YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで7月24日から7月30日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文 / 真貝聡
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングには、24位にaespaの「KISS N TELL」が登場した。今作は7月にリリースされた日本1stミニアルバムのタイトル曲。MVでは遊園地でアトラクションを楽しむメンバーの姿や、園内で大勢のダンサーと繰り広げるパフォーマンスも堪能できる。夏らしい開放感あふれる映像が、楽曲のポジティブなエネルギーを際立たせている。
39位にはJuice=Juiceの「BLOODY BULLET」がランクインした。これは6月にリリースされたEP「MORE! MORE! EP」の収録曲のMV。YouTubeのコメント欄では、メンバーが「ZUDADADADADADADA!」というフレーズに合わせてハート型の銃口を画面に向けて連射するシーンが「かわいすぎる」「撃たれたい」と話題だ。また、このMVをメンバーが観るリアクション動画も公開され、こちらも大きな話題を呼んでいる。
42位にはFUNKY MONKEY BΛBY'Sの「告白(2026ver.)」が登場した。デビュー20周年イヤーを記念して制作されたこのMVでは、代表曲の1つである2008年リリースの「告白」を“2026ver.”として新たに表現。高校生役で月島琉衣と山下幸輝が出演し、入学から卒業までの3年間がドラマチックに描かれている。さらにラストでは、オリジナル版のMVに高校生役で出演していた波瑠が登場する胸アツの内容になっている。
国内外の話題のMVが並んだ今週は、下記の3曲をピックアップする。
ACEes「真夜中のZOO」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場7位
ACEesが7月10日から12日にわたって東京・有明アリーナで開催した「ACEes Arena Tour 2026 "V"」から、「真夜中のZOO」のライブ映像が7位にランクインした。今作はメンバーの深田竜生が主演を務め、浮所飛貴も出演するドラマ「夏色の雲が恋と嵐をまきおこす」の主題歌。ドラムの疾走感とストリングスの壮大な響きが際立つサウンドに、感情を揺さぶるドラマチックなメロディを組み合わせ、恋のまぶしさとはかなさを描いたミディアムナンバーだ。
作詞作曲を手がけたのは石崎ひゅーい。彼のピュアな言葉選びと、ACEesのまっすぐな歌声が響き合い、恋愛の枠を超えた青春の情景が浮かび上がる。サビに向かって感情を高めていく展開も魅力で、派手なアレンジに頼らず、歌そのものの力を引き出している。ライブ映像では、メンバー同士が視線を交わしながら歌い継ぐ姿や、楽曲に寄り添った表情豊かなパフォーマンスが印象に残る。5人の歌声とステージ上での一体感によって、楽曲が持つ温かな世界観を届けている。
ILLIT「I Got Your Back(Feat. JISOO, MOMOKA of HANA)」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場18位
ILLITの新曲「I Got Your Back」は、JISOO(BLACKPINK)とMOMOKA(HANA)をフィーチャリングゲストに迎えた日本2ndシングルのタイトル曲だ。作詞を『ユイカ』、作曲を岡嶋かな多が手がけ、JISOOとMOMOKAは歌唱だけでなく作詞にも参加。“どんなときでも味方でいる”という温かなメッセージを軸に制作された1曲となっている。
軽快なポップサウンドに乗せた前向きな歌詞と、ILLIT特有の甘く柔らかなボーカルに、JISOOの透明感あふれる歌唱、MOMOKAの力強く芯のある歌声が加わることで、三者の個性が心地よく調和している。サビへ向かうにつれて高揚感を増す展開や、随所に盛り込まれたコーラスワークが楽曲に奥行きを与え、繰り返し聴きたくなる魅力につながっている。
MVは彼女たちが通う学校が舞台。特撮作品を思わせる世界観の中で、セーラー服姿のILLITとJISOO、MOMOKAがヒーローとなって活躍する姿を描き、互いを守り支え合うという楽曲のメッセージを映像でも表現している。
CUTIE STREET「Error404♡」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場40位
CUTIE STREETの新曲「Error404♡」は、SILENT SIRENのすぅ(Vo, G)が作詞を担当し、SILENT SIRENのサウンドプロデューサーとして知られるクボナオキが作編曲を手がけたポップなラブソングだ。「愛って何だろう?」という戸惑いや素直になれない気持ちを、Webサイトのページが見つからないことを示す「404エラー(404 not found)」に重ね、恋の答えが見つからないもどかしさをインターネット用語で表現している。
曲中に登場する「センター問い合わせ」とは、電波がない場所にいたり電源を切っていたために届かなかったメールを手動でサーバーから受け取る、昔のガラケーにあった機能。そんな言葉と、LINEでおなじみの「既読」といったワードを並べることで、異なる世代のコミュニケーションツールの違いを表しながら、連絡手段は変化しても相手の気持ちを知りたいという恋愛の本質は変わらないことを浮かび上がらせた歌詞も印象的だ。電子音を取り入れた軽快なトラックと、目まぐるしく変化するメロディが、迷いながらも前へ進もうとする感情を彩っている。
MVでは、メンバーが恋に悩む患者やナースに扮し、“恋愛のエラー”をコミカルに描写。遊び心あふれる演出の中に、恋する人の不器用さや愛らしさを映し出した作品となっている。


