plentyが7月7日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でワンマンライブ「plenty re:birth」を開催した。
2017年9月のワンマンライブをもって解散し、今年2月に再始動(re:birth)を発表したplenty。CDデビュー15周年を記念し、SNSアカウント開設やライブ映像の公開、ベストアルバム「outside」「inside」の発売といった施策が展開される中、突如発表された新体制での再始動は大きな話題を呼んだ。「plenty re:birth」は、plentyにとって9年ぶり、再始動後初となるワンマンライブ。チケットは即日完売し、会場には多くのファンが駆けつけた。
ただいま!
おなじみのSEであるImogen Heap「Hide and Seek」が流れる中、大きな歓声と拍手に迎えられながら江沼郁弥(Vo, G)、新田紀彰(B)、古市健太(Dr)がステージに登場。オーディエンスの視線がステージに注がれる中、1曲目「蒼き日々」のイントロとともにバンドロゴをあしらったバックドロップが降り、ライブがスタートした。満員の客席を愛おしそうに見渡した江沼が「ただいま!」と叫び、そのまま「ボクのために歌う吟」へ。観客は3人の演奏にじっくりと聴き入り、バンドもその思いに応えるように、一音一音を丁寧に届けた。オープニングから一気に4曲を畳みかけ、江沼は「こんばんは、plentyです」と挨拶。冒頭からエモーショナルな空気に包まれた客席へ「泣かないでください!」と呼びかける。2017年のラストライブ以来、ひさびさのステージとなった新田が「無事今日を迎えられてよかったなと思ってます」と朴訥とした口調で挨拶すると、その変わらない佇まいに、会場は和やかなムードに包まれた。また、この再始動から加入した新メンバー古市も無事にこの日を迎えられた喜びを口にする。江沼は「plentyって深刻な曲が多いんですよ。でもライブは深刻にならずに楽しくやりたい」と笑い、次の楽曲へとつないだ。
行き来する静と動
今年発売されたベストアルバム「outside」「inside」の収録曲を中心としたセットリストが組まれたこの日のライブ。plentyのキャリアを彩ってきた楽曲が次々と披露される内容となり、「最近どうなの?」「明日から王様」「東京」といったナンバーが、江沼の透き通ったハイトーンなボーカルと、切実なバンドアンサンブルとともに届けられた。MCでは江沼が「もうハッキリとは覚えてない」と笑いながら、バンド再始動の経緯を語り始める。バンドのCDデビュー15周年を機にベストアルバムの企画をレーベルから持ちかけられ、自ら収録曲を選ぶ中で「plentyにはいい曲がたくさんある」と改めて実感したのだという。そして「ベストアルバムを出して終わり」ではファンに対して誠意がないのではないかと考え、ライブを行うために新田と古市へ声をかけたことが再始動のきっかけだと明かした。これを受け、新田は解散後もSNSを通じて江沼の音楽活動を見ていたと語り、江沼と古市の相性のよさを感じる一方で、「そこに自分が入れるのか」という不安もあったと振り返る。しかし、そんな不安もすぐに楽しさへと変わったそうで、新田は「いい3人です」と新体制への確かな手応えをのぞかせた。
観客を座らせた状態で「空が笑ってる」でパフォーマンスを再開したplenty。「よろこびの吟」では江沼のファルセットとバンドの繊細なアンサンブルが重なり、場内を静かに満たしていく。続く「空から降る一億の星」でもストリングスが幻想的なサウンドスケープを描き出し、会場を優しく包み込んだ。バンドの再始動を祝福するムードが漂う一方で、心の内側にある孤独や内省をなぞる楽曲が多いゆえに、場内には感傷的な空気が広がる。「ライブは深刻にならずに」と話していた江沼も、「まあ、そりゃこうなるよな」と会場の空気を受けて苦笑いを浮かべた。そんな中、客席から「明るく!」と声が飛ぶと、江沼は「明るくね。明るくやりましょう!」と笑顔で応え、バンドはさらに生々しさを増した演奏で「その叙情に」をパフォーマンス。続く「劣勢」では、強靭かつグルーヴィなアンサンブルを展開してファンを圧倒した。
誰かがそうどこかで 僕のことを待ってる
江沼が思わず「楽しい!」と率直な思いを口にし、「人間そっくり」でライブは佳境へ。バンドを代表する1曲「待ち合わせの途中」、そして2016年にリリースされた解散前最後のアルバム「life」のラストを飾った「風をめざして」が続けて届けられた。「本来であれば今の曲で本編最後のはずだったんですけど……新曲をやって終わりにします」と江沼が告げると、思わぬサプライズに会場からは大きな拍手が沸き起こる。「どうしても前に進んでいく感じを出したくて」という言葉を経て初披露されたのは、plentyとして約10年ぶりの新曲「ってかさあ」。変わらぬplentyらしさをたたえながらも、再び歩み始めた今だからこその思いが刻まれた1曲に、オーディエンスは一音も聞き逃すまいと耳を傾けた。
アンコールでは、この日初披露された「ってかさあ」の配信リリースと、9月より開催されるワンマンツアー「plenty re:birthツアー2026 “いま終わりの先へ”」の追加公演決定を古市が発表し、会場は大きな歓声に包まれた。改めてこの日集まった観客へ何度も感謝を伝えた3人は「はじまりの吟」「枠」「傾いた空」の3曲を届け、最後は江沼の「またね!」のひと言とともに、9年ぶりのワンマンライブを締めくくった。
なお、Apple MusicとSpotifyでは「plenty re:birth」のセットリストをまとめたプレイリストを公開中。Streaming+では7月18日17:00から26日23:59までライブの模様が配信される。
セットリスト
「plenty re:birth」2026年7月7日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
01. 蒼き日々
02. ボクのために歌う吟
03. 人との距離のはかりかた
04. 普通の生活
05. 最近どうなの?
06. 明日から王様
07. 東京
08. 空が笑ってる
09. よろこびの吟
10. 空から降る一億の星
11. その叙情に
12. 劣勢
13. 砂のよう
14. ETERNAL
15. あいという
16. 人間そっくり
17. 待ち合わせの途中
18. 風をめざして
19. ってかさあ
<アンコール>
20. はじまりの吟
21. 枠
22. 傾いた空
配信情報
plenty re:birth
Streaming+ 2026年7月18日(土)17:00~7月26日(日)23:59
plenty re:birthツアー2026“いま終わりの先へ”
2026年9月3日(木)東京都 LIQUIDROOM
2026年9月5日(土)宮城県 darwin
2026年9月6日(日)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
2026年9月13日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
2026年9月18日(金)香川県 DIME
2026年9月20日(日)福岡県 DRUM LOGOS
2026年9月21日(月・祝)鹿児島県 CAPARVO HALL
2026年9月23日(水・祝)広島県 広島CLUB QUATTRO
2026年9月26日(土)大阪府 なんばHatch
2026年9月27日(日)愛知県 ElectricLadyLand
2026年10月16日(金)石川県 Kanazawa AZ
2026年10月17日(土)新潟県 NIIGATA LOTS
2026年10月24日(土)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)(※追加公演)


