松本清張の長編推理小説「砂の器」を原作としたスペシャルドラマ「フジテレビ開局60周年ドラマ 砂の器」が、3月28日(木)にフジテレビ系で放送される。この作品に東山紀之、中島健人(Sexy Zone)、柄本明が出演する。
原作の「砂の器」は1960年から1961年に読売新聞の連載小説として発表され、とある殺人事件を捜査するベテラン刑事・今西栄太郎と天才作曲家・和賀英良による心理戦、そして和賀と実の父・本浦千代吉の間の秘められた過去が描かれた。1974年に初めて映画化され、2004年には中居正広主演によるテレビドラマ版も放送された。
今回のドラマでは物語の舞台を2018年の東京・渋谷に移し、ハロウィン当日に行われた和賀の犯行を序盤に明かしたうえで、過去の映像作品とは全く異なったストーリーを展開する。今西を演じる東山と、和賀を演じる中島は本作が初共演。今回の共演について東山は「僕自身もそうですが、彼が俳優として目指すべき道が見えてくる作品になると思います」、中島は「僕が一番憧れている…いや崇拝している先輩なので一緒にひとつの作品を作り上げるというのが僕の夢でした」とコメントしている。
東山紀之 コメント
今回のオファーを受けての率直な感想
松本清張先生の作品にはいくつか出させていただいていますが、「砂の器」は名作中の名作ですから、自分もこういう役がめぐってくる年になったのだなと感慨深いです。今回は、現代に置きかえて描くということですが、人間の芯をえぐり出すという清張先生の作品ですので、大変やりがいを感じています。
今西という刑事役への取り組み
(過去映像化された作品では)丹波哲郎さん、渡辺謙さんなど大変な先輩たちが演じてこられた役ですが、今作の今西はちょっとアプローチが違うと思っています。今西と犯人である和賀の育ってきた環境、培ってきたものがなんとなく似ている、同化している…という気がしていて、それを皆さんがどう感じていただけるのか、人生を考えさせられる清張先生ならではの“人間”を表現したいと思っています。
中島健人との初共演について
今の彼にしか出せない輝きや苦悩があると思うので、どう表現するのか僕も楽しみです。歌ったり踊ったりコメディーをやるのとはちょっと違いますから、あぶり出される人間臭さを彼がどう出してくれるのか、期待しています。僕自身もそうですが、彼が俳優として目指すべき道が見えてくる作品になると思います。巡ってくる役で人生が変わる…いい意味で彼にとっての“光”が見えてくると思いますね。
視聴者へのメッセージ
時代は変われど、人は変われど、その人たちの本質は変わらない。いつの時代も若者は同じ悩みを持ち、年を取るにつれ感じ方は違ってくるのですが、そのときは同じようなことを思っていたりします。多くの人が共感できる作品になること、そして60周年という機会で作るわけですから是非大作にしたいと思っています。
中島健人 コメント
今回のオファーを受けての率直な感想
感動しました。原作の大ファンだったので、過去に映像化されてきた作品も何度も見てきました。
“平成最後の奇跡”だな、と。それくらいこの作品を好きだったので、命をかけてこの役を生きようと思っています。歴代、名優の方々、大先輩たちが演じられてきた和賀の役をいただいたのは、奇跡以上の“宿命”かもしれません。
和賀という役への取り組み
歴代の和賀英良を見てきましたが、時代背景がそれぞれ違います。今作では“平成最後”という舞台で和賀を演じさせていただく上で、現代感を大切にしつつ、今までの作品の素晴らしさを引き継ぎたいです。うまく自分と「砂の器」の歴史を折衷させて、新しい和賀英良を作っていきたいと思っています。
東山紀之との初共演について
東山さんと共演するのも“宿命”だと思っています。僕が一番憧れている…いや崇拝している先輩なので一緒にひとつの作品を作り上げるというのが僕の夢でした。しかも「砂の器」で、というのが信じられなくて。香盤表を見ると、東山紀之と書いてある。一枚一枚捨てられないです。
東山さんからは“勝負しようぜ”と言われましたので、そこは僕も全力で挑ませていただきたいと思います。現場では東山さんを敵だと思ってしっかり対決するのが大事ですので。
柄本明との初共演について
多くの作品の中で、柄本さんを見る機会がとても多く、「砂の器」でご一緒させていただけるなんてご縁だと思っています。千代吉という役は心の根底に存在する愛を表現される役で、それが柄本さんという重厚感のある俳優の大先輩であるという…緊張していますが、がんばりたいと思います。
ピアノへの向き合い方
久しぶりに曲を練習するということになるので、改めてピアノと向き合っていかなければと思いますし、それが和賀英良を作り上げる上で大切な部分になります。1日10分だったピアノの時間を3時間くらいにしたいです。歴代和賀を演じてきた先輩に負けたくないという気持ちもあるので、自分にしかできない和賀英良は何なのか?ピアノを弾きながら考えていきたいと思います。
柄本明 コメント
今回のオファーを受けての率直な感想
(1974年の)映画では野村芳太郎さんが監督で、橋本忍さんと山田洋次さんが脚本の大名作でしたね。千代吉は加藤嘉さんがやっていらした役ですね、映画を見たときに感動したのを覚えています。その役をいただいたことに非常にうれしく感じております。
千代吉という役への取り組み
今回は現代という時代に置き換えていますから、さまざまな動機も変わっているので、自分なりに感じ取ってやれればいいのではないかな、と思っています。話の骨子はそれほど変えなくても、現代に置き換えている部分で、制作側にはご苦労もあったかと思いますが演じるこちらも頑張ってやりたいと思っています。
楽しみなシーンは
それぞれのシーンは大変だと思いますが、特にお遍路のところは色々な土地を行くのでどういう風になるのだろう、と楽しみですね。
視聴者へのメッセージ
「砂の器」は、若いときに映画館で見ております。大名作です。今回は現代に置き換えたテレビ版としてどのような作品に仕上がるのか、楽しみに見て頂ければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。