Sundae May Clubの全国ツアー「なみなみならぬツアー」が本日9月5日に長崎・ホンダ楽器 アストロスペースで閉幕した。この記事では8月29日に行われた東京・渋谷CLUB QUATTRO公演の模様をレポートする。
Sundae May Clubは今年4月にメジャー1stフルアルバム「なみなみならぬ」をリリースし、バンダイナムコミュージックライブ内の音楽レーベル・MoooD Recordsよりメジャーデビューした。同作のリリースを記念して行った今回のツアーでは、自身最多となる全11公演を実施。新たなフィールドへ踏み出した彼らのステージは、ここからさらに広い世界へ飛び出していこうとする意思とむき出しの衝動をオーディエンスに感じさせた。
渋谷CLUB QUATTRO公演のチケットはソールドアウト。満員の観客の期待がフロアに充満するなか、浦小雪(G, Vo)、みやはら(G)、ヒロト(Dr)、サポートメンバーのとものしん(B)が姿を見せた。浦がギターを弾きながら歌い始めた1曲目は「月が出た!」。「今夜!わたし変わると思う」という決意のこもったフレーズとともにライブは始まった。
最初のブロックではアルバム「なみなみならぬ」の収録曲が3曲続けて披露された。ヒロトは笑顔でタイトなビートを刻んでバンド全体を前進させる。みやはらは豊かな表情とともに痛快なリードフレーズを弾き、浦は腹の底から芯のある歌声を響かせた。みずみずしい音に誘われて、フロアからは拳や手のひらが次々と上がり、曲が終わるたびに、メンバーを呼ぶ声があちこちから飛んだ。
MCに入ると、メンバーはフロアを見渡しながら「うわー、みっちみち! すごい!」「ソールドアウトです、ありがとうございます!」と笑う。浦は「私たち、4月に出した1stフルアルバムでメジャーデビューしました」とファンに改めて報告し、「おかげさまで音楽が本当に、本当に楽しくて。今が一番カッコいいと思うので、最後まで楽しんでいってください」と呼びかけた。これまでの浦は、MCになるとノートを開き、あらかじめ考えておいた言葉を観客に届けていた。しかしこの日はノートを持たずにステージへ。慎重に言葉を準備していた彼女が、この日は目の前の観客だけを見ながら、その場で浮かんだことを話した。
浦は「みんなのおかげでどんどんでっかい夢を持つことができてます。みんなにも、夢を見てほしいなって思う。バンドを始めた頃の『なんでもできるぞ』って気持ちを忘れずに、今後もやっていこうと思ってます」と語る。一方で、「普段生活してて、『何かが足りない!』って感じがずっとしてて。私はもっとカッコよくなれるのに、もっといろんな歌を歌えるのに、と思います。だけどライブをしている時は、ただただ歌うのが楽しくて、本当に幸せなんですよ。受け取ってくれて、ありがとうございます」と打ち明けた。
浦の言葉を裏付けるように、バンドの演奏は自由で伸びやか。ギターのささくれだった音色が印象的な「しとろんの週末」「PLAY!」といったナンバーでは、4人の音がぶつかり合うことで、猛々しいグルーヴが生まれた。みやはらの「せーの!」に続き、みんなで「ワンツースリー!」と声を合わせて、ドラマチックなミドルナンバー「夜を延ばして」が始まる。その余韻をヒロトのビートが受け取り、次の曲「フロム・ヘル」へつなげると、満ち足りない気持ちのまま叫ぶ浦のボーカル、バンドのアグレッシブなプレイに、フロアから大きな歓声が上がった。
「晴れるな」「やまない」「少年漫画」と、Sundae May Clubを代表する曲が続く。その後の「目黒シネマロマンス」では、少年キッズボウイのきもす(Trumpet)がステージに登場。レコーディングにも参加したきもすのトランペットが加わることで、バンドの音に軽やかさと温かさが生まれた。さらに「せっかくなのでもう1曲」と、続く「渦中ロック」もトランペット入りのアレンジで披露。互いを盟友と呼ぶ2組らしく、演奏は息ぴったりだ。曲が終わると、フロアから「最高!」と声が飛び、みやはらも「ずっといてほしいね」とうなずいた。クロマチックランから始まる王道サーフロック「また夏日」に「キッズ・イン・スコール」を重ね、ライブは終盤へ向かっていく。本編ラストは「だって眩しくて」。メンバーが向き合ってエネルギッシュなサウンドを炸裂させると、観客もたまらない様子で拳を掲げた。
アンコールでは新曲「爆音モノローグ」が初披露された。9月2日に配信リリースされたこの曲は、ダウ90000の単独ライブ「40000」の主題歌として制作されたものだ。かねてよりSundae May Clubに注目していたダウ90000の主宰者・蓮見翔の熱烈なオファーによって、今回のタイアップが実現したという。創作に向き合う人の情熱を歌ったこの曲は、今まさに新しい場所へ進もうとしているSundae May Clubの姿とも重なり、一際力強く響いた。演奏を終えた浦が「どうですか?」と尋ねると、観客は拍手と歓声を返した。
その後、浦が「長崎から東京に出てきて、こんなにたくさんの人に見てもらえると思ってなかった……とは言わないけど。やってやるぞって思ってたからね」と微笑みつつ、「いざみんなの顔を見ると、やってきてよかったなと思います」と、目の前の光景を噛みしめるように語った。そして、今では大好きになったというこの街の歌「東京」を披露。最後にメンバーは「春」でライブを締めくくった。
セットリスト
Sundae May Club「なみなみならぬツアー」2026年8月29日 渋谷CLUB QUATTRO
01. 月が出た!
02. ハッピーバースデイ
03. 幽霊まぼろし
04. しとろんの週末
05. PLAY!
06. Teenager
07. サボン・セシボン
08. ひとり・ゆくえ
09. 夜を延ばして
10. フロム・ヘル
11. 晴れるな
12. やまない
13. 少年漫画
14. 目黒シネマロマンス
15. 渦中ロック
16. また夏日
17. キッズ・イン・スコール
18. だって眩しくて
<アンコール>
19. 爆音モノローグ
20. 東京
21. 春


