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光も影も抱きしめて、WANIMAが「Sorry Not Sorry」ツアー最終公演で歌った分岐点

KENTA(Vo, B)(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)
3か月前2025年07月04日 12:05

WANIMAのホールツアー「『Sorry Not Sorry』 TOUR」のファイナル公演が、6月27日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで開催された。

さらに強靭になったWANIMA

「『Sorry Not Sorry』 TOUR」はWANIMAが昨年12月にリリースしたEP「Sorry Not Sorry」を携え、今年4月から6月にかけて行ったツアー。2022年3月から2024年11月までの2年半におよんだツアー「Catch Up TOUR -1 Time 1 Chance-」を経てライブバンドとしてさらに強くなったWANIMAは、今回のツアーの全18公演で「Sorry Not Sorry」や会場限定販売のEP「Bear Book」の収録曲、ライブ定番曲などを織り交ぜたセットリストやソウルフルなパフォーマンスでファンを楽しませた。

ファイナル公演は定刻ぴったりに開幕。KENTA(Vo, B)の「『Sorry Not Sorry』TOURファイナル、開催します!」という宣言を合図に、WANIMAはさっそくEPの表題曲「Sorry Not Sorry」で滑り出す。クールなギターリフやみずみずしいサウンドを響かせて観客のテンションを一気に引き上げたところで、激しいサウンドながらもどこかウェットで切ない質感の「Focus on me」、アッパーな「夏暁」と湿気を帯びた夏日にぴったりの楽曲を続けた。

熊本愛がスパーク

パフォーマンス中に観客の目をひと際引いたのはKENTAの髪色。昨年彼が長髪をバッサリと断髪したことはファンの記憶に新しいが、その短髪ヘアは本ツアーの途中から鮮やかなネオングリーンに。ブラックライトを照射すると発光する蛍光塗料のごとく、まるで存在を証明するかのように暗闇でも鮮やかにKENTAの居場所を示していた。そんなKENTAはMCで「横浜の人はおる?」「横浜以外の人は?」など質問しファンとの交流を楽しみつつ、悪戯っぽく笑いながら「僕ら実は熊本出身なんやけど。次は熊本弁の歌、歌っていいですか?」と前振りをして「Do Gang」の一節をアカペラで熱唱。そのまま3人は重低音を轟かせながら熊本愛をスパークさせ、FUJI(Dr, Cho)が巨大なドラを勢いよく叩いて曲を締めくくった。

その後KENTAが「普段言えない思いを込めて『あーっ!』て叫んでみて!」と先導すると、会場中にさまざまな思いのこもった叫びがこだまする。一体感が高まった観客に向けてKENTAは「これがライブや! 今日くらいは自由に楽しんでいいからな!」と声をかけ、「2025年のWANIMAをぶつける!」と奮起。気持ちが前のめりな様子の3人は観客を鼓舞するように「眩光」を力強く演奏した。

母と祖母への思い

中盤ではKENTAが自身の生い立ちや複雑な家庭環境を静かに語った。「待ってばっかりの幼少期やったけんね」と少し寂しげな表情を浮かべる彼は、メンバーやバンドを支えるチームなど、家族同然とも言える人々と出会ったことで、その存在の大切さに気付いたと晴れやかな笑顔を見せる。続けて自身と同じような境遇の人へ向けて「キツい言葉かもしれんけど『お前だけじゃないぞ』って。幸せは自分でつかめるって信じとる」と語りかけた。そんなMCに続けて、WANIMAはKENTAがデビュー前に母について書いた曲「マザー」を披露。さらに彼は「俺はばあちゃんに向けて歌うけん。みんなは大事な人を思い浮かべて聴いてほしい」と前置きして、亡くなった祖母への思いを表現した、今年3月配信リリースの楽曲「存在」を優しく歌い上げた。なお、WANIMAは2014年にはKENTAが亡くなった祖父に向けて送ったメッセージソング「1106」もリリースしている。

その後WANIMAはしんみりとした空気を吹き飛ばすように、「Bear Book」よりメロディックパンクチューン「EASY PUNK」、途中のトラブルからセットリストには入っていなかった「いいから」を即興で演奏。その後、熱くもあり聴かせる曲でもある「月の傍で」を演奏すると、さらに畳みかけるかのようにWANIMAファンの中ではライブ定番曲となっている「BIG UP」をドロップ。ライブバンドらしい熱演を繰り広げてオーディエンスを大いに盛り上げる。フロアの熱狂ぶりにKENTAは思わず「ライブってなんでこんなに熱くなるんやろう!」と口走り、その勢いのままに「Sorry Not Sorry」の収録曲「DISCOVER」をエネルギッシュに演奏した。本編ラストナンバーは実写ドラマ「【推しの子】」の第6話主題歌「爛々ラプソディ」。ハードコア調の激しいサウンドながらもキャッチーなメロディが冴えるこの1曲で、KENTAは魂のこもったシャウトを響かせた。

アンコール前に断髪

アンコールではKO-SHIN(G, Cho)とFUJIに少し遅れる形で、たった今ステージ裏でバーバーショップ・MERICAN BARBERSHOPのヌマタ氏に散髪してもらったというKENTAが登場。斬新な試みに驚くファンを前に、KENTAは「2階も3階も見える!? ニューヘアイケてる!?」と煽り、WANIMAは青春感のあるサウンドの「Rolling Days」を披露。彼は「正直なこと言うとこのツアー終わりたくない」と名残惜しみつつも、「でも次に進まなん!」と先を見据える。そしてWANIMAはラストスパートをかけるように「オドルヨル」「ともに」を連投。KENTA はメンバーやスタッフ、観客への感謝を述べつつ「モヤモヤしていた気持ちが晴れた気がします。大事な大事なツアーでした。また必ず会おう」と語り、ラストナンバー「♡Dear Me♡」へ。メンバーの足元にスモークが広がると、KENTAは柔らかな音色に重ねるように優しい歌声を響かせ、場内に感動的なムードを漂わせてライブを終えた。

なお、ライブ終わりには本ツアーのSEとして使用されていた楽曲のミュージックビデオが上映され、楽曲タイトルが「分岐点」であることが明らかに。そしてツアーの終幕と合わせて「分岐点」が配信リリースされ、YouTubeでは同じ熊本出身の俳優・高良健吾が出演しているMVが公開された。

セットリスト

WANIMA「『Sorry Not Sorry』 TOUR」2025年6月27日 神奈川 パシフィコ横浜 国立大ホール

01. Sorry Not Sorry
02. Focus on me
03. 夏暁
04. Do Gang
05. ONCE AGAIN
06. ネガウコト
07. Oh!? lie! wrong!!
08. 眩光
09. マザー
10. 存在
11. りんどう
12. EASY PUNK
13. いいから
14. 月の傍で
15. BIG UP
16. DISCOVER
17. 爛々ラプソディ
<アンコール>
17. Rolling Days
18. オドルヨル
19. ともに
20. ♡Dear Me♡

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