Reolがライブツアー「Reol Oneman Live 2026 美辞学」の国内最終公演を、昨日7月10日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて開催した。
因縁の渋公は満員御礼
最新アルバム「美辞学」を携えて行われている今回のツアーでReolは、全国各地のホールやライブハウスへ。国内編を締めくくる場所として選ばれたのは、2020年8月のコロナ禍真っ只中に無観客ライブ「Reol Japan Tour 2020 ハーメルンの大号令 -接続編-」を行ったLINE CUBE SHIBUYA。2021年にもReolは同会場でライブ「音沙汰」を行っているが、その際は観客の声出しが制限されていた。5年ぶりに立つ渋谷公会堂のステージで彼女は、過去2回のライブでは観ることができなかったオーディエンスで埋め尽くされた客席、そして聞くことが叶わなかった歓声を何度も噛み締めながらパフォーマンスを繰り広げた。
暗闇に包まれた会場にReolの重厚なアカペラのコーラスワークが響き、ライブがスタート。オーディエンスは宮殿階段風のセットの上、ステージを横断するLEDスクリーンの前にたたずむ主役・Reolの姿を認めると大歓声を上げた。バンドメンバーの屈強でグルーヴィなサウンドに乗せて彼女が歌い出したのは「美辞学」のオープニングナンバーである「うつくしじごく」。この曲で「ここはうつくしじごく」と高らかに宣言した彼女は、幾重ものフリルをあしらったスカートの裾をひるがえしながら階段を降り、観客の前へと歩みを進める。そして「平面鏡」を皮切りに、怒涛の勢いでReolのシグネチャーとも言えるハイボルテージな楽曲を畳みかけた。
あのときは観れなかった景色を、聞けなかった声を
無観客のLINE CUBE SHIBUYA公演でもセットリストに組み込まれた代表曲「第六感」を歌い終えたのち、Reolは「全国ツアー21本を回って、今日は各地の熱量を全部引き連れて、私にとっては因縁の舞台である渋谷公会堂からお届けします。2020年に観ることが叶わなかった景色を、2021年には聞けなかった声を、今日は存分に私も聞いて、あなたも存分に目に耳に焼き付けて帰ってほしいなと思ってます」と宣言。その言葉通り、並々ならぬ熱気を体中から放ちながら、オーディエンスを鼓舞していく。
観客を翻弄するジェットコースター的なセットリストや演出もReolのライブにおける特徴だが、この日は中盤に差し込まれた「おとめの肖像」でステージがパステルカラーに染まり、エッジの効いた前半から一転、80年代の音楽番組を想起させるキッチュな世界が広がる。スモークが焚かれたファンシーな舞台の上で、Reolはバンドメンバーと一緒にアイドルステップを踏みながら熱唱。ポーズを決めたり、“ファンサ”をしたりコケティッシュな魅力を全開にする。
しかし、観客がその姿に骨抜きにされていた次の瞬間には、けたたましい空ぶかしの音が鳴り響く中、短ランをまといキックボードに乗って登場。ヤンキーキャラ・“アタイ”になりきりバンドメンバーを交えたチーム美辞学の国内ツアー完走を祝って、「第1回卒業扇子授与式」なるものを執り行い始める。「おとめの肖像」とのギャップに一瞬唖然とする観客だが、Reolの徹底した演出に思わず笑顔に。卒業式には欠かせない群読では「いつか必ず全国制覇」という決意表明も飛び出し、会場を大いに沸かせた。さらに、1階席を練り歩く演出を交えての「感情御中」、音楽活動開始から10周年のタイミングで作られた「ディア」を通して、最大限の祝福をオーディエンス全員に贈った。
ツアー中に生まれた思いを新曲に込めて
Reolの過去曲のフレーズを盛り込んだ、バンドメンバーによる個性あふれる「Interlude」を挟み、ライブは後半戦へ。Reolはスモーキーグリーンを基調としたパンツルックで観客の前に現れ、さまざまなレトリックを盛り込んだ所信表明とも言える「美辞目録」を高らかに歌い上げ、ライブのクライマックスに向けてアクセルを踏み込んでいく。
まずは、Reol名義による初のミニアルバム「虚構集」の収録曲である「ミッシング」「エンド」の連投で、ハイトーンボイスを生かしたエモーショナルな世界を会場に構築していく。そしてソロアーティストReolとしての初期曲をストイックに届けたあとは、「美辞学」を軸とした最新モードに移行。Reolがトランペットの音色を高らかに響かせオーディエンスを圧倒した「二等星」、スタジアムライブかと聞き間違うほどのすさまじいコールが沸いた「劣等上等」、スモークが吹き上がる演出を交えた「DEAD CENTER」と、演者とオーディエンスの心をつなげるナンバーが怒涛のように披露された。
会場の一体感を超える団結力がピークに達した頃、Reolは再びオーディエンスに語りかける。昨年11月の神奈川・横浜アリーナ公演を経てやっと“Reol”としての自分を認められたこと、その思いを抱いて回った今回のツアーで感じたこと──。彼女の意思のこもった言葉に観客は真剣に耳を傾けた。そしてReolはツアー中に生まれた曲と前置きし、未発表の新曲「COCOON」を初披露した。この曲は“繭”を意味するタイトル通り、大切な存在と過ごすことで得られる安心感や居場所、愛を受け取った先に生まれる強さを描いた1曲。どこか包容力のあるダンサブルなサウンドや歌声がオーディエンスを包み込んでいった。
最後に広がった“観たかった景色”
「青の祓魔師」へのリスペクトを映像演出にも込めた「RE RESCUE」、そして節目のライブでも披露されてきた「あ可よろし」でライブはクライマックスへ。Reolはバンドメンバーとともにステージを去る、というのが「Reol Oneman Live 2026 美辞学」における流れだったが、Reolは「今日はツアーファイナルで、東京、しかも渋谷公会堂なのでもう1曲歌いたい曲があって」と提案。「この曲を作ってリリースしたときは、この場所には、誰もいませんでした。曲の最後に銀テープ飛ばしたけど、それを受け取ってくれる人もいなくって。自分がこの曲を作った時に予想していた光景とはまったく違ったんです。でももう一度渋公に帰ってこれて、そして今日は満員御礼でございますので……あの日、初めてこの曲を歌うときに、見たかった景色を最後にここで見せてもらってもいいですか?」とオーディエンスに問いかける。当然のことながら観客は大歓迎。Reolはうれしそうな表情を浮かべると、この日2度目の「第六感」のパフォーマンスへ。1回目以上の盛大なコールが発生し、観客の躍動で会場全体が揺れる中、Reolは伸びやかな歌声を響かせる。曲のクライマックスではおびただしい量の銀テープが客席に向かって発射され、観客の歓声とともにきらびやかな景色が広がった。
「Reol Oneman Live 2026 美辞学」国内編の完走を経て、Reolはツアーの海外編を韓国と台湾で開催。11月には「Reol Secret Live 極秘 LEGIT #2」と題したファンクラブ限定公演を東京と大阪で行う。なお、各種配信サービスでは東京公演のセットリストをもとにしたプレイリストを公開中。
セットリスト
「Reol Oneman Live 2026 美辞学」2026年7月10日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
01. うつくしじごく
02. 平面鏡
03. 第六感
04. 煽げや尊し
05. SHINOBI
06. TAKE OFF
07. エンドレスライン
08. おとめの肖像
09. 感情御中
10. ディア
11. Interlude
12. 美辞目録
13. ミッシング
14. エンド
15. ミッドナイトストロウラ
16. 1LDK
17. 二等星
18. ULTRA C
19. 劣等上等
20. DEAD CENTER
21. COCOON
22. RE RESCUE
23. あ可よろし
24. 第六感


