伊藤潤二のホラーマンガを原作としたアニメ「クリムゾン」の制作が決定。主題歌に松任谷由実の書き下ろし曲「烏揚羽(からすあげは)」が使用される。
%img_2632051_float%伊藤は“マンガ界のアカデミー賞”と言われる「アイズナー賞」を4度受賞し、世界中にファンを持つホラーマンガ家。2023年1月には彼の代表作20タイトルをアニメ化した「マニアック」がNetflixで配信され、2024年にはTOKYO MXで放送された。その続編「クリムゾン」は“怪物”をコンセプトにした恐怖物語集となる。なおタイトルは「深紅」を意味している。
2024年に個展「伊藤潤二展 誘惑」を訪れ、その様子をSNSに投稿した松任谷。その後、かねてより松任谷の大ファンであった伊藤が彼女のラジオ番組に出演し、2人は初対面を果たした。「クリムゾン」の主題歌「烏揚羽」の主人公は、冥界と現世をつなぐ役割を担う烏揚羽。“異なる異空間をミックスすること”は、今秋に発売される松任谷の40thアルバムのコンセプトにもつながっており、同アルバムに「烏揚羽」が収録される予定となっている。
YouTubeでは「烏揚羽」のミュージックビデオを公開中。
松任谷由実 コメント
伊藤潤二作品には、それがどんなにシュールでグロテスクでも、その根底になぜか必ず繊細な“和”の美しさと哀しみが漂っています。むしろ、異形であればあるほど、そこに在るのに決して掴むことのできない何かへの憧憬が炙り出されるのかも知れません。私たち日本のファンも、多くのフランスのファンの方々も潜在的に気づいている共通の美意識。約200年かけて醸造された妖しい世界を一緒に旅することが出来るなんて、なんと素敵なことでしょう!このMUSIC VIDEOは、伊藤潤二「クリムゾン」に先立つ小旅行。案内役は変幻に飛びまわる(烏揚羽)。伊藤潤二さんにお願いして黒い蝶の画を描いていただきました。今回テーマ曲を依頼され、ラビリンスのようなコード進行にのせたメロディと共に私が思い浮かべたのは、冥界と現世を繋ぎ、異次元を彷徨うメッセンジャーの形。偶然、フランス語でも黒い蝶はそんな意味を持つそうですね。私の描いたイメージは間違いではなかったと思えました。本編公開までしばらくのあいだ、ひとりでも多くの方にこの(烏揚羽)のMUSIC VIDEOで「クリムゾン」への期待をふくらませていただけたら幸いです。
伊藤潤二 コメント
現在、私の原作を基にした「伊藤潤二『クリムゾン』」というアニメが作られています。このタイトルを聞いただけでゾクゾクして期待が高まります。新旧の私の短編の中から、特に血のように深い赤色を存分に生かせる作品を選んでアニメ化していただけると聞いております。ユーミンこと松任谷由実さんは、世界における最高の作曲家のひとりだと私は思います。今回「クリムゾン」のOPをユーミンさんに担当して頂ける事になりました。これは普通ではありえない事で、本当に夢のようです。最初ユーミンさんのスキャット風のデモを聴かせていただいて、それだけですぐに名曲と感じました。とても情感豊かで、一度聴いたら忘れられないメロディです。最近はこのユーミンさんの新たな名曲が、私の頭の中でエンドレスに流れていて、幸せに浸っております。TVアニメ「伊藤潤二『クリムゾン』」は、真紅のイメージを想起させるアニメシリーズとなるのは重要なポイントだと思います。さらに加えて、松任谷由実さんがOPを担当してくださる事により、「コレクション」や「マニアック」とはまた違った雰囲気の、特別なアニメ作品になる事でしょう。ファンの皆さんも待ち遠しいと思いますが、是非楽しみにしていてください!
©ジェイアイ/朝日新聞出版
