SIRUPの全国ライブハウスツアー「SIRUP LIVE HOUSE TOUR 2026 "TURN THE PAGE"」が4月24日に北海道・札幌PENNY LANE24でファイナルを迎えた。
忘れることのない“インディーハート”
2025年、全国のZeppをメインとした会場を巡り、9月には神奈川・横浜BUNTAIで8周年ライブ「DIARY」を盛大に行ったSIRUP。「TURN THE PAGE」は、どれだけ活動規模が大きくなろうとも、ライブハウスが居場所という“インディーハート”を忘れることのない彼が、ファンのすぐ近くで歌声を届けたツアーだ。3rdアルバム「OWARI DIARY」リリース後初の全国巡回の機会でもあった本ツアーは、全公演のチケットがソールドアウト。本稿ではセミファイナル、4月11日の神奈川・Yokohama Bay Hall公演の模様をレポートする。
ディアンジェロのオマージュに喝采
Funky(B)、RaB(Dr)、井上惇志(Key / showmore)というおなじみのメンバーからなるバンドとSIRUPは、このツアーですでに全国14カ所で演奏を重ねてきたこともあり、のっけから仕上がったグルーヴで観客のテンションを引き上げる。ネオン輝く街へ飛び出すような「KIRA KIRA」、胸の奥を甘くざわつかせる「LOCATION」、軽妙洒脱なラップとサビの一体感が心地いい「Synapse」といったナンバーが畳みかけられ、会場は夏めいたこの日の陽気に負けないほど開放的なムードに。歌ったり踊ったりクラップしたりと、思い思いに楽しむ観客へ、SIRUPは「『TURN THE PAGE』ツアーへようこそ! 全員の顔、見えてます!」とうれしそうに語りかけた。
このツアーでの演奏には、楽曲がガラリと表情を変えるアレンジに加え、SIRUPのルーツであるR&Bやネオソウルの名曲のサンプリングが随所に差し込まれた。つやっぽいベースラインで始まった「Pool」に取り入れられたのは、2025年にこの世を去ったディアンジェロのオマージュ。中でも「Brown Sugar」へのリスペクトが詰まった高音パートではフロアから喝采が飛ぶ。さらに「TOMORROW」であちこちにピースサインが掲げられ、「LOOP」では合唱で観客がひとつになるなど、ライブハウスというアットホームな空間ならではの親密でハートフルなムードが常に場内を満たしていた。
弾き語りで新曲を披露
ライブ後半、SIRUPは昨年のツアーから取り入れているアコースティックギターの弾き語りを披露。リズミカルな演奏、伸びやかな歌声で“人間関係”がテーマの新曲をまっすぐに届けた。ステージに戻ったバンドメンバーと仲睦まじくトークを繰り広げた彼は、そのままアルペジオを弾き始めて「INTO YOU」へ。バンド演奏が合流してからはギターを置き、ハンドマイクで妖艶な歌声を轟かせると、この日の最高音と思われるフェイクで観客を圧倒した。
属性を問わず楽しめる“ライブ”の尊さ
その後もエネルギッシュなボーカルを響かせながら、「SWIM」でボイスパーカッションを挟んだり、「Do Well」でグルーヴィな演奏に光を当てたりと、ライブハウスを自由な遊び場に変えて楽曲を届け続けたSIRUP。ラストナンバーを歌う前に、彼は最新アルバム収録曲「今夜」のミュージックビデオに込めた思いを語った。「排外主義がはびこりだした頃、ミックスルーツの友人が『スーパーに行くのも怖くなってきた』と言っていて、それがすげえ悔しくて。『今夜』のMVには、俺たちは共生しているんだというメッセージを込めました」と明かし、「ライブではいろんな属性の人が1つのことを楽しめるからいいなあと思うんです。俺は特定の人を排除しないような活動がしたいし、歌が作りたい。選択肢がめちゃくちゃある世の中にしたいだけ」と、ライブという大切な場所と、社会に対する思いを口にした。
「この場所を失いたくないし、ハードルが高いものにしたくない。みんなでできることをやっていきましょう。今日は来てくれてホンマにありがとう」。そんなSIRUPの言葉を経て披露されたラストナンバーは「今夜」。現代に必要な温もりと祈りをたたえた演奏が、聴衆に深い余韻をもたらした。
アンコールに応えたSIRUPは、バンドメンバー1人ひとりを呼び込みながらグッズを紹介。さらに、4月のファンクラブイベントで行った、闇鍋ならぬ“闇酒”のカオスなエピソードトークを披露し笑いを起こした。そして演者も観客も、誰も彼もが終演を惜しむ中、「Evergreen」「No Stress」が披露されライブは終了。最後の瞬間までピースフルかつリラックスしたムードが漂い、SIRUPのシャウトがフィナーレを熱く彩った。
SIRUPはこの「TURN THE PAGE」での思い出の先に、“追伸”としてメッセージを届けるホールライブ「SIRUP HALL TOUR 2026 "P.S."」を5月に東京と大阪で実施。6~7月にはアジアツアーでソウル、台北、バンコクを巡る。また5月13日に新曲「Not AI」が配信リリースされることが決定。この曲は、このあと21:00より放送のJ-WAVE「GRAND MARQUEE」でラジオ初オンエアされる。
セットリスト
「SIRUP LIVE HOUSE TOUR 2026 "TURN THE PAGE"」2026年4月11日 Yokohama Bay Hall
01. KIRA KIRA
02. LOCATION
03. Synapse
04. Overnight
05. PARADISE
06. Pool
07. Superpower
08. Need You Bad
09. Change
10. GAME OVER
11. RENDEZVOUS feat. hard life(SIRUPソロVer.)
12. TOMORROW
13. LOOP
14. Last Dance
15. Online feat. ROMderful
16. 新曲(弾き語り)
17. INTO YOU
18. SWIM
19. Do Well
20. 今夜
<アンコール>
21. Evergreen
22. No Stress
公演情報
SIRUP HALL TOUR 2026 "P.S."
2026年5月23日(土)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
ゲスト:Ayumu Imazu
2026年5月24日(日)大阪府 NHK大阪ホール
ゲスト:hard life
SIRUP ASIA TOUR 2026 "TURN THE PAGE IN ASIA"
2026年6月13日(土)韓国 West Bridge Live Hall
2026年6月27日(土)台湾 Legacy Taipei
2026年7月4日(土)タイ Lido Connect Hall 2


