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吾妻光良 & The Swinging Boppers恒例の渋谷クアトロ公演、今年も熟練の演奏とユーモアで観客を酔わせる

吾妻光良 & The Swinging Boppersによるライブの様子。 (撮影:田邉龍一郎)
7分前2026年07月02日 11:04

吾妻光良 & The Swinging Boppersが6月27日に東京・渋谷CLUB QUATTROでワンマンライブを開催した。

1979年、早稲田大学の音楽サークルの卒業記念ライブをきっかけに、吾妻光良(Vo, G)を中心に結成された吾妻光良 & The Swinging Boppers。メンバー全員が社会人として仕事をしながら長きにわたり活動を続けてきた、日本を代表する総勢12名の大所帯ジャンプブルースバンドだ。2025年に21年ぶりの「FUJI ROCK FESTIVAL」出演を果たし、さらに今年1月には東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)での単独公演を成功に収めるなど精力的な活動が続く中、毎年恒例となっている渋谷CLUB QUATTROでの単独公演が今年も開催された。巧みな演奏とともに繰り出されるユーモアあふれる歌やトークは、この日も絶好調。本公演を心待ちにしていた観客を大いに楽しませた。

台風どこいった!? 痛快なジャンプ&ジャイブの連続

この日は台風7号と8号が関東に接近し、荒天の予報が出ていたが、ライブが行われる夕方の時間帯には雨脚は落ち着きを見せていた。まずは吾妻を除くバンドの面々がステージにスタンバイし、ジャズのスタンダードナンバー「Things Ain't What They Used To Be」をおもむろに演奏し始める。分厚いブラスセクションが余裕たっぷりに、それでいてスマートにソロを響かせ、リズム隊やピアノも含めた盤石な演奏で観客の体を揺らす中、傘をさした吾妻が会場後方から登場。歓声と拍手を一身に浴びつつ、観客が道を開けるフロアをモーゼのように割りながらステージへ上がると、「ご機嫌目盛」の演奏を軽快にスタートさせた。タイトル通りご機嫌なジャンプ&ジャイブのビートが展開され、瞬く間に高揚感が広がっていく場内。渡辺康蔵(A.Sax,Vo)が吾妻との掛け合いの中で「台風どこいった!?」と口にすると、フロアがひときわ沸いた。

その後は笑いを誘う小気味よいトークと、観る者の心を陶酔させる熟練のパフォーマンスが交互に繰り出されていく。この日は西島泰介(Trombone)が体調不良のため欠席し、代打としてトロンボーン奏者の志賀聡美が出演。吾妻が「西島さんに捧げるわけではないが……」とつぶやくと、薬の大きさを自慢するナンバー「俺の薬はデカい」が演奏された。さらに、名取茂夫(Trumpet)の語りが楽曲の味わいを引き立たせるゆったりとしたバラード「しかしまあ何だなあ」、お酒の席での失敗談をつづった「大人はワイン2本まで」、小田島亨(Alto Sax)のたおやかなソロで始まる「Let Your Hair Down」と、エンタテインメント性抜群のステージが続く。そしてサラリーマンの哀愁をテンポよく歌った「俺の家は会社」で第1部が終了した。

中高年の哀愁、熟成された熟練&トーク

休憩を挟んだのちにスタートした第2部。吾妻がギターをかき鳴らしながら「調子はどうだい?」「俺たちを観に来てくれるなんてうれしいぜ」と観客に語りかけ、会場いっぱいに喝采を沸き起こしたのち、バッパーズは中高年のペーソスを歌った「齢には勝てないぜ」で爽快にライブを再開した。続いてバンドはラッキー・ミリンダーの楽曲を日本語詞にした「ためらうなよ(Don't Hesitate Too Long)」、アングルにこだわるあまりなかなかカメラのシャッターを切らない年配男性をユーモラスかつシニカルに描いた「Photo爺ィ」、キャブ・キャロウェイの楽曲を下敷きにした「俺たち相性いいぜ」などを次々にプレイし、観客を心地よくスウィングさせた。

ライブ終盤に披露された「150~300」では早崎詩生(Piano)が奏でるリズミカルなピアノや高血圧の悲喜こもごもを詰め込んだ歌詞が、まるで血圧が上昇するように観客のテンションを高めていく。哀愁がにじむナンバー「誰もいないのか」では熟成された歌声と演奏が届けられた。その後アンコールに突入すると、バッパーズは「ゴミの日来るまで」と「Dripper's Boogie」をメドレーのように交えながら演奏を展開。笑いを巻き起こす渡辺のボケとバンドのプロフェッショナルな演奏のギャップが、最後まで観客を夢中にさせる。ブギのリズムに合わせて吾妻と観客が掛け合いを繰り広げる場面もあり、今年の渋谷CLUB QUATTRO公演も大盛況のうちに幕を閉じた。

セットリスト

吾妻光良 & The Swinging Boppers ワンマンライブ 2026年6月27日 渋谷CLUB QUATTRO

01. Things Ain't What They Used To Be
02. ご機嫌目盛
03. Come On Let's Boogie
04. 俺の薬はデカい
05. しかしまあ何だなあ
06. 大人はワイン2本まで
07. Let Your Hair Down
08. 俺の家は会社
09. 齢には勝てないぜ
10. ためらうなよ(Don't Hesitate Too Long)
11. Photo爺ィ
12. Que Pasa Chica~誰がマンボに“ウッ!!”をつけた
13. 俺たち相性いいぜ
14. On The Sunny Side Of The Street
15. 150~300
16. 誰もいないのか
<アンコール>
17. ゴミの日来るまで~Dripper's Boogie~ゴミの日来るまで