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今年はホールで“完全独演”!ありのままの自分を見せた「尾崎世界観の日」

尾崎世界観(撮影:神藤剛)
約1か月前2025年09月16日 8:02

尾崎世界観(クリープハイプ)が9月11日に東京・NHKホールで弾き語りイベント「尾崎世界観の日 2025 完全独演」を開催した。

素敵な拍手でかき消していきたい

このイベントではこれまで尾崎がホストとなり、アーティストやお笑い芸人がゲストに迎えられてきたが、今回は「尾崎世界観の日」史上最大規模の会場であるNHKホールを舞台に初の“完全独演”として実施された。

この日は秋雨前線が関東に南下し、東京は昼間から激しい雷雨に見舞われていた。大きな拍手を浴びながらステージに姿を現した尾崎は「昼からずっと降っていたクソみたいな雨の音より1万倍くらい好きな音です」と会場を見渡す。そして「嫌なことや不自由なことはいっぱいあるし、そういう雑音や聞きたくない言葉があふれているけれど、なるべく今みたいな素敵な拍手でかき消していきたいと思っています」と話すと、「ナイトオンザプラネット」でライブをスタート。星のような2つのミラーボールの光に彩られながらセンチメンタルに音色を紡ぎ、特別な夜へと観客を誘っていった。

軽やかながらもどこか切なさを感じさせるギターサウンドに優しい歌声を乗せて「もうおしまいだよさようなら」を届けた尾崎。そして、ブルージーな雰囲気が漂うナンバー「誰かが吐いた唾が キラキラ輝いてる」を演奏したあと、「さっちゃん」で力強くギターを鳴らした。「緊張感がすごいな……」とホールでのアコースティックライブならではの空気に背筋を伸ばしながらも、「バイトをしながらバンドをやっていて、全然うまくいかなくて。バンドを続けるためにやるバイトもうまくできなかった。嫌なバイトリーダーに目をつけられて」と昔話を切り出す。唯一時給が上がったことがあるというコールセンターのバイト時代を振り返ったあと、「目覚まし時計」「自分の事ばかりで情けなくなるよ」で憂鬱感のある日々を歌い上げた。

生きて生活するということは、とにかく変わること

ライブ中盤を迎えた頃には、緊張感をはらんだ会場の空気も徐々にリラックスしたムードへと移り変わっていく。「大丈夫」では軽やかなリズムと温かみのある歌声が場内に朗らかに鳴り響き、心地のいい空気をもたらした。「ふーりん」をそっと紡ぎ上げた尾崎は「今の曲を作ったのは20年以上前なのかな。ひさしぶりに歌ってみました。よくこういうときに(ほかのアーティストが)『当時の自分のことを思い出した』と話しているのを見るけど、20年以上前の自分のことはよくわからない。別人のような感じです」と首を傾げる。「20年もあればいろんなことが変わって。今のほうがいいと思ってるけど、あの頃のほうがここはよかったなと思うこともある。生きて生活するということは、とにかく変わることなんだなって、この曲をひさしぶりに歌って思いました」と言葉を続けた。

尾崎は「口の中」を感傷的にゆったりと歌い上げたあと、SMAPに提供した楽曲「ハロー」と穏やかなバラードソング「風邪をひく日」では大切な人との愛おしい日常をたおやかに描く。「こういう会場で、弾き語りでワンマンライブができるのは、ものすごく恵まれていると思います。それを噛み締めながらやっています。本当にありがとうございます」と感謝の思いを述べ、「でも1人でいるのはすごく心細くて、やっぱりバンドがいいなと思いますね。これからもクリープハイプというバンドをがんばっていくので、よろしくお願いします」と挨拶。そして「思うようにいかないことがいつもある。子供の頃からずっとそうで、ここだっていうときに決めきれずに大人になりました。でも、最近はそれをそのまま見せることが、自分のできることだと思っています。今日もちゃんと見せてるつもりです。そこにいてくれて、見てくれて、本当にうれしいです」と観客に真摯に思いを伝えた。

「傷つける」をまっすぐに歌い上げ、剥き出しの歌声を響かせた尾崎。最後に彼は「尾崎世界観の日」で大切に歌われてきた「ex ダーリン」を余韻たっぷりに届け、降り注ぐ拍手をしっかりと受け取ってステージを去っていった。

セットリスト

尾崎世界観「尾崎世界観の日 2025 完全独演」2025年9月11日 NHKホール

01. ナイトオンザプラネット
02. 500マイル
03. もうおしまいだよさようなら
04. 誰かが吐いた唾が キラキラ輝いてる
05. さっちゃん
06. なぎら
07. 目覚まし時計
08. 自分の事ばかりで情けなくなるよ
09. 真実
10. 君の部屋
11. 大丈夫
12. ふーりん
13. 喋る
14. キケンナアソビ
15. 口の中
16. ハロー
17. 風邪をひく日
18. 百日紅
19. 傷つける
20. ex ダーリン

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