昨日10月18日に70歳の誕生日を迎えた郷ひろみの東京・日本武道館での単独公演「Hiromi Go at Nippon Budokan 2025 "THE GREATEST 70 SONGS"」が開催された。
10月18日と19日の2日間にわたる日本武道館公演は、郷が復刻と進化をテーマに掲げ、5月にスタートさせた全国ツアー「Hiromi Go Concert Tour 2025 "70 YEARS a GO!"」の集大成。郷は異なるセットリストでトータル70曲を届ける。
日本武道館には古稀のカラーである紫色の法被や、真っ赤なライブTシャツに身を包んだファンが集まり、開演前から祝福ムードに包まれる。バースデー公演の1曲目を飾ったのは「お嫁サンバ」。紫色の衣装をまとった郷は8人のダンサーとともにパフォーマンスし、ファンの心をつかむ。さらに「男願Groove!」「最強無敵のDong Dong Dong!」「セクシー・ユー(モンロー・ウォーク)」というダンスチューンを連発して会場のボルテージを一気に引き上げた。
「僕のファンの方々との大切な思い出をヒストリーにして、この日本武道館に刻めたらいいなと思います」という郷の言葉通り、本公演のハイライトは彼が10代から60代まで各年代の楽曲を披露するパートだ。10代で発表したデビュー曲「男の子女の子」「わるい誘惑」から60代で発表した「恋はシュミシュミ」「スキだから」まで19曲を、郷はファンの笑顔を見ながら、1人ひとりに届けるよう歌い上げた。
郷が次の曲に移ろうすると、突然、バンドメンバーによる「Happy Birthday to You」の演奏が始まる。場内には大合唱が響きわたり、ステージに大きなケーキが運び込まれると、郷は満面の笑顔を浮かべ、「僕を世に出してくれた母と、皆さん1人ひとりの支えがあったから、今日までやってこれました。どうもありがとう」と感謝の言葉を述べた。お返しにと、郷はファンに向かってアカペラで「Happy Birthday to You」を歌唱。歌い終わりに会場を舞った銀テープには、「誕生日を一緒に祝ってくれてありがとう」という彼の直筆メッセージがプリントされていた。和やかな雰囲気の中、始まったのは質問コーナー「HIROMI GOの質問BOX」。「ご自身の楽曲を聴きながら誕生日を迎えるとするならば、何を聴きますか?」という質問を受け、郷はファン投票をもとに選曲されたベストアルバム「わたしとひろみ-FAN'S SELECTION」で1位に輝いた「このメロディーだけは」を披露した。
30分の休憩を挟み、真っ白な衣装で再登場した郷は、ファンへの愛と感謝を込めて「言えないよ」「いま、ここにいる理由」「バックステージ」というバラードをじっくりと畳み掛ける。そして最初と最後のブロックのアレンジを担当した遠山哲郎をギタリストに迎え、「GOLDENFINGER'99」や「2億4千万の瞳-エキゾチック・ジャパン-」といったアップテンポなヒットチューンで再び会場を盛り上げた。ラストナンバーは、10月18日配信の最新曲「ALL MY LOVE」。歌う前に郷は「これまでの自分のアーティスト人生は、紛れもなくファンの皆さんと一緒に歩んできた人生でした」と語り、言葉を詰まらせて天を仰ぐ。会場から湧き起こった「ひろみコール」に応え、目を潤ませながら「それはこれからもずっと変わりません。ファンの皆さんの支えに大きな感謝を、そしてこれからも皆さんの期待に必ず応えていくという曲です」と話し、「ALL MY LOVE」を届けた。大きな拍手を受け、涙をこらえきれず、手で目を覆った郷。涙を拭った郷はバンドメンバーへ拍手を贈り、会場を見渡しながら何度も手を振った。
