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トリプルファイヤー史上最大の作戦はダブル台風に負けず大成功、8人編成や凄腕ラッパーACE COOLとのコラボに加えて壮大な新曲も初披露

吉田靖直(Vo)(Photo by Taio Konishi)
17分前2026年06月30日 9:02

トリプルファイヤーのキャリア最大規模となるワンマンライブ「史上最大の作戦」が6月27日に東京・Spotify O-EASTで開催された。

半年も準備してきたのにダブル台風直撃

2024年に7年ぶりのアルバム「EXTRA」をリリースして以降、さまざまな会場でのワンマンライブを成功させ、「FUJI ROCK FESTIVAL」にも出演するなど絶好調のトリプルファイヤー。昨年12月4日に東京・LIQUIDROOMでワンマンライブを開催し、この公演中に「史上最大の作戦」の開催を発表した。

それから約半年。メンバーは地道に準備を進め、ようやくライブ当日を迎えたが、なんと2つの台風が同時に直撃してしまう。この日開催予定だったイベントの中止発表も相次ぎ、トリプルファイヤーのワンマンもどうなることか危ぶまれたが、土砂降りだった雨は徐々に小降りに。開場時刻の17:00を迎えると、O-EASTは全国から集まったトリプルファイヤーのファンによってしっかり埋め尽くされた。

緊張感のない吉田

そこへ登場する吉田靖直(Vo)、鳥居真道(G)、山本慶幸(B)、大垣翔(Dr)、沼澤成毅(Key)、シマダボーイ(Perc)、池田若菜(Flute)の7人。史上最大規模のワンマンライブということで、さぞかし気合が入っているかと思いきや、吉田はビニール袋とコーヒーカップを手にしたコンビニ帰りのような姿だ。

演奏が始まるとズボンを持ち上げ、ヒモを結ぶ吉田。まるで緊張感がないが、そんな彼と引き締まった演奏のギャップがバンドの大きな魅力でもある。1曲目は才能に恵まれた人を歌った「ギフテッド」。ファンキーな最新アルバム「EXTRA」収録曲の中でも特にライブ映えするキラーチューンであり、グルーヴィな演奏でフロアのボルテージがグイグイと盛り上げられたのち、吉田が「神に愛された!」と叫ぶと大きな歓声が上がった。

すっかり板に付いた7人編成

「地球の危機」や「Jimi Hendrix Experience」など新旧の楽曲を織り交ぜて演奏していくトリプルファイヤー。最新アルバムをレコーディングした7人の編成がすっかり板に付いており、どの曲でもサポートの沼澤、シマダボーイ、池田が演奏を牽引するような存在感を発揮していた。

逆張りのような歌詞がSNSでたびたび話題になる「SEXはダサい」を経て披露されたのは新曲「スーパー銭湯に行きたい」。サポート3人に加えて、鳥居のガットギターが南国リゾートのようなトロピカルムードを生み出すが、吉田が歌うのは身近なスーパー銭湯だ。

その後、吉田が手にしたカップを口にしたと思ったら「オエエエ」と声を出してえずいたり、ティッシュで鼻をかんだりと相変わらず自由に振る舞いつつ、彼らはまだリリースしていないものの、すでにライブで定番となっている楽曲を次々に演奏。吉田が鍵盤ハーモニカを吹くインストナンバー「モヒンガー」などエキゾチックなナンバーで観客を魅了した。

ソリッドな魅力を示した4人ゾーン

ライブ中盤ではサポートの3人が退場し、「トラックに轢かれた」を皮切りとして、4人だけで演奏するソリッドなゾーンに突入。ワンマン直前にリリースされたライブアルバム「Live on Fire」にも収録されている通り、「変なおっさん」「全国大会」などはアレンジがまったく変わっており、バンドの進化を存分に体感できた。

この日、吉田のMCは控え目だったが、途中口を開いた彼は「なんか最近X見てたら『ありがとう』とか言わないバンドがいいって言ってて……」と突飛な話題を持ち出す。「そういう孤高みたいな……僕も思いはしたことあるんですけど、『ありがとう』って思ってるときもあるし、基本ありがたいじゃないですか。『ありがとう』って言うっていいことだと思うんですよね」とまともなことを言う吉田。特にオチは考えていなかったようで、しばしの沈黙ののち、「ありがとうございます!」と叫んでMCを切り上げた。

4人は人気曲「カモン」も披露し、「両手挙げろ!」「体揺らせ!」「声出せ!」「こんなもんじゃねえだろ!」「友達と来た人!」など、バンドのライブでありがちな煽りが、エコーのかかった吉田の声で機械的に繰り返される。トリプルファイヤーのライブならではのシュールな空気が生まれたところで、4人は2011年にリリースされた1stアルバムの収録曲「パチンコがやめられない」へ。疾走感あふれる演奏と吉田の熱唱により、この日のハイライトの1つとなるような盛り上がりが生み出された。

凄腕ラッパーACE COOLはあの曲に参加

演奏中とは打って変わって饒舌な山本の物販紹介ののち、再びサポートメンバーを迎えるトリプルファイヤー。ここで初参加となるサックス奏者・渡邊恭一が登場し、8人編成で「次やったら殴る」が披露される。ジャズをルーツとしつつ、パンクバンド・DOGADOGAのメンバーとしても活躍する渡邊は、アグレッシブな演奏で楽曲をより怪しく、スリリングに彩った。

さらにこの日、初参加のゲストとして出演がアナウンスされていたのが、達人級のスキルで知られるラッパーのACE COOL。歌詞が哲学的という点で吉田と共通点を見出せるものの、気だるげな吉田と鬼気迫るACE COOLは正反対のイメージと言っていい。これまで表立った絡みもなく、どんな形でACE COOLが参加するのかはライブ当日まで謎だったが、今回彼が参加したのは、現在のトリプルファイヤーの代表曲と言える「相席屋に行きたい」だった。

ACE COOLは、この曲の2分以上におよぶ長いイントロを使って、64小節ラップし続ける「Red Bull 64 Bars」を披露。怒涛の高速ラップで観客を圧倒しながら吉田にバトンをつなぎ、吉田と声を重ねて「相席屋に行きたい」と歌った。普段のACE COOLなら絶対に口にしそうにない言葉だ。

恒例カバーで吉田が「めッ!」の決めポーズ

異様なコラボの余韻が残る中、吉田が缶ビールを開けて追い酒をあおると「お酒を飲むと楽しいね」でライブは佳境へ突入し、前回のワンマンで初披露された「YouTube見て死んだ」がさらなる熱狂を呼び起こす。ライブでしか披露されていないにもかかわらず、すでに人気の高いキャッチーなナンバーであり、リリースが待ち望まれるところだ。

そして本編ラストはトリプルファイヤーのライブで恒例となっているカバー曲。今回彼らが選んだのは、ラッツ&スター「め組のひと」だ。毎度の通り意表を突く選曲だが、ファンクとラテンミュージックを取り入れた曲調はトリプルファイヤーと相性がよく、吉田は「めッ!」のポーズもキメながらノリノリで歌った。

従来のイメージを超えた壮大な新曲

「史上最大の作戦」と題したワンマンだけあって、サプライズはまだまだ続く。アンコール前、サブステージに現れたのはレスラーのスーパー・ササダンゴ・マシン。プレゼンが得意な彼は、O-EASTのLEDスクリーンを使い、トリプルファイヤーが現在直面している課題をスライド資料で力説した。なお、このプレゼンは口外禁止の内容となっており、この記事では詳細を割愛するが、会場では何度も笑いが起こっていた。

再び8人編成でステージに現れたトリプルファイヤーは、ここで新曲を初披露。「夢」と題したこの曲は、これまでのトリプルファイヤーにはないような壮大で神妙な楽曲で、イントロとアウトロでは吉田が棒立ちのまま、長尺のセッションが繰り広げられた。

これからトリプルファイヤーはどう進化していくのか? 彼らが未知の境地を示した新曲により、会場に興奮と戸惑いがあふれる中、吉田の紹介から各メンバーが参加していく形で、この日のラストナンバー「スキルアップ」が始まる。メンバーの激しい演奏で会場の盛り上がりは最高潮となり、吉田はライブ途中のMCを回収するような形で「ありがとう!」と連呼しながら観客とメンバーに手を振った。

こうして「史上最大の作戦」を成功させたトリプルファイヤーは、12月に東名阪CLUB QUATTROツアー「トリプルファイヤー “あこがれのクアトロツアー”」を開催。CLUB QUATTROツアーは、バンドマンなら一度は夢見るものなのだという。イープラスではチケットの最速先行予約を受け付けており、19歳以下を対象とした無料のU-19チケットも用意されている。

セットリスト

トリプルファイヤー「史上最大の作戦」2026年6月27日 Spotify O-EAST

01. ギフテッド
02. 地球の危機
03. Jimi Hendrix Experience
04. SEXはダサい
05. スーパー銭湯に行きたい
06. 街の一部
07. モヒンガー
08. 結局めちゃくちゃ寝た
09. 残ったカス
10. 東京で
11. トラックに轢かれた
12. 変なおっさん
13. 全国大会
14. 沸騰する水
15. カモン
16. パチンコがやめられない
17. 次やったら殴る
18. スピリチュアルボーイ
19. 相席屋に行きたい
20. お酒を飲むと楽しいね
21. YouTube見て死んだ
22. め組のひと(オリジナル:ラッツ&スター)
<アンコール>
23. 夢
24. スキルアップ

公演情報

トリプルファイヤー あこがれのクアトロツアー

2026年12月12日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
2026年12月13日(日)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2026年12月17日(木)東京都 渋谷CLUB QUATTRO

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