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TM NETWORK「Get Wildの日」に提示したContinualな姿、過去と未来つないだ横浜アリ公演

「Get Wild」をパフォーマンスするTM NETWORK。(Photo by Kayo Sekiguchi)
約1か月前2025年04月10日 11:04

TM NETWORKのライブツアー「TM NETWORK 2025『YONMARU+01』」が昨日4月9日に神奈川・横浜アリーナで行われた公演をもってファイナルを迎えた。

スペクタクルな映像美×3人の熱演

2024年にメジャーデビュー40周年という大きな節目を迎え、トリビュートアルバムやライブBlu-rayボックスのリリース、映画「TM NETWORK Carry on the Memories -3つの個性と一つの想い-」の公開などアニバーサリー企画が目白押しだった彼ら。それらの活動を経て開幕した「YONMARU+01」は、過去と現在、そして未来のTM NETWORKを提示するツアーとなった。本稿ではTM NETWORKの代表曲として知られる「Get Wild」の発売日であり、2023年に「Get Wildの日」に制定された4月8日公演の模様を紹介する。

場内が緩やかに暗転すると、客席から穏やかだか熱のこもった拍手が上がり、FANKS(TM NETWORKファンの呼称)たちの確かな興奮を伝える。波打つ水平線の彼方に鮮やかな太陽が浮かび上がるオープニングムービーを経て、小室哲哉(Key)、木根尚登(G)、宇都宮隆(Vo)の3人が順番にステージへ。小室は真っ白なスーツ、木根は白いシャツが映える黒いスーツ、そして宇都宮は真紅のネクタイに漆黒のスーツと三者三様の衣装をまとい、ミディアムテンポの新曲「We Can't Stop That Way」でライブの幕を開ける。「TM NETWORKは40周年を経ても止まらない」。摩天楼の景色を背にした彼らは、そんな意思を示すようにそれぞれの楽器を力強く奏で、歌声を重ねた。

スクリーンに大きく「TM NETWORK 2025『YONMARU+01』」のロゴが映し出されたところで、小室の奏でる繊細なシンセサイザーの音色、木根の弾く素朴なアコースティックギターの調べ、宇都宮の弾むようなボーカルが三位一体のアンサンブルを紡ぐデビュー曲「金曜日のライオン」へ。その後も3人は1984年から現在に至るまでに世に放ってきた作品を、それぞれの楽曲に込められたメッセージやサウンドに沿って作られた映像を交えながら継ぎ目なく披露。「Alive」を皮切りに突入した、デビュー30周年の2014年リリースのアルバム「QUIT30」の収録曲で固めたブロックでは、「[QUIT30] Birth」「[QUIT30]The Beginning Of The End」「[QUIT30]The Beginning Of The End II & III」が組曲のようにパフォーマンスされ、CGによるスペクタクルな映像美が3人の作り出したサウンドを彩った。

多彩な音楽性を提示するTK Solo EVOLUTION

深い余韻を堪能するFANKSたちに向けて、次に3人が贈ったのは、最新シングル「Carry on the Memories」の収録曲である「Show my music beat」と「Good Morning Mr.Roadie」。小室がリリース時に「普段だったら照れて使わない単語が出てきますから。でも、今だったら何の衒いもなく歌えるんだけどね」「さらっとシンプルに作ったんだけど、それが意外とTMの音楽性の幅を広げてくれたかもしれない」とそれぞれコメントしていたこの2曲は、TM NETWORKのルーツを感じさせるフォーキーな味わいが特徴。府中や立川などメンバーの故郷で撮影された映像を背に、3人は音楽を始めたばかりの少年のように楽しげに音を重ね、「1人じゃ何もできない そんな僕らを 君は待ってくれていた」とFANKSへの思いをつづった歌詞をマイクリレーで歌いつなぐ。さらに「Good Morning Mr.Roadie」では自分たちを支える多数のスタッフの名前を巨大スクリーンに浮かび上がらせながら、「Show must need you 君たちがいなければ」と愛おしさを声ににじませた。

ライブのクライマックス前には、ツアーの総合演出を手がけた小室による面目躍如の「TK Solo EVOLUTION」コーナーも。小室は複数のシンセサイザーを無邪気な子供のように操りながら、クラシック、クワイヤ、ダンスミュージックといった異なるジャンルのサウンドを指先ひとつで奏でたり融合させたりと、その豊かな音楽性でFANKSを圧倒した。

Continualであり続けるTM NETWORK

FANKSお待ちかねの「Get Wild」は、同じ1987年に生まれた「Resistance」のあとに配された。FANKSたちの期待感が飽和したのを見計らうかのように、横浜アリーナに激しい爆発音が響く。宇都宮はマイクスタンドを高く掲げながら清涼感のある声を響かせ、木根はアコースティックギターを軽やかにストロークする。小室も真剣な表情で鍵盤と向き合い、1987年のオリジナルバージョンをなぞらえるのではなく、“YONMARU+01”バージョンにアップデートした「Get Wild」を届け、この曲が「Continual(継続的)」であり今後も進化するナンバーであることを証明した。

さらに3人は「Resistance」「Get Wild」同様に1987年リリースの「Self Control」をプレイ。さらにTM NETWORKの結成からこれまでに至る景色とともに、「あとどのくらいかな あの場所この場所で 音を奏でて 君を笑顔にできるのは」と歌う「Carry on the Memories」で、同じ時代を生きてきたFANKSを泣かせにかかる。そして「Last Encount」がアリーナに響く中、小室、宇都宮、木根の3人は定位置を離れFANKSの近くへ。スクリーンには柔らかな笑みを浮かべながら手を振るメンバーが映し出されるが、その姿はいつしか粒子へと変わる。気付けば舞台に3人の姿はなく、スタッフロールとともにリラックスした表情で楽屋へ向かう様子が。そして、オープニングムービーと同様に、波打つ水平線の上に太陽がスクリーンに燦然と輝く中、FANKSとの再会を約束する言葉が浮かび上がった。

なお、横浜アリーナ公演の模様は5月にWOWOWで放送・配信される予定。詳細は追ってアナウンスされる。

セットリスト

TM NETWORK 2025「YONMARU+01」2025年4月8日 横浜アリーナ

OP. +01
01. We Can't Stop That Way
02. 金曜日のライオン
03. 永遠のパスポート
04. CASTLE IN THE CLOUDS
05. Alive
06. [QUIT30]Birth
07. [QUIT30]The Beginning Of The End
08. [QUIT30]The Beginning Of The End II & III
09. Show my music beat
10. Good Morning Mr.Roadie
11. LOUD
12. DIVE INTO YOUR BODY
13. SCREEN OF LIFE
14. TK Solo EVOLUTION
15. Resistance
16. Get Wild
17. Self Control
18. Carry on the Memories
19. Last Encount

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