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a flood of circleが誕生の地・新宿に凱旋、歌舞伎町に轟かせた渾身のロックンロール

「a flood of circle「I'M FREE 2025 LIVE AT 新宿歌舞伎町野外音楽堂」の様子。(撮影:新保勇樹)
11分前2025年11月09日 13:07

a flood of circleが本日11月9日に東京・新宿KABUKICHO TOWER STAGEでフリーライブ「I'M FREE 2025 LIVE AT 新宿歌舞伎町野外音楽堂」を開催した。

会場近隣にある新宿LOFTを拠点としていたa flood of circleにとって、新宿歌舞伎町界隈は馴染み深いエリア。この日の東京の最低気温は11℃、降水確率80%という野外ライブ日和とは言い難い天候だったが、約3000人が集結し、4人の凱旋を盛大に祝福した。

始まりは「伝説の夜を僕らと」

国際色豊かな老若男女の話し声や宣伝カーから流れるポップソングなど、さまざまな音が混在する歌舞伎町。開演時刻の17:00が近付くと雨粒が大きくなり始め、オーディエンスは雨具に身を包み今か今かとメンバーの登場を待つ。

機材を守るためのテントはステージの両脇に設営されていたが、a flood of circleの面々が立つ場所は屋根なしの丸裸状態。雨で濡れたステージが照明を反射する中で渡邊一丘(Dr)、HISAYO(B)、アオキテツ(G)とともに現れた佐々木亮介(Vo, G)は、「おはようございます、a flood of circleです」といつものように告げ、ブラックファルコンを構えて「伝説の夜を君と」をゆっくりと歌い出した。佐々木が最後のフレーズを「伝説の夜を僕らと」に変えて歌うと、「ウオー!」と雄叫びのような歓声があちこちから沸いた。

感動的なムードが漂ったのも束の間。瞬時にギアを切り替えた4人は、「Dancing Zombiez」「The Beautiful Monkeys」と豪快なダンスロックチューンを鳴らし、雨空に轟かせる。唸るようなHISAYOのベースが特徴の「D E K O T O R A」では、佐々木はハンドマイクでファンが密集する観覧エリアへ。ダイブせんばかりの勢いで挑発的なパフォーマンスを繰り広げ、主戦場であるライブハウスを彷彿とさせる熱狂的な景色を生み出した。

「今夜はこれを歌いにきた」

オーディエンスのシンガロングが雨空に響いた「Honey Moon Song」を歌い終えたのち、「ヤバい、もうケツがびちゃびちゃ。ずっとそんな感じで生きてきた。気持ち悪いもん」と自虐混じりに笑った佐々木。その体からは熱気が放たれ、その口からこぼれる息は、寒さのため白い。しかし、彼はそんな状況をも楽しむように「3分間だけ気持ちよくさせてやるよ」と「KILLER KILLER」を畳みかける。

ここまで、プリミティブで予定調和に抗う、“普段通りのa flood of circleのライブ”が展開されていたが、この日最大のドラマは「ゴールド・ディガーズ」、そして初披露曲となる新曲「夜空に架かる虹」で待ち受けていた。

2023年にリリースされた「ゴールド・ディガーズ」は「武道館 取んだ3年後」というフレーズが登場する、a flood of circle節全開の大胆不敵なロックチューンだ。歌い出すまで「新宿で始まったa flood of circle。来年結成20周年なので、そう、アルバムが出ます11月12日に……」と含みを持たせたような言葉を口にしていた佐々木だったが、曲の終盤で「武道館、取っちゃった」とニヤリ。喜びをにじませた歓声を浴びた佐々木は「20年前も夢を見てた。目を開けたまま、夢を見てた。今も見てる。今夜はこれを歌いにきた」と宣言し、ニューアルバムのタイトル曲であるミディアムチューン「夜空に架かる虹」につなげる。

a flood of circle、結成20周年の年に武道館へ

穏やかな表情を浮かべてそれぞれの楽器を奏でる渡邊、HISAYO、アオキと、歌詞の一言一句を噛み締めるように歌う佐々木。最後に息をひとつ吸い込んだ彼は、まっすぐ観客に向き合い「5月6日 武道館 目を開けて夢を見ている」とメロディに乗せて歌い上げた。するとメンバーの背にあったスクリーンに「a flood of circle 20周年記念公演 “LIVE AT 日本武道館”」の文字が投影される。すると盛大な拍手と歓声がステージ一帯に響き渡った。

「待ってたよー!」。あちこちから上がるそんな言葉に、メンバーの顔も思わずほころぶ。佐々木は「俺の夢を叶えるやつは俺しかいない お前の夢を叶えるやつはお前しかいない 俺らの夢を叶えるやつは俺らしかいない」と言い放ち、「月夜の道を俺が行く」へ。このタイミングで雨足が再び強まるが、メンバーもオーディエンスもそんなことはお構いなしで、歌声を重ね、拳を突き上げ、歌舞伎町の一角に熱狂を作り出す。ラストナンバーを味わい尽くす1人ひとりの顔には、雨を吹き飛ばすような晴れやかな笑みが浮かんでいた。

なお、a flood of circleは今日のフリーライブの模様をBlu-ray化するため、6月からクラウドファンディングを実施していたが、集まった金額は目標を大幅に超える約2400万円。Blu-rayは2026年2月中にリターン品として支援者に届けられる。

公演情報

a flood of circle 20周年記念公演 LIVE AT 日本武道館

2026年5月6日(水・振休)東京都 日本武道館

セットリスト

a flood of circle「I'M FREE 2025 LIVE AT 新宿歌舞伎町野外音楽堂」2025年11月9日 新宿KABUKICHO TOWER STAGE

01. 伝説の夜を君と
02. Dancing Zombiez
03. The Beautiful Monkeys
04. D E K O T O R A
05. 理由なき反抗(The Rebel Age)
06. くたばれマイダーリン
07. Honey Moon Song
08. KILLER KILLER
09. New Tribe
10. シーガル
11. ゴールド・ディガーズ
12. 夜空に架かる虹
13. 月夜の道を俺が行く

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