなかったけど、信じてきてくれたお客さんとメンバーのおかげで今こうやって歌ってます」と感慨深げに語った。「SKIRT」では胸をくすぐるような木下の切ない歌声が場内に響き渡る。「SANDY DRIVER」を軽快にプレイしたあと、彼らは「ジェニファー'88」でエネルギーを爆発させた。

ライブ終盤を迎え、5人はここからさらにギアを上げていく。2022年の活動再開を飾ったナンバー「Just Kids」や代表曲の1つ「ロリータ キルズ ミー」といったバンドの歴史を彩った楽曲を次々と投下して会場を盛り上げた。さらに彼らのライブには欠かせない「UNDER MY SKIN」「FADE TO BLACK」といった楽曲もパフォーマンス。最後には2023年に生まれ、ライブでも人気ナンバーとなっている「Bug」で希望に満ちた5人の美しい音を轟かせた。

アンコールでは戸高から新作ミニアルバム「1985」のリリースとツアーの開催が発表された。フロアが大きく沸く中、彼らはミニアルバムの中からいち早く新曲「Trust Me」を披露。幻想的な空気をまとって疾走していくような最新のART-SCHOOLのサウンドを放ってオーディエンスを喜ばせた。さらに5人は「刺青」をプレイ。そしてラストに「ニーナの為に」を奏でてステージを去っていった。

その後も会場に響き渡る拍手は鳴りやまず、5人は再びステージへ。木下は「最後の曲をやるんですけど……僕は音楽を通じてしか人とコミュニケーションが取れなくて。ですから、そういう人間が作ってきた音楽にこうやってたくさんの人が集まってくれて本当に感謝しています。もう言葉では伝えられないですね」と気持ちを伝えたあと、思いを込めるように「SWAN SONG」を歌い上げてライブに幕を下ろした。

セットリスト

「ART-SCHOOL 25th ANNIVERSARY LIVE 2025『Our Beautiful Things』」2025年3月16日 Zepp Shinjuku(TOKYO)

01. SWAN DIVE
02. スカーレット
03. foolish
04. BOY MEETS GIRL
05. ステート オブ グレース
06. MISS WORLD
07. 14souls
08. 斜陽
09. ウィノナ ライダー アンドロイド
10. I hate myself
11. シャーロット
12. クロエ
13. プール
14. BUTTERFLY KISS
15. SKIRT
16. SANDY DRIVER
17. ジェニファー'88
18. Just Kids
19. ロリータ キルズ ミー
20. UNDER MY SKIN
21. FADE TO BLACK
22. Bug
<アンコール>
23. Trust Me
24. 刺青
25. ニーナの為に
26. SWAN SONG

商品情報

ART-SCHOOL「1985」収録曲

01. Trust Me
02. Sad And Beautiful Things
03. 1985
04. Heaven Kicked Me Out
05. We Are All Broken
06. Outsider
07. Dry Dreams(Still In Monochrome)
08. Forever And Again

公演情報

ART-SCHOOL 25th ANNIVERSARY TOUR 2025 「1985」

2025年7月5日(土)宮城県 enn 2nd
2025年7月6日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
2025年7月12日(土)岡山県 YEBISU YA PRO
2025年7月13日(日)京都府 磔磔
2025年9月7日(日)東京都 LIQUIDROOM
2025年9月20日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2025年9月21日(日)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
2025年9月23日(火・祝)福岡県 INSA
2025年10月4日(土)北海道 SPiCE

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