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乃木坂46「ビリヤニ」が示す新世代への移行 / Snow Man「愛のせいで」は誰に対する愛か?

再生数急上昇ソング定点観測
約1か月前2025年11月21日 9:05

YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで11月7日から11月13日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。

文 / 真貝聡

まずはこの週の初登場曲の振り返りから

今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、16位にDECO*27の「カイコ feat. 初音ミク」が登場した。輝いていた過去に囚われ、変わってしまった“きみ”を受け入れられない主人公の、一方的で狂気的な愛憎が描かれている。

30位にはKanariaの「カートゥーンガール feat. GUMI」がランクインした。11月7日のMV公開から10日で140万再生を突破し、日の出の勢いを見せている。

40位にはSTARGLOW「PIECES -STARGLOW Ver.-」のリリックビデオが登場した。「PIECES」はBMSG主催のボーイズグループオーディション「THE LAST PIECE」で、ファイナリスト10名が共同で作詞した壮大なバラード。STARGLOWバージョンでは、メンバー5人がファイナリストとの絆と思いを胸に情感豊かな声で歌い上げている。

45位にランクインしたのはザビャンの「67の起源」だ。67(シックスセブン)は、小学生の間で人気の「ブレインロットを盗む」などのRobloxゲームに登場する 、AIが生成したキャラクター「イタリアンブレインロット」シリーズの1つ。もともと海外ラッパー発のネットミームとして広まった67のルーツや、どのように若者の間で流行していったのかが詳しく歌で表現されている。

ボカロの新曲が目立った今週は、下記の3曲をピックアップする。

乃木坂46「ビリヤニ」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場3位

乃木坂46の新曲「ビリヤニ」が初登場3位にランクインした。タイトルの「ビリヤニ」とは、南アジア発祥の炊き込みごはんのような米料理のことで、それをアイドルソングにするのは斬新でもあり、最近ブームの兆しがあるこの料理をテーマにすることはトレンドも捉えているように思う。

歌詞について説明すると、主人公の“僕”は仲良しグループの“君”に好意を持っている。ある日、グループのみんなでカフェへ行ったあと、2人は帰り道が一緒になり、僕は何かアクションを起こそうと勇気を振り絞って「ビリヤニ食べに行こう」と君をデートに誘う。なぜビリヤニに誘ったのかと言うと、たまたま前日にSNSでその料理がおいしいと知ったから。デートの了承を得たあと、主人公が前もってビリヤニを食べに行き普段から食べ慣れているふりをしようと試みる描写は、デートに不慣れな感じが表れていて初々しい。また「バスマティライス / 香辛料がいい香りだ / サフラン クミン カルダモン シナモン / クローブに」というフレーズは、いくつものスパイスを混ぜて生まれるビリヤニ特有の味の複雑さ・未知な要素を恋愛に重ねているのだろう。このように今の時代感や人物像、2人の絶妙な関係が見事に描かれている。

今作のセンターを務めるのは、6期生の瀬戸口心月と矢田萌華。瀬戸口は「なぜ 僕たちは走るのか?」、矢田は「タイムリミット片想い」とともに6期生楽曲でセンターを務めており、歌の表現力やダンスのスキルに定評がある。6期生をセンターに置いて、その周りを経験豊富な先輩メンバーが囲む今作のフォーメーションは、グループが新しい世代へと本格的に移行していくことを示しているはずだ。

Snow Man「愛のせいで」Rec Video

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場6位

Snow Manは今年11月から来年1月にかけて、5大ドームツアー「Snow Man Dome Tour 2025-2026 ON」を開催中。11月16日に行われた北海道・大和ハウス プレミストドーム公演では、5thアルバム「音故知新」の収録曲「愛のせいで」を初披露して話題を呼んだ。メンバーの佐久間大介は、この曲のメロディや歌詞が胸に深く刺さり、レコーディング時はメンバーやファンのことを思って涙で歌えなくなるほどだったという。そんなレコーディング時の様子を撮影したのが、今回公開された映像だ.

そんな「愛のせいで」は「全てがほら 君に出会えたから / 鮮やかに光り放っているんだ」と全員で歌うフレーズから始まる。わずか2行でありながら、大切な人に出会えたことで日常が輝き始めたという心情の描写が、美しくも温かい印象を与える。全編を通して感じるのは、今作は曲中に登場する“君”と“僕”の強固な愛の歌であり、人生讃歌であること。今年デビュー5周年という節目を迎えた彼らだからこそ、改めてファンや仲間に対する愛を表現しているのだろう。

玉置浩二「ファンファーレ」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場11位

玉置浩二の新曲「ファンファーレ」は、放送中のTBS系日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」の主題歌。早見和真の同名小説を原作にしたこのドラマは、競馬の世界を舞台に、ひたすら夢を追い続けた熱き大人たちが家族や仲間たちとの絆によって奇跡を起こしていく、人間と競走馬の20年にわたる壮大な物語だ。撮影は日本有数の競走馬の産地である北海道・日高地方で約2週間にわたって実施。北海道で生まれ育った玉置は、馬が身近な存在だった自身の人生と重ね合わせてこの曲を書き下ろしたという。疾走感あふれるメロディと、愛を信じて生きることを歌った歌詞が、玉置の圧倒的な歌声によって心に迫る物語性へと昇華されている。

この曲は、カーテンを開けたときに差し込む光のような幸福感のあるシンフォニックなイントロ、右肩上がりに盛り上がりを見せるAメロとサビの構成、人生観を表現した歌詞など、玉置が1996年にリリースした11thシングル「田園」を想起させる点が多い。今作のMVで「田園」の映像をバックに歌っていることからも、この2曲に強い結び付きがあるのは間違いないだろう。

興味深いのは「ファンファーレ」のプロデュースを手がけたのがトオミヨウである点だ。「田園」をプロデュースしたのは尾崎豊のプロデューサーとしても知られる須藤晃なのだが、実は須藤はトオミヨウの父親という関係性がある。親子がそれぞれプロデューサーとして「田園」と「ファンファーレ」を支えてきたという事実が、この2曲の結び付きをさらに強固にしている。

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