奇妙礼太郎にとって初となる東京・日本武道館でのワンマンライブ「奇妙礼太郎 日本武道館 単独公演 “1976”」が7月3日に開催された。
初の武道館、いよいよ開幕
日本武道館でのライブは、今年で50歳を迎える奇妙にとってキャリア最大規模の公演となる。このライブで奇妙は、これまでコラボしたアーティストや憧れのミュージシャン、そして盟友Sundayカミデなどをゲストに迎えて全26曲を披露した。
ドレープの効いた真っ白なカーテンが背後を覆う会場に、総勢10人からなるバンドメンバーが登場。やや遅れてジャケット姿の奇妙が現れると、大きな拍手と歓声が沸き上がる。両腕を大きく開いて全身で歓声を浴びた奇妙は「エロい関係」でライブをスタート。一斉に立ち上がった観客を持ち前のソウルフルな歌声で揺らしていく。さらに「たまらない予感」「元気でやってるか」といったナンバーが立て続けに披露され、エネルギッシュなボーカルが広大な空間にこだました。序盤はホーン隊を交えた軽快なサウンドに乗せて歌唱していた奇妙だったが、「かすみ草」「イルミネーション」ではシンプルなロックテイストのアンサンブルとともに歌声を届け、観客の心を熱くたぎらせた。
ゲストが続々と
ここで奇妙は「最高のゲストを呼んでもいいですか」と問いかけ、ヒコロヒーを呼び込む。2人はタバコをモチーフにしたコラボ曲「HOPE」を歌唱。奇妙のアコースティックギターの音色に、ヒコロヒーのあどけなく純朴な歌声が乗せられると、会場には温かな手拍子が広がった。その後、2人目のゲストとして登場したのは羊文学の塩塚モエカ。真っ赤なドレスをまとった彼女は同じく真っ赤な照明のもと、奇妙と「春の修羅」を歌唱し、繊細な歌声で観客の心を震わせる。短い時間ながらも強烈なインパクトを残し、颯爽と舞台を去っていった。
「陽炎」「朝までのブルース」とローテンポのナンバーをじっくり聴かせたのち、奇妙は「夢暴ダンス」をにぎやかにパフォーマンス。ステージ最上段に上り、ミラーボールのきらびやかな光に照らされた客席へと伸びやかな歌を届けていく。続けて、奇妙が子供の頃から聴いては「カッコいいなあ」と思っていたという憂歌団の内田勘太郎と木村充揮、そして有山じゅんじがゲストとして登場。以前から影響を公言している憂歌団の楽曲「嫌んなった」と、有山作の「梅田からナンバまで」を4人で披露したのち、憧れの3人との共演に奇妙は「やったぞー!」と屈託のない喜びの声を上げた。
友達来たー!
ライブ後半、「散る 散る 満ちる」の演奏中にはハンドマイクを持ったSundayカミデが姿を現す。奇妙は「友達来たー!」とうれしそうにこぼし、天才バンドの「ロッケンロールベイベー」をパフォーマンス。力強さの中に感傷がにじんだロックサウンドで観客の体を縦に激しく揺らしていく。さらに「ちょっと名曲やっていいですか? 俺たちの名曲やっていい?」という言葉に続けて「君が誰かの彼女になりくさっても」を歌唱。Sundayカミデとともに舞台の端から端まで練り歩き、大合唱を発生させた。
松田聖子「SWEET MEMORIES」のカバーで会場が切ない空気に満たされたのち、披露されたのは「アスファルト」「わたしの歌」。これまで以上にエモーショナルな歌声がこだまし、その圧倒的な声量に観客の心が奪われる。そしてラストには「オンリーユー」が軽やかに奏でられ、伸びのある歌声が会場中を巻き込み幸福感を生み出した。
一同そろって大団円
アンコールに応えて再度登場した奇妙は「愛がすべてのこと」でライブを再開し、オーディエンスを心地よい揺れへと誘う。さらにシャンソンの名曲「愛の讃歌」を歌い上げ、ラストに「オー・シャンゼリゼ」のパフォーマンスへ。誰もが知る永遠のクラシックを奇妙ならではの節回しで歌唱し、陽気に鳴らされた手拍子を浴びる。ゲストの一同も舞台にそろい、ラストは観客含む全員で大合唱。演奏が終わるとともに金テープが勢いよく発射され、会場の客電が一斉に灯る。この上ない大団円の中で奇妙は「打ち上げ行ってくるわ。ありがとー!」とあっけらかんとしたトーンで言い放ち、一本締めで初の武道館ライブを終えた。
セットリスト
「奇妙礼太郎 日本武道館 単独公演 “1976”」2026年7月3日 日本武道館
01. エロい関係
02. たまらない予感
03. 元気でやってるか
04. 機嫌なおしておくれよ
05. かすみ草
06. イルミネーション
07. HOPE(w / ヒコロヒー)
08. 春の修羅(w / 羊文学・塩塚モエカ)
09. 陽炎
10. 朝までのブルース
11. 夢暴ダンス
12. 嫌んなった(w / 有山じゅんじ、内田勘太郎、木村充揮)
13. 梅田からナンバまで(w / 有山じゅんじ、内田勘太郎、木村充揮)
14. More Music
15. 穴
16. 散る 散る 満ちる(w / Sundayカミデ)
17. ロッケンロールベイベー(w / Sundayカミデ)
18. 君が誰かの彼女になりくさっても(w / Sundayカミデ)
19. humming bird
20. SWEET MEMORIES
21. アスファルト
22. わたしの歌
23. オンリーユー
<アンコール>
24. 愛がすべてのこと
25. 愛の讃歌
26. オー・シャンゼリゼ
撮影:松嶋豊裕、村井香


