TenTwentyが8月16日に神奈川・Yokohama Bay Hallにてライブ「in the Rough 2」を開催した。
シンプルに曲を使って遊ぶライブ「in the Rough」
「in the Rough」は斎藤宏介(Vo, G)と須藤優(B)の2人きりでのライブを披露するシリーズで、2022年初夏以来約4年ぶり、2回目の開催。今回は小川貴之(sumika)とGEN(04 Limited Sazabys)をゲストに迎え、貴重なコラボレーションでも観客を楽しませた。
開演時刻を迎え、ステージに登場した斎藤と須藤が最初に披露したのは「Stay Mellow」。心地よいビートが特徴的な楽曲をメロディが引き立つシンプルなアレンジで演奏し、特別な一夜の幕開けをオーディエンスに印象付ける。斎藤のクールなカッティングと須藤の歌心にあふれたベースラインが絡み合った「アカシ」を披露したあと、須藤は観客に「雨でした?」と会場に来るまでの天気を尋ねた。「本当にさあ……」と指さされた斎藤は「いやいやいや!」と返し、雨男っぷりをなすりつけ合う2人のやりとりにフロアからは笑いが起こる。「どんな天気でも晴れ舞台です」と気持ちを切り替えた斎藤は「in the Rough」のコンセプトを「ラフに自然体のままで、シンプルに曲を使って遊ぶライブ」と改めて説明。「4年ぶりですが曲もたくさん作ってきたし、もっといろんなことができるんじゃないかと。今回はスーパースペシャルゲストも来てくれていますから」と観客の期待を高めた。
sumika小川貴之のトーク術炸裂「今日はいい日になりますよ?」
涼やかなブルーとグリーンのライトが曲の世界を彩った「Endless Summer」、斎藤がルーパーでギターを重ねてグルーヴを生み出した「フラッシュバック」、2人のコーラスワークが冴え渡った「おもちゃの街」と、「in the Rough」でしか味わえない貴重なパフォーマンスを次々と繰り出した2人。ここでいよいよ1人目のゲストが呼び込まれる。斎藤から「すってぃは縁が深いんじゃない?」と尋ねられた須藤は「大好きなんですよ、まず話が面白い(笑)。MCしてるときは後ろで泣いてます」とゲストを紹介した。そして登場したのは、須藤がゲストメンバーとして参加しているsumikaの小川貴之。ステージ下手側の袖から手を振りながら現れた小川はそのまま上手側へはけていく小ボケを披露し、さっそくフロアを沸かせた。
ようやく席に着いた小川は「ちょっと1つ、物申していいですか?」と切り出し、会場で渡されたセットリストで出番をライブ中盤だと確認し緊張していたところ、曲番号に誤りがあり思っていたよりも自らの出番が早かったことを立て板に水のごとき話術で説明。「気持ちに余裕があります(笑)。今日はいい日になりますよ?」と笑顔を見せた。和やかなMCに続き、3人が最初に披露した曲はTenTwentyの「柊」。小川と斎藤のツインボーカル、流麗なピアノの音色にオーディエンスはうっとりと耳を傾ける。曲が終わると斎藤は「曲に新しい息吹が入って。うれしいね」、須藤は「全然変わるよね?」と、小川とのセッションを大いに堪能した様子を見せた。
続いての曲は小川がsumikaに加入する前、地元・横浜で路上ライブを行っていた時代に披露していたというSUPER BUTTER DOGの「サヨナラCOLOR」。須藤のウッドベースが穏やかな低音を鳴らし、小川と斎藤の哀切な歌声をそっと支えた。感動的なパフォーマンスを経てのトークでは、斎藤がsumikaとの交流について触れるひと幕も。「ユニゾン(UNISON SQUARE GARDEN)で対バンを何度かしているし、ボーカルさんとは仲がよくて。半年に1回必ず会ってて……」と片岡健太(Vo, G)との親交を明かすと、小川はすかさず「いや俺、俺! いない人の話はいい!」とツッコんで笑いを誘った。和やかなコラボの最後に3人はsumikaの「願い」を披露。息の合ったアンサンブルでフロアを魅了した。
「耳がリッチで」コラボに喜ぶフォーリミGEN
再び2人きりに戻ったステージで、斎藤と須藤が演奏したのは「4:43 AM」「曙空をみつけて」「E△7」の3曲。「E△7」はボサノバ調のアレンジで届けられ、2人のスキルと遊び心がファンを唸らせるひとときとなった。ここで斎藤が「付き合いは長いけど音を合わせるのはまだ2回目」と紹介した2人目のゲスト、04 Limited SazabysのGENが登場。GENはステージ下手側から上手側へと素通りするという小川のボケをこすってみせ、斎藤や須藤、そしてフロアをさっそく笑わせた。斎藤から「GENくんのセットリストは合ってた?」と尋ねられたGENは「間違ってまして……小川さんと2人で『これどういうことだろう?』って言ってました」と苦笑い。そして「前回斎藤さんと大阪のライブでご一緒したときも最高でしたけど、今回はすってぃさんもいて耳がリッチで。僕も皆さんと一緒に堪能させてもらってます」と、2人とのコラボに期待を膨らませた。
3人がまず披露したコラボ曲は04 Limited Sazabysの「Re-monolith」。斎藤と須藤が鳴らす軽快なサウンドに乗せてGENは気持ちよさそうに透明感に満ちたボーカルを響かせ、斎藤も涼やかな歌声を重ねた。GENはこの日の会場でのリハーサルを振り返り「(2人が)サラッとアレンジを変えるんですよ。『音楽家ー!』と思った」とその手腕に舌を巻くが、須藤も「バイブスが輝いてる」とGENの歌声を絶賛する。GENが直前の小川のステージを「さっきのピン芸人の方がドッカンドッカンウケてて『うわ、このあとヤダなあ』と思って……(笑)」と評して笑いを誘う場面もありつつ、続いて3人が披露したのは松田聖子「赤いスイートピー」のカバー。斎藤いわく「邦ロック界では『声が高い』でおなじみ」の2人はオリジナルからわずか半音下げのキーで歌唱し、GENが「日本で一番いい曲じゃないですか?」と語る曲の魅力を届けた。
ステージにじっと耳を傾ける観客にGENは「みんなの集中力が高いからドキドキするな」と緊張した表情を見せ、次なる曲に「TenTwentyの曲は難しいんで、課題曲で先輩にしごかれてるみたい」と気合いを述べる。「僕が選ばせていただいた、今日の天気にぴったりな曲(笑)」と紹介したのはTenTwentyの「ハレ」。雨雲を吹き飛ばすように晴れやかなボーカルを届けたGENを見送り、斎藤は「うれしいね、TenTwentyの曲を歌ってくれるのは」と目を細めた。
観客と一体になって披露した新曲「夜を飲み干したら」
本編終盤にはテレビ東京 ドラマ25「晩酌の流儀5 ~夏編~」のオープニングテーマで、7月にリリースした最新曲「夜を飲み干したら」も披露。ここではルーパーで取り込んだオーディエンスのハンドクラップをリズムとして鳴らし、2人の演奏とともに心地よい一体感をもたらした。その同じリズムのまま続けて演奏されたのは「Border=Border」。まったく同じビートでガラリとムードを変えてみせた2人に、フロアからはどよめきが起こった。本編ラストナンバーの「ハンドレッド・グラビティ」では2人が立ち上がってのセッションを繰り広げ、場内に興奮をもたらす。鳴り止まないアンコールに応えて再びステージに現れた斎藤と須藤は、最後に先程のハンドクラップの音源に乗せて「シトラス」を演奏。アウトロで披露されたそれぞれの華麗なソロに、オーディエンスは惜しみない拍手を送った。
TenTwentyは10月20日の“TenTwentyの日”に東京・SGC HALL ARIAKEでワンマンライブ「Velvet Dinner」を開催。これに先駆け「MONSTER baSH 2026」「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2026」「TREASURE05X 2026 "LAND OF THE FREE -LAGUNA FINAL-"」「New Acoustic Camp 2026」といった夏フェスにも出演する。
セットリスト
TenTwenty「in the Rough 2」2026年8月16日 Yokohama Bay Hall
01. Stay Mellow
02. アカシ
03. Endless Summer
04. フラッシュバック
05. おもちゃの街
06. 柊 w / 小川貴之
07. サヨナラCOLOR(オリジナル:SUPER BUTTER DOG)w / 小川貴之
08. 願い(オリジナル:sumika)w / 小川貴之
09. 4:43 AM
10. 曙空をみつけて
11. E△7
12. Re-monolith(オリジナル:04 Limited Sazabys)w / GEN
13. 赤いスイートピー(オリジナル:松田聖子)w / GEN
14. ハレ w / GEN
15. 夜を飲み干したら
16. Border=Border
17. ハンドレッド・グラビティ
<アンコール>
18. シトラス


