私立恵比寿中学の公式ファンクラブ「秘密結社☆ブラックタイガー」会員を対象としたライブイベントが、10月11日に埼玉・大宮ソニックシティで開催された。過去にはレア曲満載ライブやメンバープロデュースの「自習」、パジャマパーティ、「Breaking Down」風のバトル演出など、通常のライブとは異なる趣向を凝らした内容でファンクラブ会員を楽しませてきたえびちゅう。今年は昼公演を「えびちゅう文化祭」、夜公演を「えびちゅう体育祭」と銘打ち、秋の開催にふさわしいステージが繰り広げられた。
「私立恵比寿中学校」生徒による手作り文化祭
えびちゅうのライブ現場に足繁く通っているフジテレビ・三宅正治アナウンサーによる司会進行のもとスタートしたのは、「私立恵比寿中学校」の生徒たちによる文化祭。まずは黄色いジャージを着た文化祭実行委員会の8人がオープニングアクトとして登場し、所ジョージがえびちゅうに書き下ろした楽曲「半分、大人になりかけた」を披露した。えびちゅうメンバーによく似た実行委員会の8人が初々しくはつらつとしたパフォーマンスで盛り上げたあとは、ダンス部による演目へ。やはりえびちゅうメンバーと瓜二つのダンス部は、えびちゅうの「歌え!踊れ!エビーダダ!」「参枚目のタフガキ」に乗せてダンスを披露。続く映像研究会の演目では、えびちゅうが来年1月12日にワンマンライブを行う神奈川・Kアリーナ横浜を見学するドキュメンタリー映像が上映された。
と、あくまで「私立恵比寿中学校」の生徒としてステージを進行するえびちゅうメンバー。手芸部によるファッションショーでは、メンバー8人がそれぞれバースデーソロライブで着用した衣装で客席内を練り歩き、ステージに戻ると今度は演劇部として朗読劇に挑戦する。現実と虚実が入り混じるこのステージを表す奇妙なストーリーは「ご存知!エビ中音頭」で締めくくられ、文化祭の目玉であるスペシャルゲスト・私立恵比寿中学のライブへと移行した。
スペシャルゲスト・私立恵比寿中学によるライブ
奇妙なラジオドラマ「埋めてあげたい(Interrlude)」を挟んで行われた私立恵比寿中学のライブは、「キングオブ学芸会のテーマ ~Nu Skool Teenage Riot~」で幕開け。「フォーエバー中坊」「未確認中学生X」「踊るガリ勉中学生」と、文化祭ならではの中学生をモチーフにした楽曲が連発された。真山りかは「私立恵比寿中学校は今年で開校17年ですか? 本当にたまたまですけど、私たちえびちゅうも開校17年ということで……推しが見つかるかもしれませんので、今日は名前だけでも覚えて帰ってもらえたら」と客席の“中学生”に向けて、あくまで設定を守りながら挨拶した。
「中学生の皆さんは青春真っ只中だと思うんですけど、青春にはいろんな形がありますから。今から私たちと新しい青春を」という桜井えまの言葉に続いて歌われたのは、普段のライブでほとんど披露されることのない2015年の楽曲「新・青春そのもの」。さらに「春休みモラトリアム中学生」「頑張ってる途中」と青春の苦悩やきらめきを表現した楽曲が披露され、「熟女になっても中学生」と宣言する「熟女になっても」では「文句ありますか?」「ないでーす」のコール&レスポンスで盛り上がった。スペシャルゲストえびちゅうのライブは、みんなで肩を組んで歌う「永遠に中学生」でフィニッシュ。挨拶をしてステージを去ろうとしたところで急に正気に戻った8人は長い“茶番”を終え、改めてファンクラブ会員に感謝を伝える。安本彩花は会場内を見渡しながら「ファンクラブの会員になってライブに来てくれる人がこんなにたくさんいるんだなって、ステージに出たときうれしくなっちゃって」と喜びを語り、会場に足を運べず配信で楽しんでいるカメラの向こうの会員にも笑顔を送った。
綱引き、玉入れ、借り物競走……えびちゅう秋の体育祭
夜公演「えびちゅう体育祭」では真山、桜木心菜、桜井えま、仲村悠菜の紅組と、安本、中山莉子、小久保柚乃、風見和香の白組がバトルを展開した。まずは紅組キャプテン桜木、白組キャプテン安本による選手宣誓が行われ、第1種目の「手袋綱引き」へ。4対4の綱引きバトルだが、メンバーはそれぞれくじを引き、軍手やミトン、カニの手袋など有利不利に差のある手袋を着用して勝負に挑む。しばらく膠着状態が続いたが、スポーツ系番組で活躍している風見が負けず嫌いを発揮してふんばり、まずは白組が1勝を挙げた。第2種目「利き手禁止玉入れ」はタイトルの通り、利き手の使用が禁じられた玉入れ対決。ただし2分を過ぎたタイミングで、1個につき2ポイントが加算される「ゴールデンボール」を利き手で投げることが一度だけ許可されており、点差が大きく動く可能性も。細かい設定は用意されていたものの、スタッフの中でもルールが曖昧で、段取りはぐだぐだに。結果的にゴールデンボールは8人全員が外してしまったが、ここでも白組が奮闘して2連勝を収めた。
白組圧倒的有利の中で行われた最終種目「借り物競走」では、メンバーそれぞれがくじで引いたアイテムを観客に借りるべく、客席へと飛び出していく。2階席という指定があった安本をはじめとする白組メンバーが苦戦を強いられる中、紅組は幸運にも4人全員があっという間に指定アイテムを見つけ出し、1分少々でゴールを決めた。しかし制限時間の5分まではまだまだ時間があったため、紅組の4人はウイニングランとばかりに再び客席へ。そうこうしているうちになんとかアイテムをゲットした白組の4人がステージに向かう中、「最終的にステージに全員が戻ってきたほうが勝ち」というルールが改めて説明され、余裕の表情で客席を練り歩いていた紅組は慌ててステージへと向かう。ハラハラする展開となったが、「えびちゅうメンバー誰かの写真集」1冊でよいところを会場中回って大量に集めていた風見が遅れをとり、紅組が辛勝した。最終種目は3ポイントが入るため紅組の逆転勝利となるはずだったが、写真集を8冊集めた風見に対して急遽「敢闘賞」の1ポイントが加えられたことにより同点に。勝負はじゃんけんで決することになり、各チーム代表の桜井と風見の対決により、紅組が勝利。筋書きも段取りもないドラマは、両チーム合同のパフォーマンス「大漁恵比寿節」で幕を下ろした。
幸せ空間の余韻、そしてアリーナへ
「えびちゅう体育祭」後半のライブコーナーでは、秋田県で2024年まで行われていた恒例イベント「私立恵比寿中学秋田分校」でおなじみのセーラー服衣装でパフォーマンスを繰り広げたえびちゅう。ファンクラブの会員に向け、真山は「『私、最近推し始めたばかりなんで……』ってよく聞くんですけど、年数は関係ありません。今日、客席を回ってて思いましたけど、皆さんの熱のこもった瞳、とっても力をもらえます。本当にいつもありがとうございます」と感謝を述べ、桜井は「ここはもう『えびちゅう大好きだよ!』って方だけですもんね。こんな幸せな空間はないので、私は家に帰って余韻に浸りたいと思います」とにっこり。小久保は現在えびちゅうが目標に掲げる「アリーナツアー」について触れつつ、「1人ひとりの距離はちょっと遠くなっちゃうかもしれないけど、こうして近い距離で会えるのはすごくうれしいし、これからもこの距離感を大切にしていきたい」とコメント。桜木は「えびちゅうに入学(加入)して5年になるけど、こうやって皆さんの笑顔を見られて、心からうれしいなと感じます。最初の頃は緊張でみんなの目が怖くて……審査員みたいな目をしてたから。でも、笑顔で目が合ったら見つめ返してくれたりとか、愛の交換会をすることができてすごくうれしいです」と自身の心境の変化を語り、「Kアリーナに向けて、もっともっとえびちゅうを知ってもらうためにがんばろうと思います」と意気込んだ。
来るKアリーナ横浜公演に向けて、えびちゅうは11月20日より全国5都市で「私立恵比寿中学 Road to Kアリーナ『秋の5都市キャラバンツアー』」を開催する。
セットリスト
私立恵比寿中学公式FC「秘密結社☆ブラックタイガー」会員限定イベント「えびちゅう文化祭」「えびちゅう体育祭」2025年10月11日 大宮ソニックシティ
01. キングオブ学芸会のテーマ~Nu Skool Teenage Riot~
02. フォーエバー中坊
03. 未確認中学生X
04. 踊るガリ勉中学生
05. 新・青春そのもの
06. 春休みモラトリアム中学生
07. 頑張ってる途中
08. 熟女になっても
09. 永遠に中学生
※両公演共通
公演情報
私立恵比寿中学「ちゅうおん2025」
2025年11月2日(日)神奈川県 カルッツかわさき
2025年11月3日(月・祝)愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
私立恵比寿中学 Road to Kアリーナ「秋の5都市キャラバンツアー」
2025年11月20日(木)東京都 Kanadevia Hall
2025年11月24日(月・振休)大阪府 東京建物 Brillia HALL 箕面(箕面市立文化芸能劇場)
2025年12月4日(木)広島県 広島CLUB QUATTRO
2025年12月5日(金)福岡県 Zepp Fukuoka
2025年12月12日(金)愛知県 COMTEC PORTBASE
ライブナタリー “私立恵比寿中学 × Juice=Juice”
2025年11月21日(金)東京都 J:COMホール八王子
<出演者>
私立恵比寿中学 / Juice=Juice
私立恵比寿中学「新春大学芸会2026」
2026年1月12日(月・祝)神奈川県 Kアリーナ横浜
