ICExが、昨日3月31日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで「ICEx Second Concert Tour 2025 "ROUTE-8"」の最終公演を行った。
2周年の記念日は“過去最大キャパ”の会場で
“すべての愛を愛す”をグループコンセプトに掲げ、2023年3月31日に結成されたダンス&ボーカルグループのICEx。8人で走り始めた日から丸2年、結成記念日に行われた2ndツアーの追加公演は、彼らにとって最大キャパシティとなる会場・TOKYO DOME CITY HALLを舞台に実施された。
黄色いスクールバスに乗り込んだ8人が“ROUTE-8”を走り出すオープニング映像が幕開けを知らせると、メンバーカラーのカレッジジャケットで決めた8人が舞台奥のビジョンから登場。客席を埋め尽くす満員のCOOLer(ICExファンの呼称)の大歓声を浴びながら、彼らは「Hollywood」で軽快にライブをスタートさせた。筒井俊旭の流暢な英語のセリフを合図に「Sunny Road」へと展開すると、メンバーが踏み鳴らす軽快なステップと「Hey!」「Hoo!」のかけ声によって、会場の楽しげなムードが増幅していく。中村旺太郎は「みんな盛り上がっていこうぜ!」と声を上げ、8色のペンライトが輝く客席をさらに盛り上げた。
ステージで輝いた8つの個性
2曲を終え自己紹介を済ませると、中村は客席とのコール&レスポンスを行い「この調子で、今日という日を最高の1日にしていきましょう!」と呼びかけた。3曲目「Maniacs」では竹野世梛がフィーチャーされ、彼がジャケットの燕尾を翻しながら1人舞い踊ったオープニング、ステージに並ぶ7人と順にペアダンスを展開していく間奏パートがCOOLerの目を奪う。ここからICExは、メンバーそれぞれの個性、スキルにスポットを当てたステージを展開していく。「ダイキライ」でフィーチャーされた山本龍人は小柄な体型から繰り出されるパワフルかつスキルフルなダンスとキュートなハートマークのポージングで観客を魅了。穏やかな波の音が導いた「Sunset Blue」では、白いベンチに腰掛けた志賀李玖が冒頭や間奏で切なげにセリフをつぶやき、持ち前の演技力で楽曲の世界観を豊かに増幅させた。「本当は、そばにいてほしい」という彼の言葉で曲が締めくくられると、ステージ中央でスポットライトを浴びたのは千田波空斗。「COUNT DOWN」のサビのフレーズをパワフルに歌い上げた彼が「ねえ、恋しよう?」と語りかけると客席からは黄色い悲鳴が上がり、8人はブレスフルなボーカルと艶やかなダンスで、会場をぐっと大人びたムードに染め上げてみせた。
メンバーがダイナーで食事やダーツを楽しむ映像が届けられると、ライブ中盤にはユニット曲を連発してCOOLerを楽しませたICEx。中村、山本、筒井による「Butterfly Echo」では、ビートの効いたさわやかなEDMサウンドに乗せ、ダンス巧者の3人がパワフルかつ優雅に歌い踊る姿に会場中が熱視線を注ぐ。ICExのボーカルの要である千田と八神遼介は「listen to your heart」でそのボーカルスキルを存分に発揮。ステージ両端に立つ2人はそれぞれの方を向き合って声を重ね、エモーショナルなひとときを演出してみせた。「恋ソーダ」では志賀、阿久根温世、竹野がシャボン玉舞うステージで清涼感たっぷりに甘酸っぱい青春の1ページを表現。COOLerを大いに沸かせていた。
ICEx史上2回目! 全員集合の食事会でハプニング発生?
今回のツアーで初披露された「Dash and Rush」を終えMCタイムに入ると、ステージに残った阿久根、筒井、竹野、八神がCOOLerに伝えたのはライブ前夜に開かれたという、ICEx史上2回目の“メンバー全員集合の食事会”のエピソード。竹野が率先して店決めや予約を行う頼もしさを見せるも、店名の英字を読み間違えて違う駅に到着してしまうハプニングが発生したという。正しい駅に到着後も、地図アプリを開いた八神のスマホを手にした竹野が間違った道案内をしてしまったそうで、メンバーからのこの激白に竹野は「八神が指定してる場所がそもそも違った!」と言い訳混じりの苦笑い。阿久根は「3年目は、そういうところ成長していきたいですね!」と笑いながら声をかけていた。
竹野の「第一バルコ(ニー)!」という言い間違いに客席が一気に和んだ盛り上げタイムを経て、「ナイトフライト」の導入ではファンクサウンドに軽やかに体を弾ませる中村のロックダンスが炸裂。LEDビジョンに映し出されたミラーボールを背に、8人はパワフルな歌とダンスでCOOLerを圧倒する。曲終わりにクールなポーズを決めた中村からバトンを受け取ったのは八神で、「Cyber Groovin'」でセンターに躍り出た彼は深みのあるセクシーなボーカルと伸びやかなロングトーンを広い会場に放つ。「Play The Music」ではICExのアクロバットスター・筒井がその能力を発揮。ステージ上のステップからのバック宙、側宙、連続バック転、ブレイキンやバレエの要素を盛り込んだソロダンスと、持ち前のスキルを遺憾なく見せる躍動で歓声を誘った。メンバーそれぞれの個性が色鮮やかに輝いたパフォーマンスリレーのアンカーを担ったのは阿久根。「ビリミ」の冒頭で力強く響くヒューマンビートボックスを披露すると「阿久根温世、カッコよかったですか?」と客席に訴え、バイタリティに満ちた歌声とコールアンドレスポンスでも会場全体のムードを高揚させていった。
この日2度目のMCタイムでは、志賀、中村、千田、山本が先ほどの食事会エピソードを受けながらICExの2年を回顧。1度目の食事会では八神が「肉じゃが食べますか?」と敬語でメンバーに話しかけて回っていたことが4人の口から明かされた。この振る舞いにメンバーどうしで「かわいいね」と反応していると、竹野はその場で「俺、あいつに負けねえから」と告げたといい、このエピソードにCOOLerは「かわいい~!」と声をそろえる。そして4人は「そんなかわいい2人が、昨日はお店を探してくれて。成長感じましたね」と、しみじみしていた。
どんな時だって、COOLerと夢をえがこう
ワイルドなダンスビートの上で8人がエネルギッシュにソロをつないだダンスリレーを経て、スケール感に満ちたお祭りソング「CARNIVAL」でライブは後半戦へ。スパークラーによる華やかな演出の中、タオル回しでCOOLerと盛り上がったメンバーは、ジャジーな「It's party time!」の絢爛な世界観で華やかなムードを加速させていく。中村の「まだまだ声出せるよね!?」という声からなだれ込んだ「シブヤ 午後6時」ではCOOLerから大きなコールが送られ、心弾むエレクトロサウンドに身を任せステップを踏む8人のパフォーマンスを彩った。キャッチーなメンバー紹介を歌いつないでいく「We're ICEx!」のメンバーコールで会場の一体感が最高潮に高まったところで届けられた本編ラストの楽曲は、本日4月1日に配信リリースされた最新曲の「8COUNT」。イントロで志賀は「8人の人生が重なってICExの道を歩んでいること、こうしてCOOLerに出会えたことに感謝しています。これからも愛あふれる道を歩んでいきましょう」とCOOLerに訴えかけ、メンバーはまっすぐな歌声を重ねて「さあ始めよう」とこれから先の未来をともに見つめた。
大きな“ICExコール”でアンコールを求めたCOOLerは、ここでメンバーへ向けたサプライズ祝福を送る。8人がステージに戻ると、ファンの手には「ICEx2周年おめでとう! どんな時だって、COOLerと夢をえがこう」というメッセージカードが。客席一面が水色のカードで埋め尽くされた景色にメンバーは「すごい!」「ヤバい!」「こっちが新衣装で驚かせようと思ってたのに!(笑)」と次々に声を上げてこの祝福を喜んだ。記念撮影を終え、八神は「僕たちからみんなに、僕らの思い出の曲を送りたいと思います」と言い、8人は「Destiny」でライブを再開させる。「8人の輝く未来に向けて」というメッセージとともに届けられた「理想郷」を終えると、彼らはここで今の思いをCOOLerに告げていった。特撮好きの中村は、特撮の聖地とも言える東京ドームシティでのライブ実現に「夢を叶えられた」と喜び「ということは、ICExの夢の国立競技場ライブも僕個人の夢である武道館でのライブも、叶えられない夢じゃないっていうことが証明されているわけですよ」と胸を張る。COOLerから「優しい」と声をかけられることがうれしいと明かした千田は「優しい家庭に生まれて、優しいメンバーやスタッフに支えられて、優しいCOOLerが応援してくれるから僕は幸せで、そりゃ優しくなっちゃうよねと思うし、みんなからもらった優しさでみんなのことを幸せにしたいなと思います」と朗らかな笑顔を見せた。
こんなに楽しいんだ、人生って
「みんなのおかげで、ICExになってからどの瞬間も楽しくて。今までの人生の中で一番自分らしくいられる場所がICExだと思う。メンバーの7人が僕は本当に大好き」と語ったのは山本。彼が「この先高い壁にぶち当たったとしても、この8人なら乗り越えられると思ってます。これからも僕たち8人が向かう夢に付いて来てほしいし、愉快な8人を見守ってくれたらなと思います」と呼びかけると、続く筒井も「僕は小さい頃からアーティストになるのが夢だったけど、ICExになれてよかったし、ICExがこの8人でよかったし、この8人なら俺の人生託せるなと思ってます。3年目も全力の笑顔とパフォーマンスで元気を届けていきます」と誓う。八神は自分たちとCOOLerの関係性について「僕たちはみんなの支えになるのが役目だと思うから、支え合って、これからもみんなと会える機会を大切にしていきたい。これからもみんなと幸せな時間を共有できることを楽しみに、みんなに幸せを届けられるようにがんばりたいと思います」と語った。
「考えてきたことを忘れた!」と照れ笑いした竹野が「大好きです。これからも愛し続けるので愛し合っていきましょう」というまっすぐな言葉でCOOLerへの思いを表現し、阿久根が「今回のツアーを通して1人ひとりのことを皆さんに知ってもらって距離が縮まったことをうれしく思っています。これからもライブやイベントを通して、僕たちも皆さんのことを知りたい。大事な日をCOOLerと過ごせて幸せでした」と感謝すると、最後に挨拶を任された志賀の目にはみるみる涙が。後ろを向いて落涙し、メンバーに支えられた彼は「みんなが『ICExでよかった』とか『2年間幸せだったな』と思ってくれるのがすごいうれしいし、研究生時代には考えられないくらい大きなステージに立ててすごいうれしい」と思いを吐露。そして「7人もそうだし、COOLerのみんなが幸せだと思ってくれるのがうれしい。これから人生長いですが、僕はみんなと過ごせるのが幸せです。横を見れば夢を一緒に目指す7人がいて頼もしいし、前を見れば支えてくれるCOOLerの皆さんがいるから。毎日が楽しいし、『こんなに楽しいんだ、人生』って思います」と笑顔を見せ「まだまだ見たことがない景色がありますし、一緒に走っていきましょう!」と力強くCOOLerに呼びかけた。
3年目は“波乱”の幕開け
8人それぞれが熱い心の内を吐露した最後の挨拶を終え、中村は「僕たちICExとCOOLerの皆さんでずっと大切にしていきたい曲です」と、この日が初披露となる楽曲「運命の1ページ」をコールした。柔らかなサウンドに乗せて「どんな未来も君といさせて」「僕には君がすべて」とCOOLerへのメッセージをまっすぐに伝え、温かなムードの中でアンコールの幕を下ろしたメンバー。しかしながらCOOLerの熱い声は止まず、ライブはICEx初のダブルアンコールへ。志賀の「あの曲やるまで終われませんよね!?」という声にCOOLerが大歓声を返すと、8人はICExの始まりの歌、デビュー曲の「CANDY」をラストナンバーとして届けた。“レトロトイポップ”のキャッチーなサウンドが響く中、2年前から頼もしい成長を遂げたパフォーマンスでCOOLerの心を踊らせた8人。“ICExポーズ”を掲げてアニバーサリーライブは晴々しく終幕……と思いきや、ICExの先輩・SUPER★DRAGONの田中洸希とジャン海渡の突然の登場、そして2人の口からサプライズ告知されたのは、メンバーを2つのユニットに分け、オリジナルのユニット曲の配信リリース権をかけて“5番勝負”を行う対決企画「ICEx Fight -Five Games Battle-」の始動決定。その場でチーム分けも行われ、ユニットAのメンバーは中村、志賀、筒井、山本、ユニットBのメンバーは阿久根、千田、八神、竹野に決まった。ICExの3年目はメンバーもCOOLerも想定外の幕開けに。感動と驚きの余韻の中、志賀は最後に「これから先、楽しい1年になる気がしています。皆さん一緒に歩んでいきましょう!」と満員の客席に呼びかけてライブの幕を下ろした。
セットリスト
ICEx「ICEx Second Concert Tour 2025 "ROUTE-8"」2025年3月31日 TOKYO DOME CITY HALL
01. Hollywood
02. Sunny Road
03. Maniacs
04. ダイキライ
05. Sunset Blue
06. COUNT DOWN
07. Butterfly Echo
08. listen to your heart
09. 恋ソーダ
10. Dash and Rush
11. ナイトフライト
12. Cyber Groovin'
13. Play The Music
14. ビリミ
15. CARNIVAL
16. It's party time!
17. シブヤ 午後6時
18. We're ICEx! (#7)
19. 8COUNT
<アンコール>
20. Destiny
21. 理想郷
22. 運命の1ページ
<ダブルアンコール>
23. CANDY
