ukkaのワンマンライブ「ukka 10th Anniversary Live vol.8『ALLOUT 3rd』」が12月6日に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールにて2部制で開催された。
結成10周年を記念し、今年4月より定期ワンマンライブ「ukka 10th Anniversary Live」を行ってきたukka。「ALLOUT 3rd」はその締めくくりとなる公演で、全オリジナル曲を披露するライブ企画「ALL OUT」の最新回だ。「ALL OUT」が開催されるのは通算3回目、約3年ぶり。活動を重ねるたびに順調に増え続けている楽曲の数は延べ69曲にのぼる。ukkaはグループの歩みを丁寧に振り返るように、両部ともに約3時間半におよぶパフォーマンスを繰り広げ、満員の会場を盛り上げ続けた。
メンバーの出会いをたどった第1部
第1部は“衝動”がテーマ。ライブの幕開けを飾った楽曲は過去に開催された「ALLOUT」「ALLOUT SECOND」と同様に、初期のナンバー「Believe」だ。白を基調に、各ペンライトカラーを織り交ぜた新衣装を身にまとったukkaは柔らかな歌声を響かせ、これまで築き上げてきた歴史の深みを観客に感じさせる。続いて披露されたのは結成10周年記念プロジェクトの集大成として11月にリリースされたアニバーサリーアルバム「青春小節~約束と衝動~」の収録曲「Aonity」。7人は観客によるクラップやシンガロングを浴びつつ、未完成で“青い”状態であることを前向きに捉えた歌詞で、結成10周年に際しての決意を表現した。
この部では、それぞれ別々の場所でアイドルへの憧れを抱いていた7人が、実際の加入順に邂逅していく様子を描いた映像がパフォーマンスの合間に上映された。オリジナルメンバーの村星りじゅと茜空が出会う映像がスクリーンに映し出されたのち、ukkaは最初期のナンバー「はっぴースキップ☆ジャンプ」を披露。当時からのファンに感慨深い思いをもたらす。代表曲「恋、いちばんめ」を現体制で再録した「恋、いちばんめ~10th ver.~」も第1部のセットリストに。まだまだライブは序盤だが、観客は色とりどりの楽曲と歌声に夢中になった。
2016年に加入した芹澤もあとの出会いを表現した映像を経て、ukkaはアグレッシブなベースサウンドや、大人になる中で抱く反抗心を表した歌詞が印象的な「お年頃distance」をパフォーマンス。「コリオリ」「don't say Love」ではマイクスタンドを用いてしなやかな歌声を届けた。2021年に加入した結城りな、結城りな、葵るりと出会う映像の上映後に披露されたのは、2人が初めてレコーディングに参加した楽曲「MORE!×3」。はつらつとした歌とダンスによって明るいムードが満ちていった。
その後、2023年末に加入した宮沢友、若菜こはるとの邂逅を描いた映像を挟み、現体制初のシングルとして発表した「Overnight Rainbow」を歌唱したukka。公演が後半に差しかかると、彼女たちは椅子に座って「Tokyo Landed Girl」をアカペラで歌い始め、現在の7人体制ならではの鮮やかな歌声で観客を魅了する。さらに「せつないや」「おねがいよ」でも振付のない歌だけのパフォーマンスを届け、あふれんばかりの情感をマイクに乗せた。
第1部の終盤、ukkaは「カノープス」や「時間。光り輝く螺旋の球。」などのエモーショナルな楽曲で観客の視線を釘付けに。30曲を披露したところでようやく本格的なMCを展開すると、「まだまだ戦える気がしています!」と笑顔で語り、エネルギーに満ちあふれていることを示した。そしてメンバーもペンライトを掲げる「ラブパレード~10th ver.~」などを経て、ライブの鉄板曲「それは月曜日の9時のように~10th ver.~」で第1部がフィニッシュした。
エモーショナルな空気が漂った第2部
第2部のテーマは“約束”。グループカラーであるピンク色の新衣装で登場したukkaは「僕らのハジマリ」を皮切りに、「Rising dream~10th ver.~」「タリルリラ」などをエネルギッシュにパフォーマンスし、開演早々に会場のテンションを大いに引き上げていく。最初のMCに移ると、村星は「未来に向かっての約束をできるようなライブにできればと思います」とこのライブに込めた思いを言葉にした。その後も7人は「わたしロマンス」などを通して生き生きとした歌とダンスを届けつつ、「空想トラベル」や「スーパーガール★センセーション」では大人びたスタイリッシュな表現力を発揮。緩急のある展開がカタルシスをもたらすEDMテイストのナンバー「コズミック・フロート~10th ver.~」が投下されると、場内の盛り上がりがより一層加速した。
シティポップナンバー「灼熱とアイスクリーム」、ラップチューン「can't go back summer」、青春の葛藤やもどかしい片思いの気持ちを描いたミディアムバラード「ねぇ、ローファー。」。ライブを通してパフォーマンスが重ねられるたびに、ukkaの楽曲群が粒ぞろいであることが改めて示される。「推≒恋」「Party goes on.」ではメンバーが客席通路を歩き、サインボールやメッセージカードをファンにプレゼントして喜ばせた。さらにアニバーサリーアルバム収録の新曲「リボンのひみつ」では観客による写真の撮影が可能に。リボンを作る動きをイメージした振付をキュートに踊るメンバーの姿がカメラやスマートフォンに収められた。
次にukkaは、都会的でクールな空気感と大人びた歌やダンスが特徴の「TOUTOI」を披露し、はかなくも力強いステージングで観客を圧倒。また第2部でも椅子に腰掛けて歌うブロックが設けられ、「嘘とライラック」「TAiLWiND」の2曲が透明感あふれる歌声に乗せて届けられた。そして「WINGS ~10th ver.~」でシンガロングが沸き起こり、場内の一体感が膨れ上がる中、ライブはいよいよクライマックスへ。ファンから根強い人気を誇る「キラキラ~10th ver.~」や、観客とともにタオルを振り回す「エビ・バディ・ワナ・ビー」が畳みかけられ、場内の熱気が熟していく。10周年の節目にふさわしい感動的なアニバーサリーソング「Re:RAY」では、メンバー背後のスクリーンに映し出されたミュージックビデオも相まってエモーショナルなムードが会場に充満。続いて7人は「ボクエール」を歌い、楽曲を通してファンに感謝の気持ちを伝えた。
最後の楽曲に移る前に、メンバーは1人ずつ現在の心境を伝える。結城が涙ながらにukkaへの思いを語ると、温かな拍手が沸き起こった。芹澤も涙を交えながら言葉を紡ぎ、9歳でグループに加入したときのことを振り返りつつ、「アイドルとしてだけじゃなく、人間としても成長させてもらったんじゃないかなと思います」と挨拶。茜は「10年アイドルをやってみて感じたことは、アイドルって最高だなという気持ちでございます!」「みんな! 出会ってくれてありがとう!」と晴れやかな笑顔を見せた。
7人が胸の内を伝え終えたのち、「ALLOUT 3rd」を締めくくる69曲目の楽曲として披露されたのはキラーチューン「リンドバーグ~10th ver.~」。この日一番の盛り上がりと強固な連帯感が生まれ、きらびやかな銀テープが放たれるとともにライブが大団円へと導かれた。
セットリスト
「ukka 10th Anniversary Live vol.8『ALLOUT 3rd』」2025年12月6日 恵比寿ザ・ガーデンホール
第1部「衝動」
01. Believe
02. Aonity
03. ティーンスピリット
04. 急なロマンティック
05. さいしょのさいしょ
06. はっぴースキップ☆ジャンプ
07. 初恋模様
08. 恋、いちばんめ~10th ver.~
09. Poppin' love!!!
10. 帰れない!
11. お年頃 distance
12. マリオネットガール
13. コリオリ
14. don't say Love
15. ガールズナイト
16. MORE!×3
17. こころ予報
18. wonder little love
19. Magik Melody
20. Killer Lips
21. Overnight Rainbow
22. マーマレード・フレイバー
23. Tokyo Landed Girl
24. せつないや
25. おねがいよ
26. カノープス
27. 透明
28. 時間。光り輝く螺旋の球。
29. Trip To The TKY
30. オスグッド・コミュニケーション
31. Shining City Lights
32. Glow-up-Days~10th ver.~
33. まわるまわるまわる
34. AM0805の交差点~10th ver.~
35. ラブパレード~10th ver.~
36. それは月曜日の9時のように~10th ver.~
2部 「約束」
01. 僕らのハジマリ
02. Rising dream~10th ver.~
03. Viva La Vida
04. タリルリラ
05. みしてかしてさわらして
06. わたしロマンス
07. 360°シューティングガール
08. 空想トラベル
09. スーパーガール★センセーション
10. コズミック・フロート~10th ver.~
11. アフタヌーン・グラフィティ~10th ver.~
12. 灼熱とアイスクリーム
13. can't go back summer
14. 214
15. ねぇ、ローファー。
16. 推≒恋
17. Party goes on.
18. グラジェネ
19. ウノ-ウノ
20. リボンのひみつ
21. TOUTOI
22. 結び目
23. ニューフィクション
24. 嘘とライラック
25. TAiLWIND
26. WINGS ~10th ver.~
27. つなぐ
28. ファンファーレ
29. キラキラ~10th ver.~
30. エビ・バディ・ワナ・ビー
31. Re:RAY
32. ボクエール
33. リンドバーグ~10th ver.~


