TENDOUJIが2027年2月19日に東京・日本武道館で行うワンマンライブ「EASYPUNK」に向け始動した連載企画「TENDOUJIの教えて! 武道館ニキ!!」。この企画ではアサノケンジ(Vo, G)の旧友・井口理(King Gnu)が登場した初回を皮切りに、アサノとモリタナオヒコ(Vo, G)が初武道館を捧げた青春のアーティスト19の岡平健治(けんじ)、武道館公演通算111回を誇るレジェンド・藤井フミヤとそうそうたる面々とTENDOUJIメンバーが対談を行ってきた。
4人目の武道館の先輩、略して“武道館ニキ”は、モリタが最も影響を受けたアーティスト・銀杏BOYZの峯田和伸。この対談のためにモリタは峯田が暮らす浅草を訪れた。峯田から次々と飛び出すファン垂涎のエピソードにモリタは静かに興奮しながらグイグイ距離を詰めるも、峯田はなかなかつれない。そんなところにまで愛おしさを感じているモリタに峯田は「サッカーの話をしていいですか?」と2人の共通項である最高のパスを出した。ここから広がった日本代表のサッカーと日本のロックの共通点、モリタが峯田の音楽に感じる魅力、そして峯田からモリタに向けた武道館公演への愛ある(?)エールの詰まった約1万字の対談を楽しんでほしい。
文 / 清本千尋 撮影 / 信岡麻美
モリタナオヒコから峯田和伸センパイへの手紙
やっぱり俺にとっての一番は峯田さん
モリタナオヒコ(TENDOUJI) 僕がやっているTENDOUJIというバンドが来年2月に日本武道館でライブをやるんです。それに向けて武道館でライブをやったことがある尊敬する人に話を聞くという連載をやらせてもらってて、峯田さんにお声かけさせていただきました。
峯田和伸(銀杏BOYZ) 手紙、ありがとうございました。うれしかったですよ。武道館をやるのはこれが最初ですか?
モリタ もちろん今回が初めてです。峯田さんは2回やっていますよね。
峯田 武道館は音がいい感じですよ。僕、視力が悪いんですね。だから武道館に立ったとき、客席の雰囲気もよくわからず、あとで映像を観て「こんなところでやってたんだ」みたいな感じでした。
モリタ そうでしたか。じゃあ気付いたら終わっているくらいの。俺、GOING STEADY時代からのファンで、すごく昔から峯田さんのライブを観に行かせてもらってて。バンドを始めてからは影響受けすぎちゃうなと思ってあまり観ないようにしたんです。でも今回連載にご出演いただけることになって、この前ひさびさにLIQUIDROOMにライブを観に行かせてもらったんですよ(参照:2026年5月に行われた「銀杏BOYZ ツアー2026 夢で逢えないから☆」初日公演)。言葉にするのが難しいんですけど、やっぱり俺にとっての一番は峯田さんだなと改めて思いました。
峯田 初日でしたよね。僕らゲネプロってあんまりやらないんですよ。だいたいのブロックごとに練習はしますけど、最初から最後まで通すリハはやらなくて、ツアー初日を終えてやっと「こういう流れか」とわかる。初日の公演さえ終わればだいぶ楽になるんですけどね。今回のツアーもどんどんよくなってるというか。最終日が大阪だったんですけど、その前の名古屋でやっと自分がやりたかったものができた感じがありました。あ、タバコ吸っていいですか?
モリタ もちろんです。
峯田 (タバコに火を点ける)で、武道館やるんですよね。普段とは違うライブになると思いますけど、どんな内容にするかもう考えているんですか?
モリタ いや正直あまり考えられてなくて。TENDOUJIがライブをするのは基本ライブハウスで、席ありのライブをやったことがないんですよ。だからどんな感じなんだろうって。
峯田 僕もスタンディングのほうが慣れてるんで、座席があるライブでお客さんが座っちゃってると「盛り上がってるのかな?」と心配になりますよ。一応手拍子とかしてくれてるけど、やっぱり目の前でぐちゃぐちゃになってうわー!みたいな、普段のライブのほうが楽しんでるってわかる。距離もある分、大丈夫かな?と思いますよね。一番いいのはあれですよ。お客さんからは見えるけど自分たちからは見えないようにマジックミラーを挟むの。見られてるっていう意識がないほうが一番いい。
モリタ なんか峯田さんがそういうふうに思っているのは意外でした。
峯田 そりゃ盛り上がりは気になりますよ。銀杏で席付きのライブを初めてやったのがレコ発の渋谷公会堂なんですけど(2005年1月23日開催の「不登校生徒集会 イン 渋谷公会堂」)。
モリタ 俺、そのライブ行きましたよ。
峯田 そうでしたか。ありがとうございます。なんか客席に突っ込んでいっちゃいけないみたいな雰囲気あるじゃないですか。当たり前なんですけど、すごくストレスを感じたことを覚えています。それから中野サンプラザとかで席付きのライブをやるようになって、スタンディングのライブみたいに盛り上がってはいないけど、これはこれでみんな楽しんでいるんだと気付いたんですよね。大きい音でバーンとロックをやってるうちらにとって、あれは温度差を感じるかもしれないですけど、盛り上がってないとかは思わなくていいかもしれない。
バンドを始めたのはワタナベくんがギターをくれたから
峯田 俺が最初にTENDOUJIの名前を聞いたのは3年前。当時付き合ってた彼女から教えてもらったんですよ。まあ、別れましたけどね。
モリタ マジすか。そういう話めっちゃ聞きたいっすわ(笑)。
峯田 まあまあ(笑)。ちなみに今おいくつなんですか?
モリタ 今年40歳です。
峯田 へえ。若く見えますね。バンドは結成してからどれくらいなんですか?
モリタ 28のときに組んだので10年くらいですね。始めたのが遅かったんです。
峯田 それまでも音楽はやっていたんですか?
モリタ いや、このバンドを組むとなって楽器を始めたんです。めっちゃ聴いてはいたんですけどね。
峯田 なんでそんないきなり。
モリタ バンドをやってみたかったんです。峯田さんがブログに今日のおやすみBGM(最近聴いている曲)を載せてくれていたじゃないですか。あれを全部聴いていたらけっこう音楽に詳しくなったんです。気付いた頃には周りに同じような音楽を聴いている人がいなくなって、自分だけが音楽をずっと聴いてるみたいな感じになった。ゴイステも銀杏BOYZもライブによく行かせてもらってたんですけど、峯田さんみたいなすごい人がやってるようなものを自分がやるのはやめとこうと思って、28歳くらいまでは普通に働いてたんです。レコード会社で働いていたこともあったんですけど、やっぱり1回くらいはバンドをやってみたいなと思って、仕事をやめてバンドを始めました。だから歌詞やメロディを書いたのはTENDOUJIが初めてです。
峯田 ふうん。じゃあもう本当に音楽が好きで、音楽に関わる仕事もしてたんだけど、このままじゃダメだってなってバンドを組んだんだ。何かそうなるきっかけがあったんですか?
モリタ その頃、バンド好きな彼女と付き合ってたんですけど、バンドマンに取られたみたいなことがあって、それでめちゃくちゃへこんだんですよね。
峯田 えー、バンドマンがファンに手を出したってこと?
モリタ まあ……(笑)。
峯田 そのバンドマンは最悪ですね。うわあ。でもそうなったらもう自分がバンドをやって、世界を見返すぞってなりますね。僕もバンドを始めたきっかけは、彼女がどうこうじゃないけど、世界を見返すぞっていう思いがあったからなんです。10代の頃になんでもいいからとにかく自分で何かをやってやりたかった。お笑いをやるでも、映画を撮るでも、なんでもよかったんですよね。楽器が手元にあったんで、これでバンドをやってなんかちょっと自分が変われたらと思って始めたのが音楽でした。
モリタ 家にギターがあったんですか?
峯田 いや、地元の山形から大学進学で東京に来たんですけど、一人暮らしの部屋に荷物を全部送って、お母さんが山形駅まで車を出してくれるって言うから乗って、実家の玄関を見ながら「もうしばらく帰ってこねえぞ」って考えてたんです。そしたら向かいに住んでる僕の1個下のワタナベくんが車の窓ガラスをコンコンって叩いてきて。「もうしばらく会えないと思うけど、バイバイ」って俺から声をかけたら「これよかったら差し上げます」って裸のままのアコギをくれたの。それを持って山形駅から新幹線に乗ったから恥ずかしかったですよ。弦が4本くらいしかなかったんですけど、このギターで曲を作ってみようと、見よう見まねでコードを弾いて、作曲するようになって。なんであのときワタナベくんがいきなりギターをくれたのかわかんないんですよね。
モリタ 「音楽好きな子がいる」ってその地域で有名だったとかではないんですか?
峯田 僕の弟とワタナベくんがスケーター仲間で仲よかったんです。もしかしたら弟が「うちの兄貴が音楽好きなんだよね」なんて話していたのかもしれない。そのギターをもらうことがなかったら、今は違うことをやってたかもしれないね。
モリタ すごいっすね。初期の曲は全部そのギターで作ってたんだ。初めてその話聞きました。
峯田 広末涼子が大好きで、「ヤングジャンプ」のグラビアを切り取ってそのギターのボディにのりで貼ってました。俺は広末涼子と作曲してるんだって思いながら。
モリタ ギターに杏さゆりさんの写真も貼ってましたよね? ギターにグラビアを貼るのは、誰かと一緒に共作するためにやってるんですか?
峯田 わかんない。パフォーマンスですよ(笑)。銀杏BOYZの1stアルバムに入っている「夢で逢えたら」という曲の歌入れのとき、僕は杏さゆりが表紙になっている「BOMB」を並べて魔法陣を作ってそこで歌ってました。今考えたらどうかしてましたね。リバーブで飛ばしてますけど、間奏で「さゆりちゃーん」って言ってますし。あれは僕の中では杏さゆりとの共作です。
モリタ あのめっちゃリバーブかかってるところですよね。あのアルバムは何度も聴きましたけど、音がすごくデカいじゃないですか。あれってわざとデカくしたんですか?
峯田 それよく言われるけど、そんなつもりはなくて。音をデカくするとその分、音が潰れるじゃないですか。だから普通は音をよく聴かせるためにそこまで音量を上げないですよね。当時の僕は音をよく聴かせることより、再生ボタンを押した瞬間にドン!という感じにしたいという思いがあったので、もしかしたらマスタリングのときにエンジニアにデカくしてほしいと言ったかもしれない。今はあんまり音が潰れないほうがいいなと思ってますけどね。
日本のサッカーのように世界に認められる音楽を作りたい
モリタ 俺、音楽からは匂いも感じられると思っていて。特に峯田さんの曲は匂いも色もめっちゃ鮮明に感じます。峯田さんのラジオもよく聴くんですけど、少し前にFM山形で登坂(尚高)さんとHi,how are you?の原田(晃行)さんとしていた話(2023年4月放送のFM山形「登坂、番組を買う。」)がめっちゃ面白かったです。峯田さんがサンフランシスコに行った話をしていて、「空港に着いて街に降りた瞬間にガムの匂いがした」と言ってたんですよ。そこからJellyfish(1990年代に活躍したサンフランシスコのバンド)の話題になっていくのを聴きながら、俺の中でもJellyfishってピンクのガムみたいな、そんなイメージがあったので、それを言葉にできちゃう峯田さんは本当にすげえなと思ったんです。
峯田 空港から一歩外に出たらもう本当にぶわってガムの匂いがしたんですよ。「あ、Jellyfishってこの土地から出る音楽なんだ」とすぐにわかりましたね。きっと海外の人が日本に来たときに風の感じとか湿度で「ここが東京なんだ」「世界の最果てまで来たぞ」と感じる感覚ってあると思うんですよね。東京に住んでいる僕らには味わうことができない感覚。そこから素直に出る東京の音楽はあると思うし、それはきっとロンドンからは出てこないもの。だからきっと僕らの東京の音っていうのはたぶんあるはずなんですよ。それはもうNirvanaがカッコいいからNirvanaの音を研究してレコーディングして作るようなものではなくて、“東京の音”というものがあると思う。それを裸のまま、出せたらいいなというのはずっと思ってますね。
モリタ すげえ……俺らの世代は海外のフェスに呼ばれることもあったりして、けっこう海外でライブをするのも難しくないみたいな状況になっていて。でもそうなったことで、アメリカっぽいものやUKっぽいサウンドを作る……要は日本っぽくないものを作るバンドも増えた。それのほうが海外で通じると思ってたんです。だけど、海外に行って思ったのは、海外の音楽に寄せるよりも、東京っぽいほうがいいなって。まねごとじゃなくて、自分たちが住んでいる街の音が鳴ってないと誰も見向きをしてくれないんだなと、アメリカにツアーしに行ったときにすごく感じた。銀杏BOYZが去年アメリカツアーに行ったじゃないですか。その映像を観たときにショックを受けたんです。東京の音楽をそのまま鳴らしている銀杏BOYZに対してお客さんの熱狂がすごくて。あの熱狂をアメリカで起こすのは本当にすごいし、アメリカであれができる日本人は銀杏BOYZしかいないんじゃないかなって。あのツアーってどうだったんですか?
峯田 いやいやいや。日本人がやる日本のロックってなんなんでしょうね。日本語で歌うから日本のロックというわけでもないでしょうし。あ、サッカーの話をしていいですか? サッカーお好きですよね?
モリタ 大好きですよ。
峯田 ワールドカップで、今回はブラジルとの試合は惜しかったですけど、僕は日本が優勝できたと思ってるんですよ。
モリタ ブラジル戦終わったときの「あれ勝てたけどな」みたいなのありましたよね。
峯田 本当に! 南野(拓実)、三笘(薫)、遠藤航、久保(建英)くんが出てない日本なんて、ジョン・レノンとジョージ・ハリスンがいないビートルズですよ。全然ダメ! あんなビートルズでローリングストーンズと対バンしようとしてるんだもん。勝てるわけないよ。ベストメンバーだったら絶対行けたよ。メンバーの怪我とかあって、今回はダメでしたけど。2006年にオシムさんが日本代表の監督になって日本人がやるべきサッカーはこれだって植え付けた“走るサッカー”がようやく実を結んで……オシムさんはきっと「これが私が目指していた日本のサッカーだ」って天国で泣いてますよ。
モリタ オシム監督のときの日本のメンバーは独特でしたもんね。あのときの日本、強かったし。
峯田 そう。全員守備して、攻撃のときは全員で攻撃をする“走るフットボール”。まさにヨハン・クライフが1974年の西ドイツ大会でオランダ代表でやっていたこと、東アジア版のトータルフットボールを日本代表がようやくね! イギリスで生まれたサッカーという競技が世界大会まで発展して、120年の歴史があって、その中で日本にもサッカーが伝わって、日本人ががんばってワールドカップにも出られるようになった。“世界に通じる日本のサッカー”みたいな言葉があるじゃないですか。そういうものをやっと作り出して、スペインやドイツを相手に勝ったりして、だんだん日本人によるサッカーがワールドカップでも通用するようになってきた。ロックも同じで、アメリカやイギリスにカッコいい音楽がいっぱいあって、それが日本にも伝わってきて、最初は見よう見まねで始まったものがだんだん日本のロックみたいなものとして確立されてきたんじゃないかなと思うんです。誰がどう見てもカッコいいだろうみたいな、そういう音楽は作ってみたいですね。サッカーはそれができてますから。
モリタ めっちゃいい話ですね。
峯田 体格も大きくない日本人チームがあんなにデカい体の海外のチームに勝ったりして。ドイツにもスペインにもできない、日本人の体格に合ったボール回しとか足さばきがあるんですよね。だんだんそれがサッカーでできるようになってきたんだから、ロックにもそれができると思う。
モリタ 峯田さんがその話をするのがめっちゃすげえ。峯田さん、ワールドカップは現地に観に行くんですか?
峯田 今年、実はツアーの合間を縫って日本対オランダの初戦を観に行く予定だったんですよ。今年に入ってチケット代が3倍になって断念しました。
モリタ チケット代えぐかったですよね。俺も次は行きたいなと思ってます。
峯田 4年後のスペイン、モロッコ、ポルトガルはお金貯めて一緒に行きましょうよ。1週間くらい。
モリタ ぜひ!
僕は行かないんで、皆さん観に行ってください
モリタ まだまだサッカーの話をしたいところなんですけど、また武道館の話をしてもいいですか? チケットが全然売れなくて大変なんですよ。
峯田 でも来年の2月でしょう? これから売れるよ。それに武道館をやる人って席が空いてても、完売って出すじゃないですか。でもたまにはガラガラの武道館ライブをやるバンドがいてもいいんですよ。なんならそっちのほうが面白い。武道館ライブの写真も客席ががらんと空いてるやつを見せたらいい。
モリタ えー? 俺らっすか? それ(笑)。
峯田 それがTENDOUJIというバンドの歴史の1ページ目ですよ。ガラガラの武道館ライブをやって恥ずかしい思いをしてそこから始まっていくんですから。ビートルズがドイツで修行時代に誰も聴いてくれなかったみたいな。そういうところから始まるんです。
モリタ でも親とかも来るじゃないですか。
峯田 親戚だけでやればいいんですよ。贅沢な使い方して。
モリタ いやいや。めっちゃお金かかるじゃないですか(笑)。ちょっと峯田さんマジで観に来てくださいよ。
峯田 行かないですよ(笑)。
モリタ ちょっと待ってくださいよ!(笑)
峯田 たぶん予定入ってます。2月ですよね。ちょうど2月忙しくて空いてないかな。行かない……行けないかな。
モリタ 昔、柏のライブハウスでGOING STEADYを最前で観てたんですよ。峯田さんが俺の坊主頭をつかみながら歌ってくれて、「俺、選ばれた!」と思ったんです。ライブが終わって、峯田さんからサインをもらいたかったんですけど、お客さんに囲まれててもらえず、じゃあマネージャーの江口さんにもらうかと思ったんですけど、江口さんからももらえず……。やっぱりそんなお二人には武道館、観に来てほしいんですよね。
峯田 2月は空いてないと思う。申し訳ないなあ。でも楽しみですね。武道館でやるのは。自分が好きなバンドが武道館でやるとなったらお客さんは喜びますよ。
モリタ 今1500枚しか売れてないんですよ(取材は2026年8月上旬)。
峯田 1500人もいたら十分ですよ。武道館ってフルキャパで何人くらいですか?
モリタ 峯田さんの武道館は8000とか1万とか入ってたんじゃないですか?
峯田 あ、じゃあ1500ってすげえ少ないね。ガラガラだ! 俺はパンパンだったよ。
モリタ もっと早い段階で気付いてくださいよ(笑)。俺、The ピーズの武道館も行って。
峯田 うんうん。パンパンだった。コレクターズもフラカンも。
モリタ 銀杏BOYZももちろんパンパンでしたよ。俺もこうなりたいなと思ったんです。
峯田 いや、無理だろお。現時点で1500はないわ。声を大にして伝えたいね。
モリタ あきらめないでくださいよ(笑)。がんばってるんですから。峯田さんから「みんなTENDOUJIのライブに一緒に行こう」って言ってほしいですよ。
峯田 僕は行かないんで、皆さん観に行ってください。絶対僕は行かないと思うんで。2月はちょっと無理で。
モリタ いや来てくださいよ。いい席用意しておくんで。
峯田 体調が悪いと思う!
モリタ いやいや(笑)。
最後に連絡先教えてもらえませんか?
モリタ ちょっと真面目な話で、俺、日本で一番峯田さんのこと好きだと思うんですけど……たぶんそういう人いっぱいいると思いますけど。TENDOUJIで峯田さんの曲を1曲カバーさせてもらいたいなと思っていて。UK.PROJECTの遠藤(幸一)さんに一度いいよとは言われているんですけど、そのときの遠藤さん、ベロベロだったので、峯田さんに許可を取ってからもう一度遠藤さんにお話ししに行こうと思っていて。
峯田 いいですよ。お願いします。うれしいです。どの曲をやるんですか?
モリタ 僕、最初に聴いた峯田さんの曲が「もしも君が泣くならば」なんです。あの曲が言葉とか一番印象に残っていて、カバーできたらって。
峯田 うれしいです。そういうの。高円寺の佳代ちゃんの家で作ったなあ。1カ月に11本ライブが入っている月があって、付き合っている彼女の家に転がり込んでいて、彼女がストラトキャスターを持っていて、それで練習してできた曲です。
モリタ すげえ……。この前のライブでも「佳代」やってましたよね。
峯田 ちょっと前にDJイベントに呼ばれて、そこで僕もDJやったんですけど、ほかに出ていた人が「さくらの唄」のレコードを持ってきて、「佳代」をダブっぽく処理して流してて。「聴いたことあるけどなんだっけ?」と思ったら「佳代」で。カッコいいなと思ってひさしぶりにやったんです。
モリタ あの頃の曲も聴けてめっちゃうれしかったです。
峯田 バンドマンと普段遊びます?
モリタ あんまりないですね。
峯田 お酒は?
モリタ あんまり飲まないですね。お酒飲むとケンカになっちゃうんですよ。峯田さんは飲まないですよね?
峯田 うん。打ち上げもあんまり出ないでラーメン食って帰っちゃう。ライブのあとは怪談バーに行くのがクールダウンできてちょうどいいんですよ。怪談を浴びて家に帰るとぐっすり眠れる。EXILEの人たちがライブ終わりに氷風呂入るじゃないですか。僕はそれが怪談。
モリタ 峯田さんがハマってるって聞いて、怪談バーも行きましたよ。めっちゃ怖かったです。あと俺「ストリート・キングダム」を観たんです。あの映画めっちゃよかったです。手紙にも書いたんですけど、「アイデン&ティティ」のエキストラに高1のときに行って。RCサクセションの曲って「トランジスタラジオ」くらいしか知らなかったんですけど、「気持ちE」の演奏シーンだったので、そこでキヨシロー(忌野清志郎)さんにこんな曲もあるんだと知って、そこから好きになりました。
峯田 俺もそうですよ。もともと有名な曲しか知らなかったので。あの人こそ海外にはない日本のロックですよね。世界に誇れるというか。
モリタ 峯田さんがラジオでRCの1stの7inchを手に入れたって話してたじゃないですか。
峯田 あれね。今まで欲しいレコードがあってもけっこう高くて、「これは買えないな」とあきらめたものがたくさんあったんです。でもRCの1st、「宝くじは買わない」はずっと探していたんですよね。真心ブラザーズのYO-KINGもそれは持ってないと言っていて。そんな話をYO-KINGとしていた次の日にネットオークションで見つけてゲットしたの。
モリタ いくらだったんですか?
峯田 25万。
モリタ ええ!?
峯田 買ってすぐYO-KINGに連絡して。サブスクの時代に2曲入りで25万。バカだよね。でも当時300枚くらいしか生産されてなかったみたいで、ここで逃したらどうしようって。これまでに買ったレコードの中で一番高いです。
モリタ 最近のレコードの値上がり方は異常ですよね。新譜でも高くて、手が出ない。学生の頃はユニオンとかで安いのを買ってましたけど。あとYO-KINGさんのことは呼び捨てなんですね。
峯田 本人の前では倉持さんって言ってますよ。でもキヨシローもヒロトも「さん」は付けないですよね。彼らのようになりたいというのはあるけれど、自分はああいう人にはなれないと、とっくにどこかで線引きはしていて。でも自分もそういう存在になれたらいいなとは思ってます。
モリタ 俺からすると、峯田さんって、キヨシローさんや甲本ヒロトさんに並ぶ存在なんですよ。俺含め、ファンは峯田さんのこと呼び捨てにしてますし。
峯田 その目線がいいんですよ。ファンと一緒というか。
モリタ 俺らからすると峯田さんはずっとそうでしたけどね。あ、あと俺のことは呼び捨てにしてくださいね。パシリにしてください。
峯田 ふふ(笑)。“モリタさん”。
モリタ めっちゃ距離取るじゃないですか(笑)。空気階段の(鈴木)もぐらさんとか呼び捨てしてるじゃないですか。あれ、めっちゃうらやましいですよ。
峯田 あれは本当に不届き者だから(笑)。でも昔から俺のライブを観てくれた人がバンドなり芸人なり、それぞれがんばっているというのはすごく自分の刺激になりますね。うれしいし、俺もやんなきゃみたいな気持ちになります。
モリタ 武道館がんばりたいですね。パンパンにできたらなと思ってます。俺、今日峯田さんにプレゼントがあるんですよ。
峯田 (プレゼントを袋から出して)あ、パトリックだ! めっちゃいいですね。
モリタ ミシェル・プラティニのサッカーユニフォームの復刻版です。
峯田 カッコいい。うれしい。ライブで着れますね。俺なんもないなあ。……めぐりズムありました。あげます。よくホテルで使ってますよ。
モリタ めぐりズムかあ……峯田さんFM山形で原田さんにレコードあげてたじゃないですか。僕にもそういうのあるかなと思ったんですけど……(笑)。じゃあ最後に連絡先教えてもらえませんか?
峯田 いいですよ。LINEやってないので番号でいいっすか?
モリタ もちろんです。改めて、モリタナオヒコって言います。ナオって呼んでください。
峯田 ……じゃあ今度ね、ごはんでも行きましょう。
モリタ もう! なんで名前を呼んでくれないんですか(笑)。
峯田和伸(ミネタカズノブ)
1977年12月10日生まれ、山形県出身。1996年にロックバンドGOING STEADYを結成し、CDデビュー。2003年1月、GOING STEADYを解散後に峯田和伸(Vo, G)が、ソロ名義で銀杏BOYZを始動させる。のちにGOING STEADYの安孫子真哉(B)、村井守(Dr)と、新メンバーのチン中村(G)を加え、2003年5月から本格的にバンドとしての活動を開始。2005年1月にアルバム「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」「DOOR」を2枚同時にリリースした。銀杏BOYZの活動と並行し、2003年公開の主演作「アイデン&ティティ」で銀幕デビュー。以降も「少年メリケンサック」や「ピース オブ ケイク」などの映画や、「奇跡の人」「高嶺の花」、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」といったドラマに出演。2026年3月には若葉竜也とのダブル主演映画「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」が公開された。10月より森田剛、鈴木杏とともに舞台「僕らの時代じゃない」に出演している。
TENDOUJI “日本武道館”単独公演「EASYPUNK」
2027年2月19日(金)東京都 日本武道館
OPEN 18:00 / START 19:00
TENDOUJI(テンドウジ)
中学時代の同級生だったモリタナオヒコ(Vo, G)、アサノケンジ(Vo, G)、ヨシダタカマサ(B)、オオイナオユキ(Dr)が2014年に結成したロックバンド。2017年8月に1stフルアルバム「MAD CITY」をリリースし、翌2018年にはアメリカ・テキサス州オースティンで行われている世界最大規模のフェス「SXSW」に出演。2019年にはTeenage Fanclubの来日公演のサポートアクトを務め、「FUJI ROCK FESTIVAL」「VIVA LA ROCK」など、多数の国内フェスにてパフォーマンスを繰り広げた。2025年12月には初のアジアツアーを開催。2026年5月から9月にかけて対バンツアー「EASY PUNK PARK」を実施し、9月末にアルバム「EASYPUNK」を発表した。2027年2月19日に初の東京・日本武道館単独公演「EASYPUNK」を開催する。
オオイナオユキの予習ニキ!!
TENDOUJIのハッピーで踊れるダンスナンバー「HEARTBEAT」!
MVは架空のモンスター向け音楽番組に出演してるっていう、ポップな世界観だから絶対に観てほしい!
ドラムの四つ打ちビートと弾けるメロディで武道館のデカいフロアで踊ろう!
胸の鼓動(HEARTBEAT)を爆発させて、武道館を最高のダンスフロアにしようね!


