阿部真央のライブハウスツアー「年女興行」が7月19日に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)でファイナルを迎えた。
多彩な歌声で観客を圧倒、生まれたての未発表曲も
阿部が今年の干支、午年生まれであることからタイトルが付けられたこのツアー。「年女興行」と刺繍の入った特攻服姿で登場し、よく通る声で「今日はよろしくー!」と挨拶をした阿部は、吉田佳史(Dr / TRICERATOPS)、高間有一(B)、akkin(G)、和田建一郎(G)、幡宮航太(Key)、そして前田雄吾(Manipulator)からなるバンドのグルーヴィなサウンドに乗せ、「どうしますか、あなたなら」「Don't let me down」「ふりぃ」とアッパーチューンを畳みかけた。ライブハウスに似合うロックナンバーが熱狂を誘ったかと思えば、ミドルバラード「深夜高速」では切ない歌声が響き渡る。18年目のキャリアの中で発表してきた楽曲の音楽性は実に多彩。正確性とパワフルさ、豊富な表現力を持つボーカルが聴衆を圧倒するシーンが、ライブ中に幾度となく訪れた。
このツアーで初めて取り入れた試みとして、阿部は最新曲「Buddy」をルーパーを用いて1人で演奏。うまくいかない公演もあったと明かしつつも、ファイナルではアコースティックギターの録音を一発で成功させ、優しく繊細な歌声とともに届けた。続けて壮大なバラード「いつの日も」、カントリー調の「Ding-dong」が奏でられ、温かい空気が会場を包み込む。次に披露されたのは、4月に生まれたばかりだという未発表曲「余白の海」。演奏前に阿部が説明した、“自分の気持ち”が置き去りになりがちな現代への思いや、自由でいることへの希望などを胸に、観客は彼女の新たなモードを受け取った。
成長できたと思えて、みんなに観てもらえて幸せ
その後、阿部は、「傘」「どうにもなっちゃいけない貴方とどうにかなりたい夜」「戦いは終わらない」とまったくテイストの異なる楽曲で観客を魅了。「頼むぞ東京!」と観客を焚き付けて「I wanna see you」で自身にラストスパートをかけ、「モットー。」ではakkin、和田と横並びでギターをかき鳴らし喝采を浴びた。「楽しくて楽しくて……皆さんのおかげです。ファイナルってつい力んじゃうけど、今日はナチュラルに元気でいられた。風通しのよさを感じました」と感謝の気持ちを口にした阿部。さらに、「自分には何もないのではないか」と感じてしまったときにライブ映像を観てファンの存在に励まされていることを伝え「ライブを続けていくために、どんなことでもがんばりたいと思っています」とこの場所を守っていく意志を明示した。そんな言葉を経て、根源的な思いをつづったかのような「なんにもない今から」が披露され、晴れやかな空気の中でライブ本編は締めくくられた。
アンコールに応えた阿部は、「ポーカーフェイス」「ロンリー」で再び会場に熱気を生み出す。バンドメンバーを送り出すと、弾き語りの日替わり曲としてファン人気の高い「ストーカーの唄~3丁目、貴方の家~」をチョイスし観客を楽しませた。「私はいろんな意味でモデルチェンジをしている気分です。このツアーでも、『歌うまくなったかも』と少しずつ思えたり」と、紆余曲折がありつつも成長を実感していると語った彼女は「成長できたと思える状態でファイナルを迎えて、皆さんにライブを観てもらえてすごく幸せでした」と破顔した。そしてライブでのみ披露されている「母の唄」の気迫あふれる弾き語りで、「年女興行」はエンディングを迎えた。
各音楽配信サービスでは本公演のセットリストからなるプレイリストが公開されている。
セットリスト
「阿部真央ライブハウスツアー2026『年女興行』」2026年7月19日 Zepp DiverCity(TOKYO)
01. どうしますか、あなたなら
02. Don't let me down
03. ふりぃ
04. 答
05. 走れ
06. 深夜高速
07. 貴方が好きな私
08. Buddy
09. いつの日も
10. Ding-dong
11. 余白の海
12. 傘
13. どうにもなっちゃいけない貴方とどうにかなりたい夜
14. 戦いは終わらない
15. I wanna see you
16. モットー。
17. まだ僕は生きてる
18. なんにもない今から
<アンコール>
19. ポーカーフェイス
20. ロンリー
21. ストーカーの唄~3丁目、貴方の家~
22. 母の唄


