04 Limited Sazabysが主催する野外フェス「YON FES 2026」の初日公演が本日6月20日に愛知・愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で開催された。
「YON FES」は、フォーリミが地元の愛知に盟友たちを招き、緑豊かなモリコロパークを舞台に開催する恒例の野外フェス。今年で2016年の初開催から10周年を迎えた。2日間にわたるライブのうち、初日公演には主催のフォーリミのほか、彼らの呼びかけに応えたELLEGARDEN、Fear, and Loathing in Las Vegas、Fire EX.、KOTORI、OKAMOTO'S、SHANK、THE BOYS&GIRLS、the cabs、THE ORAL CIGARETTES、ハルカミライが出演。あいにくの雨模様の中での開催となったが、出演者たちはメインステージのSKY STAGEと隣接するLAND STAGEで交互に熱演を繰り広げ、会場のボルテージを絶え間なく引き上げた。
ハルカミライ / THE BOYS&GIRLS
「あいにくの雨ですけど、会いに来てくれてありがとう!」というフォーリミのGEN(B, Vo)の言葉とともにスタートした今年の「YON FES」。SKY STAGEのトップバッターは2年ぶりの出演となるハルカミライだ。いきなりステージ前の柵に立った橋本学(Vo)は「サンキュー、『YON FES』!」と叫ぶと、「君にしか」を歌い上げ、オーディエンスの熱狂を急加速させる。景気付けのショートチューン「ファイト!!」を挟み、「カントリーロード」で大合唱を生み出したハルカミライは、続いて「春のテーマ」「世界を終わらせて」「ウルトラマリン」などアンセミックな楽曲を次々と演奏。最後の「さらば」までSKY STAGEを高揚感と一体感で包み込んだ。
ハルカミライからバトンを受け取ったLAND STAGE一番手、初出演のTHE BOYS&GIRLS。ワタナベシンゴ(Vo, G)がギターを弾きながらフォーリミの「monolith」の一節を歌い、そのまま「ボーイ」へとつなげてライブをスタートさせた。「長い道のりだったよ。苦節11年、ようやく『YON FES』にボイガルが登場だ!」という叫びがLAND STAGEの空気を熱く燃え上がらせていく。そして同世代のフォーリミへの思いが語られたのち、「ロックバンド、04 Limited Sazabysに愛と憎しみを込めて」という言葉とともに「階段に座って」へ突入。最後までエモーショナルなパフォーマンスが繰り広げられた。
Fear, and Loathing in Las Vegas / Fire EX.
重みのあるエレクトロサウンドでモリコロパークを飲み込んだのはFear, and Loathing in Las Vegas。1曲目の「Return to Zero」からSo(Vo)とMinami(Vo, Key)が踊ると、動きのそろった振付が会場のあちこちで展開された。Soのハイトーンボイスが心地よく広がり、Minamiのデスボイスがそれを追いかけ、ダンサブルなリズムが地面を揺らす。クラップから始まった「Party Boys」を機にパフォーマンスの厚みがさらに増すと、SKY STAGEはますますカオスな空気に。「適当でもいいから歌えー!」と叫んでオーディエンスをとにかく歌わせつつ、重厚なダンスチューンで会場中を踊らせた彼らは、初出演とは思えないほどの盛り上がりを生み出した。
続いてLAND STAGEに登場した台湾のパンクロックバンド・Fire EX.も「YON FES」初出演。日本のバンドに影響を受けているという彼らは、耳馴染みのいいメロディと軽快なパンクサウンドでさわやかな空気を運び込む。「Don't You Fight」では細美武士(the HIATUS、MONOEYES)をフィーチャリングゲストに迎え、スペシャルなステージで会場を大いに沸かせた。
SHANK / the cabs
少し強まった雨足をものともせず、「Set the fire」で勢いよくライブの口火を切った「YON FES」皆勤賞のSHANK。「いい天気ですねえ」という言葉とともに「Weather is Beautiful」が披露されるとオーディエンスから歓声が起きる。その後も彼らは矢継ぎ早に楽曲を重ね、会場をヒートアップさせていく。昨年リリースした「Cheap Rad Wine」を経て、庵原将平(Vo, B)が「フォーリミ、いつもありがとう。来年も出られるようにがんばります」と短く感謝を伝えると、そのままラストスパートへ突入。2ビートが炸裂する最後の「submarine」まで勢いよく走り切った。
次にLAND STAGEに登場したのは昨年再結成を果たしたthe cabs。1曲目「anschluss」から首藤義勝(Vo, B)の透明なボーカルが広がり、複雑な変拍子とノイジーなギター、そして高橋國光(G, Vo)のシャウトが、これまでの出演バンドとはまったく違う色でLAND STAGEの空気を塗り替えていく。降り続く雨がまるで演出のようにバンドの鳴らすサウンドを引き立てる中、「新しい曲をやります」という高橋の言葉とともに5月にリリースされた再結成後初の楽曲「パリ、わたしたちの」も披露された。そして彼らは終盤に代表曲を畳みかけ、初の「YON FES」に深々と爪痕を残していった。
THE ORAL CIGARETTES / OKAMOTO'S
続いてSKY STAGEにやってきたのはフォーリミの“お仲間”・THE ORAL CIGARETTESだ。先日、自身の不調を気遣ってくれたGENに“兄貴”の一面を感じたという山中拓也(Vo, G)が「今日は兄貴に捧げていこうと思います」と宣言すると、彼らは雨も狂乱の共犯にして「狂乱 Hey Kids!!」を披露。勢いそのままにヘビーなナンバー「DUNK」、晴れることを想像してセットリストに入れたという「Hallelujah」を続けて演奏する。ラストの「Red Criminal」では山中の監視のもと、しっかりとウォールオブデスが形成された。
豊潤なコーラスで幕を開けたOKAMOTO'Sのステージ。メンバーの声に導かれ、オーディエンスからも雨を吹き飛ばすほどのコーラスが響き渡る。OKAMOTO'Sはゆったりとしたビートを鳴らすと、そのままフォーリミの「swim」をカバー。さらにKEIJUと作った「Seasons」、“これが最後のライブになってもいいと思いながら歌う”という思いが込められた「今ここで」などを真摯に届け、アイデンティティを明確にしたステージで「YON FES」の10周年に花を添えた。
ELLEGARDEN / KOTORI
「いこうぜ、『YON FES』!」という細美武士(Vo, G)の言葉とともに、1曲目「Supernova」からキッズたちのテンションをブチ上げたELLEGARDENは、新旧の代表曲をずらりとそろえた鉄板のセットリストでSKY STAGEを興奮の坩堝に叩き込む。雨を避けて少し後ろに置かれていたマイクスタンドを自ら前に出し、「お前らが遠いとやりづらいんだよね」と話す細美。そんなひと言ひと言がオーディエンスをますます引き込んでいった。Tシャツを脱いだ細美が雨に打たれながら熱唱した「ジターバグ」や、美しいシンガロングが巻き起こった「Make A Wish」。忘れられない光景がまた1つ「YON FES」に刻まれた。
この日、LAND STAGEのトリを飾ったのはKOTORI。スケールの大きなサウンドの「SKY」を伸びやかに届け、続く「秘密」でその景色をより一層押し広げる。そして「やるか、『YON FES』!」という横山優也(Vo, G)の言葉をきっかけにライブの勢いが加速。「unity」ではオーディエンスの大合唱が雨空を震わせた。「大シンガロングワールドカップ、開催しようと思います!」と宣言した横山。その言葉の通り、ライブ後半の「RED」や「Masterpiece」、そして「素晴らしい世界」ではここに集まった全員の歌声が重なり、美しい光景が生み出された。
04 Limited Sazabys
雨足はさらに強くなり、トリのフォーリミのライブは大雨の中でのステージとなった。GENが「愛してるぜ『ヨンフェス』!」と高らかに声を上げると、その伸びやかなハイトーンボーカルを皮切りに、RYU-TA(G, Cho)のシャウト、KOUHEI(Dr, Cho)の雄大なビート、HIROKAZ(G)のギターリフと、4人の音が雨模様を切り開いていく。1曲目に披露されたのは「Horizon」だ。GENはこの日を「ストレートの日本語ロックバンドもいれば、英語のメロディックバンドもいれば、ポストロックバンドもいて。僕らのバンド人生をすごく誇りに思うし、僕らの人生の豊かさをすごく感じています」と振り返ったが、そんな彼らの豊かなバンド人生を象徴するように、キャッチーな「swim」、エモーショナルな「My HERO」、鋭いギターが観客に突き刺さる「fiction」、ブルージーなイントロが印象的な「Lost my way」など多彩な楽曲群が次々と届けられていった。
また、GENは「YON FES」が今年で10周年を迎えた感慨も言葉に。「あの頃の夢がずっと今もここに続いてるんだなって、あの頃の夢が覚めないままなんだなと思いました」と語ると、「いつかこうやって話した頃の夢が醒めないまま」と歌い出し、噛み締めるように「Milestone」を届けた。「最近は続けることが一番カッコいいんじゃないかと思っています」と話したGENは、「『YON FES』と一緒に歳をとってくれてありがとうございます」と、「YON FES」の歴史をともに作り上げてきたファンに感謝を告げる。自身のバンドの歴史にも目を向け、「誰かと比べてもしょうがないんで、とにかく昨日の自分、去年の自分に負けないように1つひとつ積み上げていきたいなと思ってます」と決意を表明。そして「そのためにもここで積み上げてきたものを台無しにしませんか?」と続けると、初期からの人気曲「Buster call」へ。10年以上前から愛知で響かせてきたこの曲を、4人は堂々と鳴らした。しかし彼らの旅はもちろんここで終わりではない。「まだ夢は続く」「ただ先へ進め」と歌う「Feel」で未来を見据えてライブ本編を締めくくり、アンコールには「Squall」を選曲して雨の「YON FES」をパンキッシュに彩った。


