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須田景凪3年ぶりアルバム携えたワンマンライブ、観客と“ : ERROR”を肯定し紡いだ絆

須田景凪(撮影:藤井拓)
7分前2026年09月22日 9:02

須田景凪のワンマンライブ「須田景凪 HALL LIVE 2026“LOVE HATE : ERROR”」が9月19日に東京・SGC HALL ARIAKEで開催された。今年9月に約3年ぶりのオリジナルアルバム「LOVE HATE」をリリースした須田。最新作のタイトルに“ : ERROR”を冠した今回のライブは、須田がアルバムでも表現した“自らの矛盾を認めることの美しさ”をオーディエンスに体感させる一夜となった。

矛盾を認め合っていきましょう

開演時刻を迎え、ステージ前を覆う幕にはカラフルなレーザー光線でライブのタイトルやロゴが目まぐるしく描かれる。観客を惹きつけたところで幕が振り落とされると、大きく両手を広げた須田の姿が現れた。大歓声を浴びた須田が最初に歌ったのはアルバムでも1曲目を飾った「BLACK」。厭世観に満ちた中のかすかな希望を表現したこの曲をオープニングに置くことで、須田がこれから展開しようとしている世界をオーディエンスに鮮やかに印象づける幕開けとなった。

「ミーム」「ユートピア」を疾走感たっぷりに披露したあとは、ダイナミックなベースラインがホールを揺らす「ポリアンナ」へ。レアな選曲に観客からは大歓声が起こり、須田もその期待に応えるようにシニカルで毒っ気のある歌声を軽やかに響かせた。MCで須田は鋼管を用いた工事現場のように無機質で武骨かつアシンメトリーなセットを見渡し「『LOVE HATE』というテーマを体現するためにこういうセットでやっていこうと」とその意図を説明。「愛と憎しみの2つが同時に存在することは皆さんもあると思います。今日という夜の中で、その矛盾を認め合っていきましょう」と観客に呼びかけた。

「レム」「悪夢」…アルバムの深淵へ導いた中盤

ピンクのライトが照らす中、伸びやかな歌声がホールを包んだ「エイプリル」のあとも「リベラ」「WOLF」と、アルバム「LOVE HATE」の楽曲を連投。曲ごとに異なる視点と音像で描かれた心の機微を、オーディエンスも体を揺らしながらじっくりと堪能した。須田は「アルバム聴いてくれましたか? 自分でも聴き直して、とても情報量が多いアルバムになったなと思いました」と新作の手応えを明かす。そして「すべての曲の根っこには“矛盾”というテーマがあります。僕自身も矛盾をたくさん抱えている人間で、今まではそれが不気味で嫌だったんですけど『いびつな部分があるからこそ自分という人間だ』と思うようになりました」と、そのテーマについて真摯に語った。

「前作からの3年間はいろいろなことがあって。ハッピーなこともしんどいこともあったけど、そういう時期があったからこそ書ける曲もあって、それが救いになりました。そういう曲をいくつかやらせてください」と話した須田は、青いピンスポットを浴びながら「おまじない」を歌い始める。ここからは「レム」「悪夢」と、アルバムの中でも特にダークで内省的な楽曲を続けて披露し、観客を深淵へ導いた。「悪夢」では線描で室内の風景を描いた無機質な映像に、徐々に色と光が乗せられていく。須田の壮大なボーカリゼーションとも相まって、オーディエンスに深い感動がもたらされた。

エラーを抱えたまま全員で進んで行けたら

圧倒された様子の観客に「なんだか暗い曲が続きましたね(笑)」と話しかけて和ませた須田は、アルバム制作期間中の音楽仲間とのほほえましいエピソードを楽しげに振り返る。飲み会でのちょっとした出来事をきっかけに「改めて無邪気さ、童心を大事にしなきゃと……今日みたいなライブぐらいは自由にさらけ出して楽しもうと思いました」と意識が変わったという須田。その言葉通り、ライブ後半戦では「ラブル」「ミラージュ」と、開放感に満ちたポジティブなナンバーを連投していった。

オーディエンスは「メロウ」では大合唱し「ユーエンミー」ではキレのあるハンドクラップを鳴らすなど、須田と息ぴったりの盛り上がりを繰り広げる。笑顔でステージを見つめるオーディエンスに、須田は「LOVE HATE : ERROR」という公演タイトルに込めた意味を「みんないろんな矛盾、それぞれのエラーを抱えていると思いますが、理想通りに生きている人は1人もいない。きれいじゃない部分こそがその人の美しさだと思います」と説明。「エラーを抱えたまま全員で、前に進んで行けたら」と希望に満ちた表情を見せた。

「今日ここにいるあなたに最大級の愛を込めて」という言葉で「ラストルック」が始まると客席から喜びの声が上がり、須田とバンドメンバーが繰り出すトリッキーなサウンドに身を任せて酔いしれた。最後に須田は「今日皆さんにもらったものをまた音楽でお返しします」と約束し、「メルシー」を披露。熱狂の一夜にいったんピリオドを打った。

「例え話」で再会を誓う

アンコールで「シャルル」を披露したのち、須田はこの日何度目かとなる「本当に幸せです」という言葉を放つ。そしてバンドメンバーを紹介したあと「お知らせを持ってきました!」とアナウンスしてファンを喜ばせた。ここで発表したのはライブ当日22:00に「メルシー」のミュージックビデオをYouTubeで公開すること、そして2027年4月29日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでワンマンライブ「須田景凪 HALL LIVE 2027“NULL”」を開催することの2つ。喜びに沸くオーディエンスに、須田は「“NULL”には『まだ何も定義されていない状態』という意味を込めました。あと半年後ぐらい、きっとあっという間で恐ろしいほどいろんな変化があると思うけど、その変化を持ち寄って肯定できる夜にしたいです」と呼びかけた。

最後に須田は「とにかく幸せでした。お互い生きていたらしんどいこともあるけど、来年『それもあったからよかったね』と言い合えるように」と再会を誓い、アルバムのラストナンバー「例え話」を歌う。ステージ上の須田と客席のファンは声と手拍子でつながりあい、この日互いが認め合った“矛盾”に改めて思いを馳せた。

ワンマンライブ「須田景凪 HALL LIVE 2027“NULL”」チケットは須田の公式アプリ「yawn」にて、9月30日23:59までプレミアム会員を対象とした先行予約を受付中。

セットリスト

「須田景凪 HALL LIVE 2026“LOVE HATE : ERROR”」2026年9月19日 SGC HALL ARIAKE

01. BLACK
02. ミーム
03. ユートピア
04. ポリアンナ
05. エイプリル
06. リベラ
07. WOLF
08. 綺麗事
09. おまじない
10. レム
11. 悪夢
12. ラブル
13. ミラージュ
14. ニーナ
15. メロウ
16. ユーエンミー
17. ダーリン
18. ラストルック
19. メルシー
<アンコール>
20. シャルル
21. 例え話

須田景凪 HALL LIVE 2027“NULL”

2027年4月29日(木・祝)神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール

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