2020年2月より上演される舞台「泣くロミオと怒(いか)るジュリエット」に、桐山照史(ジャニーズWEST)が出演する。
鄭義信が作・演出を手がける「泣くロミオと怒るジュリエット」は、シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」を題材としたラブストーリー。物語の舞台を鄭のルーツでもある戦後の関西の港町に置き換え、男性ばかりのキャスト陣がオール関西弁のセリフで独創的な世界を作り上げる。
桐山が演じるのは、かつて愚連隊“モンタギュー”に所属しながらも更生し、屋台で働く真面目な青年ロミオ。彼と恋に落ちる敵対するチームのリーダーの妹、ジュリエットを柄本時生が演じる。このほか共演者には橋本淳、元木聖也、高橋努、岡田義徳、朴勝哲、みのすけ、福田転球、八嶋智人、段田安則といった豪華俳優陣が名を連ねている。
桐山はロミオ役に向け「愛に殉じて命を捨てるなんて、エグカッコエエ! ただし、今回はジュリエット役が柄本時生さんなので、恋の顛末がどうなるものか僕自身もまだ想像できず、ワクワクだけが募っています」、柄本は異色のジュリエット役について「お話をいただいた時は、コントのように三度訊き返してしまいました」とコメントしている。「泣くロミオと怒るジュリエット」は2020年2月8日から3月4日に東京・Bunkamuraシアターコクーンで、3月8日から15日に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。
桐山照史 コメント
シェイクスピア、オールメール、舞台での関西弁、シアターコクーンに鄭義信さんの作品。
「泣くロミオと怒るジュリエット」は、僕にとって初めて尽くしの舞台です。何せ映画ではあのレオナルド・ディカプリオも演じた役。愛に殉じて命を捨てるなんて、エグカッコエエ! ただし、今回はジュリエット役が柄本時生さんなので、恋の顛末がどうなるものか僕自身もまだ想像できず、ワクワクだけが募っています。
鄭さんの様々なアイデアで翻案され、しかも自分がネイティブで使っている言葉で語られる「ロミジュリ」は、血肉の通ったドラマになるはず。グッとくるところはもちろん、笑える場面もしっかりありそうなので、鄭さんの世界にたっぷり浸り、作品の一部として舞台上で生きられたらと思っています。
ちなみに、時生さんとご一緒することで父・明さん、兄・佑さんに続く柄本家男性陣との共演がコンプリートになることも、嬉しいポイントです。
柄本時生 コメント
「『ロミオとジュリエット』のジュリエット役を」というお話をいただいた時は、コントのように三度訊き返してしまいました。単に女性役というだけでなく、世界的な名作のヒロインを自分が演じる。でも日頃から、「役者の仕事はできないことをすること」と思っている僕にとって、お断りする理由はありませんし、むしろこのキツさがやりがいでもある。有難いオファーをいただき、頑張らなければと素直に思っています。
シェイクスピアは江本純子さん演出の「じゃじゃ馬馴らし」、東京乾電池で父が演出して上演を重ねる「夏の夜の夢」に出演したことがあります。どちらもかなりひねった上演で、その点では今回の鄭義信版に、むしろ近いシェイクスピア体験をしているのかも……。
鄭さんが描くジュリエットは、見た目より内面の美しさが問われる女性なのではないでしょうか。関西弁は桐山さんに教わりながらせりふに忠実に、繰り返し語る言葉の中に演じるヒントがあると信じて作品に臨みたいと思います。
鄭義信
純愛物語の王道として知られる「ロミオとジュリエット」。でも僕はその背後に、いくつか隠されたものがあると思っていました。差別や不寛容、定かな理由もなく憎悪を募らせ、互いに憎しみ合う人々。最近の、この国に蔓延する空気にも似た“イヤな感じ”を、戦後の混乱期を駆け抜けた、愚連隊の若者たちに置き換えて描いてみることにしました。
オールメールにしたのはシェイクスピアへの敬意と、憧れの劇場シアターコクーンで長く芸術監督を務め、演劇の楽しさと先鋭的な表現を両立させた作品を創り続けた故蜷川幸雄さんへのリスペクトから。さらに自分の得意な関西弁地域に場を設定し、関西出身の方も そうでない方も入り混じる、濃ゆい俳優さんたちにお集まりいただきました。
桐山照史さんと柄本時生さん。高すぎるハードルの二人がどんな恋に落ちるか、どうぞご期待ください!
シアターコクーン・オンレパートリー2020「泣くロミオと怒るジュリエット」
2020年2月8日(土)~3月4日(水)東京都 Bunkamuraシアターコクーン
2020年3月8日(日)~15日(日)大阪府 森ノ宮ピロティホール