2nd写真集「透明な覚悟」を発表した乃木坂46のキャプテン梅澤美波が、音楽ナタリーの取材に応じた。
ファッションの本場イタリアで「全部やりきった!」
2020年9月発売の前作「夢の近く」からおよそ5年半ぶりのソロ写真集となる「透明な覚悟」は、モデルとしても活躍する梅澤にぴったりなファッションの街・イタリアが舞台。ミラノはもちろん、芸術の街フィレンツェや世界遺産の村チンクエ・テッレなどの美しいロケーションに溶け込んだ梅澤の姿が収められている。「昔からお洋服が好きで。私が乃木坂46を好きになったのも、ファッション誌で活躍されていた白石(麻衣)さんがきっかけなんです。グループに入ってから私もモデルのお仕事をいただけるようになって。もともと身長が高かったのもあって、自分の強みを生かせる場、好きなものを表現できる場として、ファッションの世界により興味が湧いてきました。2冊目の写真集が決まったとき、次はファッションのイメージがある場所で撮影をしたいと考えて」と梅澤はロケ地を決めた理由を明かした。
初めてのイタリアについては「最高でした!」と梅澤。「本当に開放的な気持ちで毎日過ごせました。ずっと東京にいると考えることも多いし、常にこう、画面を見ながら作業をしているような感じがあって……イタリアではとにかく街の風景を見ていて、スマホを触る時間もすごく少なくなったし、お仕事ではあるんですけど、いい息抜きをさせてもらいました。自然体で、ただただ楽しんでいる私が写ってますね」とページをめくりながら回想する。中でも特に印象に残っている場面を尋ねると、梅澤はチンクエ・テッレの街角で出会った、白くてもふもふした犬とのツーショットをチョイス。「ミラノからちょっと外れた海沿いの田舎町で。そこを歩いているときが一番自然体でいられて、ワンちゃんも自然に寄り添ってくれました」と愛おしそうに振り返り、イタリアという場所が自分に一番ハマったと感じる写真は?という問いには「通常版の表紙になったフィレンチェの夜景です。最終日に撮ったんですけど、街の印象も、夜の雰囲気も、衣装も、ヘアスタイルも、1st写真集のときよりも成長して大人になった自分のイメージにマッチしていて。最終日にこの場所で撮れたというのもあって、表情に『全部やりきった!』という気持ちが詰まっているようで……ここがベストだったかな」と回答した。
1st写真集発売から5年半の大きな変化
1月6日に誕生日を迎えた梅澤は現在27歳。1st写真集を発表したのは乃木坂46に加入して4年目、21歳の頃だった。当時から大人びた雰囲気のあった梅澤だが、当人は「めっちゃ前な感じがします。本当に幼き私だったなあ」と振り返る。「もともとネガティブな人間なので、1st写真集のときは『写真集? やったー!』というよりは『写真集……がんばらなくちゃ』くらいのテンションで。とにかく私にできることをやって、いい形で作品として残せるようにと思っていました。その結果、周りの方からいろんな声をいただいて『いいものが作れたんだな』と自分的には大満足で」と話しつつ、梅澤は「だからこそ、2nd写真集を出すことにプレッシャーもありました」と付け加えた。
前作が発売されてからの5年半で、梅澤は乃木坂46の副キャプテン、そしてキャプテンへと立場を変えており、彼女の先輩にあたる1期生と2期生は全員がグループを卒業していった。この5年間の自身の変化について聞くと、梅澤は「メンタル的な部分はすごく強くなったなと思いますね。以前は、自分が何か表現したときにいただいた声……褒め言葉もネガティブな意見もすべてを真に受けすぎていたけど、今は『評価は人それぞれだから』と意見に左右されなくなった。乃木坂46での活動、アイドルという職業に対しての向き合い方はだいぶ変わったと思いますね」と回答。一方で「ビビリなところとかは本当に変わってないですね(笑)。表向き強くいることはいくらでもできるようになったけど、何をやるにも慎重派で、基本的にビビリから入るので、そこはこれからも変わらないんだろうな」と、芯の部分に変わらない自分を感じるという。
梅澤美波の“覚悟”
2nd写真集のタイトルは、乃木坂46のプロデューサー秋元康が挙げた候補の中から梅澤が「ピンと来た」という「透明な覚悟」が選ばれた。その理由を「言われてみれば、私はグループに加入してからずっと、乃木坂46の看板を背負って生きていくことに覚悟を持ってたよなって。自分ではわからないんですよ。特別意識していることではないけれど、これまでやってきたことには『覚悟』の上で成り立ってたものがたくさんあったんだと思う。『覚悟』だけだとすごく強い言葉にも聞こえるけど、そこに『透明な』が付くことによって謙虚さや柔らかさも感じますよね。自分にはぜいたくな言葉ですけど、今の私に一番ぴったりくるなと思いました」と語った梅澤。その“覚悟”は、活動歴も長くなり、何人もの卒業メンバーを見送る中で、より強く、重くなっているのではないか。そう問うと、「年数を重ねることでやりやすくなる部分もあるし、できることも増えてきたから、活動に対する向き合い方もうまくなってきたと思うけど、やっぱり前に立つ者としての重みはすごく感じます。でも、それを感じなくなったら終わりだなって。この重みは大事に持ってないといけないなと思います」という、梅澤キャプテンらしい答えが返ってきた。
写真集取材の定番質問「みんなに見てほしいお気に入りカットは?」とは逆に、ちょっと見られるのが恥ずかしいカットは?と尋ねると、しばしページを眺めたのち、梅澤はシャワールームでの窓越しの1枚を挙げた。曰く「これはファンの方への隠れメッセージで……◯◯って言ってるんですよ(笑)。気付いてくれる人いるのかな。あなたに向けて言ってるよ、っていう。かわいらしいことをやるタイプではないので、これはめっちゃ恥ずかしい」だそう。また「この写真集に自分自身でキャッチフレーズを付けるなら?」と質問すると、「難しいなー」と何度も首を傾げつつ、「人間的な未熟さというか、人間味あふれる表情がこの写真集では出せたと思うので、なんだろう……『不器用な人なんです』……難しいですね」と答えた。
写真集はこれが最後
憧れのイタリアを訪れて大満足の写真集を完成させた今、さらなる表現欲求が湧いているのではないか。最後にそう尋ねると、梅澤はうなずきながらも「でも、写真集という形ではもう終わりだろうなと思いますね」と回答。「私に出せるものは出し切ったというか。もちろん、歳を重ねてもっと表現力がついたら『何か形に残してみたい』と考えるかもしれませんけど、そのときはきっと違う表現の仕方を選択すると思います。写真として残すものは、たぶんこれがラストになるんじゃないかな。そのくらい、とっても満足しています」と現時点での思いを口にした。


