女性メタルバンド・Zilqyが12月10日に東京・SPACE ODDで1stワンマンライブ「Start The Fire」を開催。この記事ではライブと、終演後に行われた公開インタビューの模様をお届けする。
新星ガールズメタルバンド・Zilqy参上
元AldiousのToki(G)、元LOVEBITESのMiho(B)、多彩なバックグラウンドを持つKano(Dr)、そしてバイリンガルシンガーのAnna(Vo)からなる新バンドの初ステージとあって、会場は超満員。重厚なオープニングSE、ステージ後方のVJ演出が開演を告げる中、大きな歓声を浴びながら妖艶かつ耽美な衣装をまとったメンバーがステージに上がる。そして11月のデビューEP「Vacant Throne」の1曲目「Carry On」がライブでもオープニングナンバーとして届けられた。続く「Disguise」では4人が激しいパフォーマンスを展開し、フロアは早くも狂騒状態に。Annaはこの日を「ずっと楽しみにしていた」と語りつつ、Zilqyに加入する勇気を与えてくれた友人が若くして亡くなったことを明かす。そんな友人への思いを込めた楽曲「Bleeding Love」には、深い感情が宿っていた。
ライブ中盤にZilqyは、AnnaのルーツであるParamoreの「Hallelujah」をカバーし、壮大なロックサウンドの新曲も披露。さらにこの日、生き生きとしたパフォーマンスを見せていたMihoの提案によってMetallica「Enter Sandman」のカバーも演奏したZilqy。Annaが伸びやかでパワフルなボーカルを繰り出し、Tokiがワウペダルを駆使した技巧的ソロを決めて強烈な存在感を示した。終盤の「Cannonball」では、キャッチーなフックにかけ声と拳が上がり、Kanoの手数の多いドラミングが炸裂。バンドはラストナンバー「Realize」まで勢いよく駆け抜け、アンコールで再び「Carry On」を投下。Annaのアカペラから大合唱に展開し、初ライブとは思えぬ一体感でフロアを包んだ。1時間程のステージながら、成長のスピードとポテンシャルを強く印象づけたZilqy。世界展開を見据える4人がこの夜、オーディエンスの心に新しい“火”を灯した。
海外展開につながる発表も
終演後には公開インタビューが行われ、メタル雑誌「BURRN!」の広瀬和生編集⻑らが取材対応を行った。また日本のみならず、海外メディアの記者もオンラインで参加し、日本から彗星のごとく現れた新メタルバンドの魅力に迫った。英語堪能なAnnaは「Holy fuck!」「初ライブができて超うれしかった」と、初ライブの直後で興奮気味。またTokiは「最高すぎて頭が真っ白」、Mihoは「ようやくこの日が迎えられて感無量です」、Kanoは「楽しかったです」とそれぞれ笑顔で語った。
Zilqyは来年3月下旬から4都市ツアー「Rise to Liberation」を開催することをアナウンスしていたが、公開インタビュー内で新たに来年秋に1stアルバム(タイトル未定)を発売することを発表。アルバムの収録曲はすでに制作中で、初ライブで受けた刺激をもとにさらなる楽曲制作に励むとのことだ。また海外展開にまつわるトピックとして、アメリカの大手ブッキングエージェント・Dynamic Talent Internationalと正式に契約したことも発表。同社CEOのトレバー・スウェンソンはZOOMを通じて、「すでにルックスが素晴らしいし、正しいオーディエンス、正しいフェス、正しいライブがある環境で活動を続けたらさらにビッグになる。これからの展開を楽しみにしている」と太鼓判を押した。Tokiは「4人が個々に持つポテンシャル、ステージング、音楽に意欲的な姿勢、Annaちゃんの歌詞。どれもめちゃくちゃカッコいい。リスペクトできるメンバーと初ライブができました。今日はこんなたくさんの方に観てもらえて感動しています。集まってくれた皆さんが将来、『Zilqyの初ライブ行ったんだ!」と自慢できるようになりたいです」と決意を新たにした。
セットリスト
Zilqy "Start The Fire" 2025年12月10日 SPACE ODD
01. Carry On
02. Disguise
03. 新曲
04. Bleeding Love
05. Hallelujah(Paramoreカバー)
06. 新曲
07. Enter Sandman(Metallicaカバー)
08. Cannonball
09. Realize
<アンコール>
10. Carry On


