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ROTH BART BARON「"LOST AND FOUND" TOUR」終幕、繊細でバイタリティにあふれたステージ

「ROTH BART BARON "LOST AND FOUND" TOUR」ファイナル公演の様子。
16分前2026年03月27日 13:05

ROTH BART BARONの全国ツアー「ROTH BART BARON "LOST AND FOUND" TOUR」が3月20日に東京・Spotify O-EASTでファイナルを迎えた。

ROTH BART BARONは2025年11月に約2年ぶり、通算9作目のアルバム「LOST AND FOUND」を発表。これに伴い、同月に京都・ロームシアター京都 ノースホールで「ROTH BART BARON "LOST AND FOUND" TOUR」をスタートさせ、ストリングス、ソロ、バンドと編成を変化させながら約5カ月にわたり全国を巡ってきた。その終着地点となったSpotify O-EASTは、ROTH BART BARONがこれまで幾度も音楽を鳴らしてきた会場。「LOST AND FOUND」の収録曲を中心に、緻密かつバイタリティあふれるライブが繰り広げられた。

多彩な音像をたたえた最新アルバム曲

公演の幕開けを飾ったのは、「LOST AND FOUND」の収録曲の1つ「ima.」。ステージ後方のスクリーンにオーロラを彷彿とさせる鮮麗かつ幻想的なVJ演出が展開されていく中、次第に演奏が熱を帯びていく。盤石なアンサンブルを形成するのは西池達也(Key)、Zak Croxall(B)、工藤明(Dr)、竹内悠馬(Tp)、大田垣正信(Tb)というおなじみの面々。まばゆい音像の上で、希望を見出そうとする言葉の数々が三船雅也の澄み切ったファルセットに乗せて届けられた。1曲目が終わると三船は「今日は来てくれてありがとう」とフロアに向けてひと言。続いて「EDEN」などを披露し、ライブの強度を高めていった。

「LOST AND FOUND」のオープニングナンバー「CRYSTAL」は、スタジオ音源では塩塚モエカ(羊文学)の歌声から始まる楽曲。ライブでは三船が全編のボーカルをとるが、楽曲に漂う夢幻的なムードは変わらずに強い存在感を放つ。アルバムの先行配信曲「Kitsunebi」では疾走感のあるビートの中で、日本古来の「狐火」の伝承をイメージさせる和のテイストがちりばめられた。このほか、初期のナンバー「静かな嵐」もセットリストに盛り込みつつ、バンドの現在地を示していくROTH BART BARON。「Falling Stars Over Burning City」では、本公演の映像演出を担当したメディア / ビジュアルアーティストの轡田創による視覚効果がより一層際立つ。荒廃した街に彗星が降り注ぐ近未来的な映像が、楽曲の世界観と壮大なサウンドスケープを強調した。

「みんなのおかげでもう大丈夫です」

「最近、世界がどうなっちゃうんだろうって、いろんなところでいろんなことが起きちゃって。公共の電波なら気持ちが伝わるんじゃないかなと思って作った曲です」という語りを経て披露されたのは、NHKの番組「tiny desk concerts JAPAN」出演時に制作された「Happy」。「無くした心を 取り戻さなくちゃ」という内省的かつ前進的なフレーズが柔らかなメロディに乗って響いた。

さらに、三船が爪弾くアコースティックギターの音色が温もりを生み出した「火魅蟲」、ミラーボールが開放的なサウンドを彩った「けもののなまえ」と、たおやかな楽曲が続くが、「Skiffle Song」になだれ込むとダイナミズムとスピードが演奏に加わる。三船はライブイベント「BEAR NIGHT」開催時にギターテクからもらったという北海道土産の鹿の角を両手に持ち、静と動の幅を感じさせる豊かなボーカリゼーションを披露しつつ、フロアのクラップを誘発。パーカッションやドラムを主体にバイタリティにあふれたセッションのような演奏が繰り広げられ、観客の体を揺らし続けた。

その後も躍動感に満ちたパフォーマンスが続き、ライブ空間の高揚感が膨らんでいく。「Goodnight」では力強く前のめりなアンサンブルが輝きを放った。そして「薄明」で繊細かつ清澄な歌声を響かせた三船は、「過去2年メンタルがヤバくて、激落ちくんだったんですけど、みんなのおかげでけっこうもう大丈夫です。これからも楽しいお祭りをたくさん作ろうと思うので遊びに来てください」と精神的な不調が続いていたことに触れながらほほえみ、観客の拍手を浴びる。続いて「“You're the Best Person in This World”」を歌い、深みのあるサウンドが会場を包み込む中で、肯定的な言葉を優しく歌い届けた。

「Summer Tour 2026」開催を発表

アンコールはコロナ禍に入った頃に制作したという「BLUE FALL」でスタート。青いジャケットアートワークの「LOST AND FOUND」に通ずる、静謐な世界観を持つナンバーだ。続く「GREAT ESCAPE」ではダイナミックで開放感に満ちた演奏が展開され、トランペットとトロンボーンのソロが胸が高鳴るような熱気を伴いながら高らかに響き渡った。

観客に感謝の思いを伝えたのち、三船は「BEAR NIGHT」の“意志”を継いだライブツアー「ROTH BART BARON Summer Tour 2026」を夏に開催することを告げ、「夏、ロットざわざわしますんでよろしくお願いします」と呼びかける。会場に期待感が広がる中、アンコールの最後に披露されたのは「LOST AND FOUND」のラストを飾るナンバー「花吹雪- Hanafubuki」。晴れやかな歌声とサウンドが会場いっぱいにこだました。これでツアーがフィナーレを迎えたかと思いきや、その後ライブはダブルアンコールへ。三船はRyu(Ryu Matsuyama)を特別ゲストとしてステージに迎え、最後に「極彩|IGL」を歌唱。ギターのフィードバック音をきっかけに雄大な演奏を届け、視界を開きながら進めてきた「"LOST AND FOUND" TOUR」を充実感の中で締めくくった。

セットリスト

ROTH BART BARON「ROTH BART BARON "LOST AND FOUND" TOUR」2026年3月20日 Spotify O-EAST

01. ima.
02. EDEN
03. Kid and Lost
04. CRYSTAL
05. Kitsunebi
06. S.O.S
07. 静かな嵐
08. Falling Stars Over Burning City
09. Happy
10. 火魅蟲
11. けもののなまえ
12. Skiffle Song
13. dEsTroY
14. King
15. 赤と青
16. Goodnight
17. 薄明
18. “You're the Best Person in This World”
<アンコール>
19. BLUE FALL
20. GREAT ESCAPE
<ダブルアンコール>
21. 極彩|IGL

今後の公演情報

SUMMER TOUR 2026

2026年7月9日(木)愛知県 電気文化会館 ザ・コンサートホール
2026年7月11日(土)北海道 モエレ沼公園 ガラスのピラミッド
2026年7月14日(火)東京都 目黒パーシモンホール 小ホール

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