2023年から服役していたラッパーのNORIKIYOが、獄中で執筆した獄中記シリーズの最新巻「脱獄のススメ 弍」がZAKAI.jpにて発売された。
本書では、NORIKIYOと同じ刑務所の工場で刑に服していた受刑者たちが書いたラップのリリックや絵も紹介。受刑者の手記はこれまでも目にすることはできたが、数十年を超える懲役を国家に言い渡された受刑者や無期懲役囚が書いたラップのリリックが“娑婆(しゃば)”に表出するのはこれが初めてだろう。
受刑者にリリックの書き方を教えたというNORIKIYOは「皆んなメキメキ上達し始めて『じゃあ皆んなで日本で1番極悪なラップグループ組むか!』とか冗談言ってたらメンバーがどんどん増えて行っちゃって10人以上になったんですけど、メンバー全員の懲役を足したら100年なんてもう余裕で超えちゃうんですよ。むしろ年齢の若い無期懲役囚もいたので、もはや計測不能な感じで」とコメント。「これだけは言っておきますが、他者を傷つけてしまった奴らを擁護するつもりはありませんし、罪を犯してしまった奴らを批判して指をさせるような綺麗な手は俺にはありません。俺はただ刑務所のリアルを取材し、それをコンパイルしただけです」と強調しつつ、「闇落ちして重罪を犯し刑務所っていう場所へと落ちた人間達がどん底から前を向くことができるなら、現在娑婆で生きている方々が希望を失う理由って何なんでしょう? 本書に触れたらそういった視点を持つこともできると思うんです」と語っている。
今回はブックカバーのデザインにNORIKIYOと同じクルー・Sag Down Posseに所属し、マンガ「少年イン・ザ・フッド」を連載中のSITE(Ghetto Hollywood)が参加。ブックカバーのデザインを使ったグッズも販売されている。
NORIKIYO コメント
大分刑務所での俺の服役が始まって数ヶ月後、10数年前に俺の2nd Albumのツアーのライブ会場で俺と撮ったというツーショット写真を独居房に飾っている受刑者に俺がNORIKIYOだって気づかれちゃったんですよ。で、身バレしたんでその日からその受刑者や他の受刑者達が「俺もラップ書いてみたいです!」って俺に相談に来るようになっちゃって、もうしつこいんで、仕方なくそういった受刑者達にリリックの書き方を教えるようになったんです。そしたら皆んなメキメキ上達し始めて「じゃあ皆んなで日本で1番極悪なラップグループ組むか!」とか冗談言ってたらメンバーがどんどん増えて行っちゃって10人以上になったんですけど、メンバー全員の懲役を足したら100年なんてもう余裕で超えちゃうんですよ。むしろ年齢の若い無期懲役囚もいたので、もはや計測不能な感じで。でも彼らはお先真っ暗だった自分たちの受刑生活に光が差したみたいなノリになって。皆んな前向きに人生を立て直そうとし始めたんです。ラップの歌詞を書くには自分の内面と向き合わなければならないからなのかもしれません。とにかく彼らは自分が犯してしまった罪、今までの自分達の人生と現状、そしてこれからの未来、それらを深く考えて前を向こうとしていたのは確かです。マジでHIPHOPってすげぇなと改めて思い知らされましたね。その様子も掲載したこの「脱獄のススメ」の2巻目はそういった意味ではかなりディープでリアルな取材報告書だと思います。これだけは言っておきますが、他者を傷つけてしまった奴らを擁護するつもりはありませんし、罪を犯してしまった奴らを批判して指をさせるような綺麗な手は俺にはありません。俺はただ刑務所のリアルを取材し、それをコンパイルしただけです。でも、闇落ちして重罪を犯し刑務所っていう場所へと落ちた人間達がどん底から前を向くことができるなら、現在娑婆で生きている方々が希望を失う理由って何なんでしょう? 本書に触れたらそういった視点を持つこともできると思うんです。受刑者達も最初から極悪人だったわけではありません。法に触れず暮らしている、または法に触れたことが運よく露呈せずに現在娑婆で暮らしている皆さんと塀の中で暮らす受刑者、私たちは一体何に縛られ囚われて暮らしているのか? この疑問に対して思考を巡らせながら服役し、獄中記を出版するとなった時にタイトルを考えたら「脱獄のススメ」って言葉がしっくり来たんです。


