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デビュー10周年のTrySail、成長した姿で踏み締めた“始まりのステージ”

TrySail
6分前2025年10月18日 4:06

TrySailのデビュー10周年ツアー「LAWSON presents TrySail 10th Anniversary Tour 2025 "BestSail"」が10月12日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで閉幕した。この記事では11日に同会場で行われた公演の模様をレポートする。

10年前と同じ衣装で、思い入れのあるステージへ

今年デビュー10周年を迎え、8月にベストアルバム「BestSail」をリリースしたTrySail。3人は本作を携えて9月よりツアーを行い、福岡、宮城、千葉、大阪、愛知、神奈川の全国6都市を回った。ライブの前半でTrySailが身にまとったのは、デビューイヤーの2015年10月11日に行った2ndライブ「LAWSON presents TrySail Live 2015 "The Golden Voyage of TrySail"」で着用した衣装。それから10年を経た2025年10月11日、3人は同じ衣装に袖を通し、成長した姿で思い入れのあるステージをしっかりと踏み締めた。

TrySailは今年3月に東京・日本武道館でデビュー10周年の幕開けを飾るライブ「LAWSON presents TrySail 10周年出航ライブ “FlagShip” in 日本武道館」を開催。本公演の最後に麻倉ももが告げた「ここからはみんなと一緒に出航したいなと思います! 『せーの』って言ったらみんなで『出航』って言ってください!」という言葉が、今回のツアーのオープニングで再び流れた。「10周年に向けて」という麻倉の言葉に続いて「出航!」というオーディエンスの声が響き渡ると、TrySailは10年前の2ndライブでもオープニングを飾った楽曲「Sail Out」でライブを開始。「どんなに 楽しい 未来が待ってるんだろう 揺れるコンパス 旅立ちの海」と、未来への希望を胸に自らの手で船を漕ぎ旅立っていく思いを爽快に歌い上げた。そして彼女たちはすさまじい推進力で船を走らせていくように「Good Luck Darling」を元気いっぱいにパフォーマンス。これまでもライブでファンとひとつになってきたナンバー「バン!バン!!バンザイ!!!」では、一際ハイテンションなオーディエンスの“バンザイ”が会場の隅々まで広がった。

「whiz」で軽快にステップを踏み、澄み渡るような歌声を届けた3人。その後、彼女たちは凛とした佇まいで「Believe」をヘビーなサウンドに乗せて熱唱したかと思えば、アラビアンテイストのナンバー「Ah! La Vie En Rose!!! -ア!ラ・ビ・アン・ローズ-」をエネルギッシュに踊り、10年間で培ってきたユニットの多彩な面を見せた。

“お祭りマッスルユニット”の本領発揮

TrySailのライブの見どころの1つでもある“ハモリコーナー“では、3人が温かみのあるナンバー「この幸せが夢じゃないなら」を向かい合って歌唱。麻倉の可憐な歌声、雨宮天の凛とした歌声、夏川椎菜の透明感のある歌声が重なったときにだけ生まれる唯一無二の美しいハーモニーが場内に響き渡った。続いて3人は夕暮れを彷彿とさせるオレンジ色の光に彩られながらバラードナンバー「あかね色」をたおやかに歌唱。今年5月に配信リリースした楽曲「アストライド」では青空を背景にさわやかなパフォーマンスを繰り広げた。今回TrySailは10年間のライブの中で印象的だった出来事を事前にファンから募集し、そのエピソードをもとに自分たちの過去を回想。10年前に2ndライブで行ったショートコントで“シンフォニー”というアイドルユニットを結成し、「お肉地獄」というオリジナル曲を披露していたという歴史が掘り返されて3人が慌てふためく場面もあった。

“お祭りマッスルユニット”を称してきたTrySailは、ここからその境地を見せつけていく。メンバーは中華テイストのアッパーチューン「Sunset カンフー」で“修行タイム”を繰り広げて会場を盛り上げたあと、お祭りマッスルユニットとしての方向性を決定付けたキラーチューン「華麗ワンターン」をなりふり構わず歌い踊って地鳴りのようなコールを巻き起こした。その熱はとどまることなく「Baby My Step」でさらに高まっていき、そのまま代表曲の1つ「adrenaline!!!」に突入。会場はTrySailとオーディエンスが生み出す爆発的なエネルギーに満たされていった。そしてメンバーは「High Free Spirits」を力強く歌い上げたのち、デビュー曲「Youthful Dreamer」をパフォーマンス。キラキラと目を輝かせながらすべての“始まりの歌”を届け、3人はステージをあとにした。

サプライズで3色に彩られたパシフィコ横浜

アンコールで再び姿を現し、「Chip log」で航海の物語をにぎやかに描いたTrySail。告知コーナーではデビュー10周年イヤーのフィナーレを飾るライブ「LAWSON presents TrySail 10th Anniversary Live 2026 "Cheers!!!"」を2026年5月10日に大阪・グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)メインホール、5月17日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで開催することを発表した。歓喜のムードの中、雨宮が最後の挨拶を切り出そうとすると、オーディエンスの「10周年おめでとうー!」という声が場内に沸き起こり、客席がブロックごとにイエロー、ピンク、ブルーの3色にきれいに分かれる。サプライズで生まれた美しい景色を目の当たりにし、メンバーは「なんで!?」「どうやってやったの!?」「めっちゃきれいだね!」と目を丸くし、ファンからのあふれんばかりの愛を受け取った。夏川は涙ながらに「私たち、ここで始まったんだよ」と1stライブ、2ndライブの舞台だったパシフィコ横浜のステージを指差す。「そうだねえ……確かにつらいこといっぱいあったね」と雨宮も感極まった様子で夏川に駆け寄ってハグし、麻倉もそばに寄って愛おしそうに2人を抱き締めた。

雨宮は「『BestSail』というツアーをやってきたんですけど、ちゃんとツアーの中でも私たちまだまだ成長してるんだなと感じて、このツアーの集大成を今日のライブにぶつけられたんじゃないかなと思います。自分との戦いも含めて、いろんな戦いを乗り越えてここまで来た10年でした。私にとって、濃い10年だったなと思います。ひたすら戦い抜き、強くなって、ここに来てみんなの前でパフォーマンスして、みんなが笑ってるのを見たりすると、あのときがんばってよかったなと感じます」としみじみと述べ、「個人の話で言いますと、私はともかくダンスがめちゃくちゃ嫌いでして、『TrySailなんてもう辞めてやる!』って思っていた時期もありました。それもいつしか克服して、今では自分で勝手にソーラン節をやったりするまでになって、本当に大きくなりました。今日はこうして終わっちゃうけど、次のライブも決まっておりますので、まだまだみんなで一緒にTrySailの10年を楽しく駆け抜けていけたらと思います!」と晴れやかな表情を浮かべた。

麻倉は「今日は本当に素敵な景色を見せてくださってありがとうございました。『10周年おめでとう』というみんなからのサプライズのメッセージをいただきましたが、改めて10年って本当にすごいですよね! 私はいろんな習い事をやってきたんですけど、10年続けることはできなかった。こうやって続けられたからこそ、いろんなことに挑戦して、自分としてもグループとしても成長することができました」と感慨深げに話し、「10年前の10月11日に今日の前半戦の衣装を着てここに立ってたということなんですが、あのときはこんなふうにみんなを巻き込んで歌えていなかったと思うし、こんなふうにゆるーいMCもできていなかった。いろんな意味で自由度も上がったし、自由に楽しくみんなを巻き込んで、まさに“ライブ”というのができるようになったんじゃないかなと思います! 年々私もライブ感といいますか、『みんなで遊んでる! 生きてる!』という気持ちを味わうことができています。本当にここ最近『私、ライブしてる! 生きてる!』みたいな気持ちをやっと味わうことができて、10年ってすごいなと思う機会があったのですごく感慨深いです。皆さん、今日まで支えてくれて、そして今日もここに足を運んでくれて、一緒に遊んでくれてありがとうございました! 来年も決まってるので、また一緒に遊びましょう!」と生き生きと呼びかけた。

泣き腫らした顔を浮かべた夏川は「まずは皆さん本当に10年ありがとうございました。これからもきっといろんなステージに皆さんと遊びに行くと思うんですけど、このツアーを回って、このファンの人たちと一緒だったらどんな会場でも私たちらしく楽しいライブをすることができるなと思いましたし、どんなセトリでも私たちは乗り越えられるだろうなって。“激ヤバセトリ”を走り切って、本当にすごく自信になるツアーでした」と述べ、「パシフィコ横浜は1stライブの会場で、それからもことあるごとに立ってきたんですけど、10年前の私たちにももちろんステージに立つのが楽しみという気持ちはあったんだけど、それだけじゃなくてプレッシャーや『うまくできるかな』『失敗したら怖いな』という思いを持って立っていたところがあった。終わったあとも、ちゃんとできたところもあれば失敗したかなというところもあって、落ち込んだりもしました。私は2人のそういう姿を見てきたから、今の挨拶の中で『ダンス苦手だったけど乗り越えた』とか『ライブしながら生きてる感じがする』とか言ってるのが、10年だなと思って……」と2人の言葉にボロ泣き。そして「ここ最近のTrySailは“ライブが楽しい”という共通認識を持っていて。私たち3人だけじゃなくて、スタッフの方々も一緒にみんなで『楽しいライブだったね』と言ってライブを作ることができてるのが本当に幸せだなと思っています。そんな幸せなTrySailをこれからも応援してくれたらうれしいです。これからも一緒に幸せに楽しくライブしましょう! 今日は私もいっぱい生きてるって感じがしました! いっぱい幸せでした!」と声を弾ませた。最後に彼女たちが披露したのは、TrySailらしいエネルギーに満ちたナンバー「マイハートリバイバル」。3人はこの曲を天真爛漫に届け、最後まで会場に熱狂の渦を巻き起こした。

メンバーがステージを去っても「もう1回!」という声は鳴りやまない。ステージに進み出た3人はいつもライブを行っている円陣を組み、弾けるような笑顔でもう一度「Sail Out」を歌い上げてライブに幕を下ろした。

セットリスト

TrySail「LAWSON presents TrySail 10th Anniversary Tour 2025 "BestSail”」10月11日 パシフィコ横浜 国立大ホール

01. Sail Out
02. Good Luck Darling
03. バン!バン!!バンザイ!!!
04. WANTED GIRL
05. whiz
06. Believe
07. Ah! La Vie En Rose!!! -ア!ラ・ビ・アン・ローズ-
08. この幸せが夢じゃないなら
09. あかね色
10. オルゴール
11. かかわり
12. アストライド
13. Sunset カンフー
14. 華麗ワンターン
15. Baby My Step
16. adrenaline!!!
17. High Free Spirits
18. Youthful Dreamer
<アンコール>
19. Chip log
20. 僕らのシンフォニー
21. マイハートリバイバル
<ダブルアンコール>
22. Sail Out

公演情報

LAWSON presents TrySail 10th Anniversary Live 2026 "Cheers!!!"

2026年5月10日(日)大阪府 グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)メインホール
2026年5月17日(日)神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール

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