新鋭・Meg Bonusが初ワンマン「Lossy」完遂、ノンストップで個性鳴らした夜

7分前2025年12月23日 8:02

Meg Bonusの1stワンマンライブ「Lossy」が12月21日に東京・新宿MARZで開催された。

Meg Bonusは野本慶によるソロプロジェクト。全楽曲の作詞作曲、プロデュースまでを野本自身が手がけており、前衛的なトラックと普遍的かつポップなメロディで耳の早いリスナーから注目を浴びる20歳の新進気鋭のアーティストだ。SEのベース音がうねる中、バンドメンバーの高橋佳輝（B）、小金丸慧（G）、榎本響（Key）、窪田大志（Dr）、向啓介（Manipulator）に続いて野本が登場。そしてハイトーンボイスやピアノの旋律が美しいミドルチューン「春になれ」を皮切りに、ほとんど音が途切れることのない怒涛のワンマンショーが開幕した。

豊かな感性でさまざまな素材がコラージュされ、ジャンルを自由奔放に横断する、実験的とも言えるMeg Bonusの楽曲群。手練のバンドメンバーによるグルーヴィな演奏、そこに効果的に差し込まれる同期音源やパーカッションによって、一筋縄ではいかない音楽性が紡がれる。そんな演奏の上で、野本のクリアな歌声が朗々と響き渡った。曲間はアンビエントなトラックやインプロビゼーション的な演奏でつながり、観客の意識を絶え間なくライブの世界に没入させる。

ドラマチックな新曲に続き、ドラムンベース的な展開が熱狂を誘う「冬（、、）！」、感情をぶつけるようなボーカルがインパクトを残す「教室」など次々に演奏を展開した野本。童謡「赤とんぼ」の旋律に導かれた「夕焼け」では終盤の混沌としたバンドアンサンブルが観る者を圧倒し、歪んだベースが印象的な「?Rof」では凶暴性を帯びた演奏で不穏なムードが広がった。ライブは「Vitaminc」「Stay,be」と軽やかな楽曲で終盤へ向かい、華やかなポップチューン「喝采」でフィナーレへ。最後まで歌い上げた野本は「ありがとうございました、Meg Bonusでした！」とこの日初めて歌声以外の言葉を発し、ステージから退場。映画「ホーム・アローン」のセリフが用いられたエンディングSEが、約1時間ノンストップで走り抜けた、Meg Bonusの個性を凝縮したかのようなライブの終わりを告げた。

Meg Bonusは4月29日に東京・大手町三井ホールで初のホールワンマンライブを開催する。イープラスでは1月7日23:59まで、チケットの最速先行予約を受け付けている。