中島健人のライブツアー「KENTO NAKAJIMA 1st Tour 2025 "N / bias" 巡」が昨日7月17日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でファイナルを迎えた。この記事では昼公演の模様をレポートする。
ホール会場に響いた「LOVE KENTY!」
昨年4月にグループを卒業し、ソロアーティストとして走り出した中島は昨年12月にソロアルバム「N / bias(ノンバイアス)」をリリース。本作を携えて今年1月に東京・有明アリーナで3DAYS公演「KENTO NAKAJIMA 1st Live 2025 “N / bias”」を行った。その熱狂も冷めやらぬ中、4月から7月にかけて全12公演のライブツアーで全国を巡った中島。彼はカラフルなネオンライトが輝く街並みを舞台に、ホール会場ならではの演出を交えてオーディエンスの近くで音楽を届けた。
有明アリーナ公演では中島が罪を着せられて悪者扱いされ、指名手配されてしまうというストーリーが描かれたが、今回のツアーはその物語の続き。オープニング映像では罪が晴れ、悪者から英雄へと復活を果たした中島の姿が映し出された。スターとしてCM撮影や番組出演に勤しみ、華々しい活躍を見せる中島。映像内で番組の司会者が曲振りをすると、中島が銀色のキャンディを掲げてダンサーチーム"N's performer"とともにステージに登場。「CANDY ~Can U be my BABY~」でさっそくU:nity(中島健人ファンの呼称)を魔法のような空間へと誘っていった。
割れんばかりのケンティーコールを気持ちよさそうに浴びながら、中島は「SHE IS...LOVE」を情熱的に歌い踊り、「傷だらけの僕を愛で 守ってくれた君は 僕の全てだ」とU:nityにメッセージを送る。N's performerのメンバーたちが手にしたライトの光で中島が囲まれ、最後にはその光がハートの形になる場面もあった。そして極上のサマーソング「Hey!! Summer Honey」で中島は客席へ。オーディエンス1人ひとりとハイタッチを交わし、「世界一の夏を just for you」と夏のきらめきを会場中に振りまいた。
「今日を生きがいにがんばってこれた人ー?」と中島はU:nityに語りかけ、歓声が沸き起こると「俺も同じです」とにっこり。さらに「ここから俺の音楽、エンタテインメントを皆さんに届けていきたい。皆さんにとって自分の存在とか、自分のことを見る時間が力になってくれていたらいいなと思っています。みんなもつらい気持ちや悲しい気持ちになることがあるでしょ? でも今日このライブまでたどり着けてるわけだから、イコール全部幸せでよくない? 笑った者勝ちでよくない? つらいこと、悲しいこと、寂しいこと全部ヒトゴトだから」と告げると、彼はミステリアスな雰囲気をまとって「ヒトゴト feat. Kento Nakajima」をパフォーマンスした。
戦利品は愛情たっぷりの手料理
レーザーライトに彩られた「Raise Your Light」を経て、スクリーンにはオープニング映像の続きとして、アワード受賞式への出席やアクション映画の撮影に大忙しの中島の姿を描いたムービーが映し出される。映画の撮影中、中島の目の前に大きな「?」の文字に顔が覆われた謎の男“Mr. ハテナ”が現れたところで映像は終了した。ブラックの衣装にチェンジした中島が披露したのは、アニメ「謎解きはディナーのあとで」のオープニングテーマとして書き下ろされた最新シングル曲「MONTAGE」。澤野弘之が作編曲を手がけた壮大なサウンドに乗せて、彼はスタンドマイクを使いながらキレのあるダンスを繰り広げる。「Bye Bye Me」では5色のカラフルなライトに照らされながら、N's performerとともに5本のマイクスタンドを操り、前へと進んでいく強い決意を歌い上げた。
鋭い眼差しで「Mission」を歌い踊る中島は、パフォーマンス中に胸元からシャツを引きちぎるように勢いよく脱ぎ、汗が滴る体をあらわにした。「何見てんだよ」と中島はいたずらっぽく微笑むと「今からここで着替えるから、そこで見てて」とステージ上で着替え始め、鏡を見ながらドライヤーでバッチリと髪を整える。7月15日に 「ViVi国宝級イケメンランキング」の「ADULT部門」で1位を獲得した彼は「清くセクシーな1票をありがとうございます。U:nityのおかげです。すごくパワーを感じてる。日々自分がライブをやる理由はU:nityだから」と感謝の思いを述べた。
その後Mr. ハテナからの提案のもと、ミッションコーナーが設けられた。チーフマネージャーの手料理であるタコウインナーと卵焼きを懸けて、中島は自身のブログ「KenTeaTime」にまつわるクイズに挑戦。銃型のペンライト「ピカレスクの銃口」の光の色によってU:nityに導かれながら、中島は「2023年3月14日の写真のポーズは、ピースかハートか?」などのクイズに答え、見事に正解を連発してチーフマネージャーの愛情たっぷりの手料理にありついた。「リラックスする時間も必要かなと思って、今から皆さんには僕と一緒にチルな時間を過ごしてもらいたいなと思います」と彼はティーカップを手にすると、シャボン玉が漂う幻想的なステージで「Jasmine Tea」をゆったりと歌唱。「Heartbeats」ではU:nityのコールが弾けるように沸き起こった。
この関係性を日本中に自慢したいと思わない?
赤い衣装を身にまとった中島が美しいハイトーンの歌声を響かせると「迷夢」がスタートした。この曲ではステージと客席の間に下ろされた紗幕に森の奥などの映像を投写。紗幕の後ろを中島がクレーンで移動し、出口の見えない空間で何かを求めてさまよい続けるような姿が描き出される。葛飾北斎をテーマにした次世代型イマーシブ体験「HOKUSAI:ANOTHER STORY」とのコラボレーションソング「碧暦」では爽快なパフォーマンスを経て、「冨嶽三十六景」の白波を彷彿させる紙吹雪が勢いよく発射された。
「やっぱりライブは楽しいね。俺はね、頭の中でやりたいこと、考えてることはいっぱいあるんだけど……1つバカなことを言っていい?」と話を切り出した中島。「俺、すげえやつになりたいのよ。稚拙な表現かもしれないけどさ、俺たち、すごいやつらになりたくない? 周りから『U:nityって本当にすごいんだね』と思われてほしい」とU:nityに語りかけた彼は、「目標というよりは夢を語っていい? 俺、絶対東京ドームに行くから!」と宣言した。「みんなにとってのナンバーワンって誰?」と中島はU:nityに問いかけ、その答えを確認すると「俺にとってのナンバーワンはU:nityだよ。この関係性をもっと日本中に自慢したいと思わない? わかりやすいものってなんだろうといろいろ考えてたけど、やっぱりドームなんだよな」 と話し、「俺はドームでみんなの『ピカレスク』の合唱を聴きたいんだよね。俺はドームで『LOVE KENTY!』聞きたいんだよ」と力強く述べた。
続けて中島は「去年いろんな言葉を受けて……スタートを切ったと同時に悪者扱いしたりもしたけど、悪って言われて、じゃあ俺は悪なのかと思ったその瞬間に、そこからいろんな人の痛みとか悲しみをより知ることができた。そういうふうに知れたものがいっぱいある。それはU:nityが俺とここまで一緒に駆け抜けてくれたから。俺は正直もう、闇は晴れたと思う。だから、これからはきれいな光を一緒に見に行こうよ」とU:nityに呼びかけ、最後に1stアルバムを象徴するリードトラック「ピカレスク」を披露。中島、U:nity、N's performerの力が一体となって会場はすさまじいエネルギーに満たされた。
俺はみんなの一番星だよ
アンコールで中島は「jealous」をさわやかにパフォーマンス。客席に親友の岩本照(Snow Man)の姿を見つけて「来るって言ってよ! LINEにスタンプだけで返事しやがって。忙しくて来れないのかなと思ってたら、いるんだもん。こっそり来たな? 俺のいろんなときを支えてくれた親友です!」とうれしそうに目を輝かせる場面も。その後、彼は初めて自身で振付を手がけた楽曲「Unite」をN's performerと息ぴったりに届け、会場をひとつにしてステージを去って行った。
「以上をもちまして、本公演は終了しました」というアナウンスが流れ続けるが、それでも“健人コール”は鳴りやまない。その声を聞いた中島は「どうした? そんなに俺を呼んで。まだ遊び足りない?」と言ってステージに姿を現し、「じゃあ一緒に歌でも歌おうか」と述べて「ピカレスク」のサビをU:nityとともに歌い上げる。愛のこもった歌声に彼は手を叩いて喜び、「OK、わかった。覚悟を決めたよ。俺はみんなの一番星だよ」と輝くような笑顔を見せた。そして中島はお互いを一番星だと思い合っているスターとファンの物語を表現した新たなキラーチューン「JUST KENTY☆」を披露。会場を埋め尽くすペンライトの光が星のようにキラキラと輝き、彼を照らし出した。中島はその光を愛おしそうに見つめ、「俺がお前たちの一番星になるから、お前たちも俺の一番星になれよ」と伝える。最後は「JUST!」「KENTY!」という盛大なコール&レスポンスでライブは締めくくられた。
なお中島は9月14日に台湾・Zepp New Taipeiで初の海外単独公演「KENTO NAKAJIMA 1st Live 2025 in TAIPEI “N / bias” 凱」を行うことを発表。「俺は今のU:nityとの空間を世界中に自慢したい。台北の方々に『ありがとう』と言ってくるね。レベルアップして帰ってくるので待っててください」と語った。
セットリスト
中島健人「KENTO NAKAJIMA 1st Tour 2025 "N / bias" 巡」2025年7月17日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)昼公演
01. CANDY ~Can U be my BABY~
02. SHE IS...LOVE
03. Hey!! Summer Honey
04. ヒトゴト feat. Kento Nakajima
05. Raise Your Light
06. MONTAGE
07. Bye Bye Me
08. Mission
09. Jasmine Tea
10. Heartbeats
11. 迷夢
12. 碧暦
13. ピカレスク
<アンコール>
14. jealous
15. Unite
<ダブルアンコール>
16. JUST KENTY☆
ツアーファイナル前に中島健人がメディアに寄せたコメント
ツアーファイナルを迎えた感想
このツアーは応援してくださる全国のUnityの皆様との絆をさらに深められた時間だと感じてます。1曲ごとに巻き起こる熱狂的な歓声は、僕の強い自信に繋がりましたし、皆様のおかげでステージに立つことが本当に楽しく、1人のアイドルとして輝く瞬間をたくさん作れたと思ってます。日本一楽しいLIVEをしている自信があります。ご来場いただいた皆様ありがとうございました!
ツアーの中で印象的だったこと
とにかく曲毎の歓声が凄く、いや凄すぎて僕のファンの方の勢いと力強さにびっくりしています。冒頭3曲からファンの皆様の歓声が大きかったので、皆様がLIVE空間を作り上げてくれたとも感じます。さらには一緒にステージを盛り上げてくれているパフォーマーの皆様への声もすごく、全ての部分において愛には愛で全力で返してもらえるLIVEだと実感しました。そして宮城では、皆様が僕のソロデビュー曲「ピカレスク」を歌ってくれたことが本当に印象的で、歌で繋がれる美しさを感じました。
台北公演への意気込み
ドラマ「リビングの松永さん」のファンミーティングの時に、台北で多くの方に応援してもらえてると感じたので、その時の恩返しを歌と音楽を通してステージの上からさせていただきたいと思います。初の海外公演ということで、セットリストもスペシャルverに変わります。台北でしかみれない演出になりますので是非ご期待ください。小籠包と炒飯も楽しみです。
