インディーズレーベル・small indies tableによるレーベルツアー「small indies table tour 2018」のファイナル公演が9月28日に東京・LIQUIDROOMで開催された。
レーベルメイトであるKOTORIとFOMAREが全国7カ所を回ったこのツアー。オープニングアクトとして全公演に出演した街人は「ホップとロックとわたし」でファイナル公演の幕を切るとがむしゃらに歌を届け、オーディエンスの目を釘付けにした。奥智裕(Vo, G)はレーベル所属前の1年前にsmall indies table主催ライブイベント「ONE COIN JOURNEY」の映像を地元で観ていたことを振り返り、「俺もいつかたくさん人がいる前でできたらいいなと思って、そのときはずっと憧れの目でパソコンの画面を見てました。まさか俺たちがsmall indies tableに入るとは思ってなかった」とステージに立てたことを喜んだ。彼は「俺たちは地道に一歩一歩しかいけないので、その一歩一歩を重ねていくところをこれから皆さんに見てもらえたらなと思います」と観客に伝え、「コニカ」で等身大の言葉を届ける。全5曲を熱演した街人は、強いインパクトを残してステージをあとにした。
転換中にステージを覆っていた黒幕が上がり、姿を現したのはsmall indies tableに所属し、KOTORIとFOMAREの先輩にあたるyonige。サプライズにどよめくオーディエンスを前に、彼女たちは言葉を発することなく「リボルバー」を演奏し始めた。観客は驚きながらも、2人が演奏をスタートさせると一斉に腕を高く上げる。「our time city」を歌い上げた牛丸ありさ(Vo, G)は大歓声を受けて「yonige、5年間やってきたけど、今一番人気みたいやわ」と場内を見渡し、ごっきん(B, Cho)は「どーも、small indies tableの稼ぎ頭です」と観客を笑わせた。2人はツアー全カ所のチケットをソールドアウトさせたKOTORIとFOMAREをたたえたあと、先日ミュージックビデオが公開されたばかりの新曲「どうでもよくなる」をゆったりと披露。オーディエンスは心地よさそうに体を揺らし、バンドの世界観に浸っていた。「センチメンタルシスター」「アボカド」といった人気ナンバーを惜しむことなく続け、彼女たちは「街人レーベル入りおめでとうございます!」と新たな仲間のレーベル加入を祝う。最後には「最愛の恋人たち」をエモーショナルに届け、残響音の中で颯爽とステージを去って行った。
yonigeからバトンを受け継いだFOMAREは、勢いよくステージに飛び出す。ベースを高く掲げて見せたアマダシンスケ(B, Vo)は「今日で最後だぜ!」と叫び、「君と夜明け」でライブを開始。3人は前のめりな演奏でフロアに大きな高揚感を生み出していく。彼らは拳を突き上げるオーディエンスを「やれんだろ!」とさらに煽り、「風」でみずみずしいサウンドを場内いっぱいに響かせた。本ツアーでライブ会場限定スプリットシングル「Youth」をリリースしたFOMAREとKOTORI。アマダの「KOTORIが俺たちの曲をカバーしてくれて、俺たちは(KOTORIの)『トーキョーナイトダイブ』をカバーしました。お互い気持ちが入っていて、自分らの曲だって思うくらい愛しています」というMCを経て、バンドは「トーキョーナイトダイブ」を演奏。3人は力強いストレートなバンドサウンドで楽曲の新たな魅力を引き出し、観客から大きな拍手を浴びた。
アマダが大きく息を吸い込み、歌い始めたのは「stay with me」。彼は大盛り上がりの中「small indies table最高だぜ!」とテンション高く叫び、「俺たちをこんなハンパないステージに立たせてくれてありがとうございます! すごくいいツアーでした。この4組がそろうこともなかなかないと思うので、悔いのない日にしたいです」と述べた。その後も彼らは「夢から覚めても」「かわらないもの」、そして高校時代に作ったというナンバー「新しい歌」を弾けるような笑顔で演奏する。温かなメッセージのこもったナンバー「HOME」を経て、ラストナンバー「Lani」でアマダはベースを手離し、マイクをスタンドからつかみ取るとフロアに勢いよくダイブ。「1000人の声聞かせてくれ! 歌え!」とフロアでオーディエンスの大合唱を直に浴び、晴々しい表情でステージを終えた。
この日トリを務めたKOTORIは、横山優也(G, Vo)の「ついにここまで来ました! この4人とこのレーベルと、ここにいる人……すべてを背負って歌います!」という力強い宣言と共に「EVERGREEN」を放ち、1曲目からフロアにシンガロングを巻き起こした。4人が生き生きと「Blue」「1995」を届けたあと、メロディアスなギターアルペジオでスタートしたのは先ほどFOMAREがカバーしたばかりの「トーキョーナイトダイブ」。続けてFOMAREのナンバー「風」を緩急を付けた大胆なアレンジでカバーすると、ドラマティックに展開される演奏にオーディエンスは息を呑んで聴き入っていた。
横山は「このツアー、最初は周りから見て馴れ合いみたいに思われるのがちょっとこわかった」と明かすも、「でも全然そんなことなくて。めっちゃ仲いいけど、目ギラギラみたいな」とうれしそうに話した。彼はアマダ同様に「すごくいいツアーでした」と晴れやかに述べ、「純粋に音楽を楽しんでいってください。本当のエモいを教えてあげます」という頼もしい宣言と共にそっと「RED」を歌い始める。次第に迫力のあるサウンドを奏でて観客を圧倒したKOTORIは、「高鳴る胸に金を鳴らせ」「ジャズマスター」を力を込めて連投した。叫ぶように熱く歌った「素晴らしい世界」を経て、横山は「俺たちならたぶん、世界変えられると思う。みんなが飛んだらすごいことになるんじゃないかな!」とオーディエンスを煽り、ラストナンバー「kaze」でフロアに飛び込む。ステージに戻ったあとも力を出し切るかのように熱演を繰り広げ、彼らはライブ本編を締めくくった。
アンコールでKOTORIが「4号線」を届けたあとは、彼らとFOMAREによるコラボステージへ。ステージに登場するなり「KOTORIのライブ観てボロ泣きしてた。超カッコよかったです!」と感極まった様子のアマダは、4年前にKOTORIと埼玉・越谷のライブイベントで出会った思い出を振り返り、「そのときお客さん5人とかだったのに今日は1000人。最高です!」と声を弾ませた。そして2組はスプリットシングルに収録されているコラボナンバー「Youth」を披露。ツインドラムによる息の合ったビートに乗せて、横山はギターを鳴らしながら、アマダはハンドマイクで楽しげに歌を届けていった。楽曲後半には先輩のyonigeもステージへ。どうしていいかわからない様子の彼女たちはステージに小さく座り込み、KOTORIとFOMAREの演奏を温かい眼差しで見守った。演奏を終え、アマダは「small indies table最高!」ともう一度力いっぱい叫ぶ。その言葉に応えるオーディエンスの大歓声に包まれながら、4組の仲間が出そろったこの日のライブは終了した。
なおFOMAREは12月5日にニューシングル「スノウドロップ」をリリースする。KOTORIも新作ミニアルバム(タイトル未定)を同日にリリースし、2019年1月よりライブツアー「KOTORI DREAM MATCH 2019」を開催。ツアーファイナルとして2月1日にLIQUIDROOMでバンド初のワンマンライブを行う。
「small indies table tour 2018」2018年9月28日 LIQUIDROOM セットリスト
街人
01. ホップとロックとわたし
02. ロックバンドになって
03. かっちゃん
04. SOS
05. コニカ
yonige
01. リボルバー
02. our time city
03. どうでもよくなる
04. センチメンタルシスター
05. ワンルーム
06. アボカド
07. さよならプリズナー
08. 最愛の恋人たち
FOMARE
01. 君と夜明け
02. 風
03. トーキョーナイトダイブ
04. stay with me
05. 夢から覚めても
06. かわらないもの
07. 新しい歌
08. HOME
09. Lani
KOTORI
01. EVERGREEN
02. Blue
03. 1995
04. トーキョーナイトダイブ
05. 風
06. RED
07. 高鳴る胸に鐘を鳴らせ
08. ジャズマスター
09. 素晴らしい世界
10. kaze
<アンコール>
11. 4号線
12. Youth(KOTORI×FOMARE)
KOTORI「KOTORI DREAM MATCH 2019」
2019年1月5日(土)埼玉県 EASYGOINGS
2019年1月10日(木)愛知県 CLUB UPSET
2019年1月12日(土)大阪府 FANDANGO
2019年1月14日(月・祝)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
2019年1月17日(木)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
2019年1月19日(土)福岡県 Queblick
2019年1月20日(日)宮崎県 SR BOX
2019年1月25日(金)宮城県 enn 2nd
2019年2月1日(金)東京都 LIQUIDROOM