PRIZMAXが3月27日に東京・日テレらんらんホールで無観客の生配信ライブ「PRIZMAX Live Level 0 ~FINAL~」を開催。このライブをもって、グループを解散した。
PRIZMAXは約15年の長きにわたって活動を続けてきたダンスボーカルグループ。7年前の2013年に1stシングル「Mysterious Eyes / GO!」でCDデビューした記念日である3月27日に日テレらんらんホールで解散ライブを行うはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、ライブは無観客の配信ライブという形で行われることとなった。予想だにしない形で活動に幕を引くこととなった6人だが、メンバーはホリック(PRIZMAXファンの呼称)からのリクエストをもとに作られたセットリストで熱気あふれるライブを展開。配信ライブならではのコミュニケーションも柔軟に演出に取り入れ、記憶に深く刻まれるようなひとときを画面越しにホリックと共有した。
ライブスタートの18:00、ホリックのいないホールのステージに姿を見せた6人は、舞台の中央で「We are PRIZMAX!!」と最後の円陣の声を力強く響かせた。ライブは1stシングル表題曲の「Mysterious Eyes」でスタート。客席通路を動くハンディカメラや小型のドローンカメラがメンバーを追う中、6人は初っ端から熱のこもったパフォーマンスを届ける。曲を終えると、清水大樹は「僕たちPRIZMAX、このライブで解散することになります。どんな形であっても皆さんの心にしっかり届けるライブをするので、皆さんよろしくお願いします!」と挨拶。島田翼は「コロナのバカ!」と正直な気持ちを漏らしつつ「ショックだけど、こればっかりはね。僕らができるのはエンタテインメントを伝えること」と前を向いた。
ステージの端ギリギリに立ったメンバーが力強くクラップを求めた「OUR ZONE」ののちに届けられたミドルバラード「Someday」では、配信ライブならではの映像演出が用意された。メンバーは舞台上に上がった1台のカメラに向け、巧みにフォーメーションや立ち位置を変化させながら歌声を響かせる。抜群のチームワークでドラマティックなワンカット映像を作り上げたPRIZMAX。カメラに映らない場所では、翼と森崎ウィンがすれ違いざまにハイタッチを交わして笑顔を浮かべていた。
「Pleasure」では小川史記の「OK、みんな踊っていきましょう!」という声を合図に全員がステージを降り、客席に座って楽しげに体を揺らした。こののちにはPRIZMAXに送られたたくさんのコメントにメンバーが反応する場面もあり、6人は次々と流れていく声援やラブコールを笑顔で見つめていた。大樹が「デビュー前の僕らを支えてくれていた楽曲を初めて6人で」と言うと、近年のライブでは披露されることのなかったヒップホップの自己紹介ナンバー「HANDS UP」へ。メンバーは曲中に衣装チェンジをしながら順にカメラの前に立ち、にぎやかなラップリレーを展開してみせた。
ステージに用意されたデスクトップPCを使いメンバー自身も配信画面にコメントを送る中、ウィンがスウィートな歌声を届けた「Lonely summer days」、ケビンのキーボード演奏に乗せてダンサーメンバーがたおやかに体を揺らした「夢唄」ののち、「春空」はウィン、ケビン、森英寿のボーカル3人で披露された。自身のパートを歌う英寿が感極まって言葉に詰まってしまうと、ギターを爪弾くウィンは彼に優しい笑顔を向けながら歌声を重ねる。英寿につられるようにケビンも目に涙を浮かべ、3人の優しいハーモニーはホールいっぱいに響きわたった。
6人が真っ白な衣装に着替えると、ライブも折り返し。ここで届けられた「愛をクダサイ」は彼らのラストシングル表題曲のミドルバラードで、ボーカル3人が情感たっぷりに紡ぐ切ない物語を、パフォーマーも繊細な一挙手一投足で表現する。ラストのラップパートを担う大樹は「ありがとう“ホリック”No.1」と歌い替え、ファンへの感謝と愛を表明した。ラストシングルのもう1つのタイトルトラック「Beginning」と、エッジーで刺激的な世界観がホリックを驚かせたコンセプトアルバム「FRNKSTN」収録曲はメドレー形式で届けられ、「DADADADADADA」「Light The Night」とパワフルな楽曲群をエネルギッシュに歌い踊る6人に、ステージ上の緊張感も一気に高まっていく。曲間には大樹、翼、史記のスキルフルなソロダンスも盛り込まれ、3人の気迫に満ちた躍動がPRIZMAXのパフォーマンスを一層力強いものにしていた。
ライブの合間には、ホリックのいない客席を見つめた翼が「みんなから生でもらっていたエネルギーって、すごく大きかったんだなと思って。幸せなことだったんだなって思いますね」と、ファンの存在の大きさを噛みしめる場面も。終盤にはそんなホリックが選んだ人気曲ベスト3が3位から順に披露された。3位の「HUG & KISS」でメンバーはウィンの遊び心に満ちたボーカルに合わせてカメラの向こうへキスを飛ばし、2位にランクインしたウィン作詞作曲の「カフェオレ」では豊かな表現力でカフェを舞台にした男女の駆け引きをステージ上に描き出す。彼らは一瞬一瞬を噛みしめるように笑顔で音に乗り、ホリックへ向けてカメラアピールを何度も重ねた。
「楽しいね」と声を漏らし、笑い合う6人はラストナンバーを前に1人ずつ今の思いを語った。「PRIZMAXは永遠です。僕の心の中でずっと生き続けます」と誓った史記に続き、グループに加入したことをきっかけにダンスに出会ったケビンは「新しい音楽の楽しみ方を感じることができました」と語り、英寿は「メンバーの皆さん、友達、家族、ホリックに支えてもらったおかげで今僕はここに立てていて、成長できたことをわかってほしいです」と訴える。
「僕、人生の半分PRIZMAXにいたんですよ」と切り出した翼は「ホリックって仲良しだってよく聞いていて、それを聞いて僕は誇らしかったです。だから絶対、その友情は続けていってほしいなと思います。それで、僕らの話をしてほしいなと思います」とファンに呼びかけた。翼と同様に結成当初からPRIZMAXを引っ張ってきた大樹は「これまで当たり前だったものがなくなるということを今実感しているけど……」と声を詰まらせながら「でもこれもいいかなと思ってます! 最高の時間を皆様ありがとうございました」と前を向く。そして、最後に挨拶に立ったウィンは「大ちゃん、つばちゃん、モーリー、ケビン、ふみ。そして有ちゃん。そしてティム。ありがとう」と、今はグループを離れた福本有希と黒川ティムの名前も呼び「僕ら6人……全員入れたらメンバー8人ですね。人生は続くので、その中で何かをみんなに分け与えられるようなエンタテイナーになっていきたいと思います」と誓った。
ホリックが選んだNo.1の楽曲は、2014年に発表された「Three Things」。カメラの向こう側と笑顔を共有しながら、楽しく丁寧に曲を歌い紡ぐ6人が最後に「I could die for you!」と声を合わせると、ステージからきらめくテープキャノンが放たれ、金銀のテープが降り注ぐ客席には「I love U」の文字が浮かび上がった。6人が画面から姿を消しても「アンコール!」のリクエストは止まず、再びホリックの前に姿を見せたPRIZMAXは本当のラストソングとして「my girl」を届ける。大樹が「ホリックのみんな、本当に……」と言うと、6人は「ありがとうー!」と絶叫。そしてウィンは最後に「皆さん今までたくさんの幸せ、たくさんの愛情をありがとうございました。PRIZMAXは皆さん、そして僕らの心の中で生き続けます。PRIZMAXの名に恥じぬような人間、エンタテイナーとして生き続けます。これからも僕ら6人……いや8人をよろしくお願いします!」とホリックに力強く訴えかけた。
PRIZMAX コメント
小川史記
僕は去年加入させていただきましたが、この1年の景色は怒涛で、でもとっても濃厚で。全部が僕にとって素敵な1年間でした。僕を受け入れてくれたメンバーはじめ、スタッフ、そしてホリック、本当に本当にありがとうございます。PRIZMAXは15年続いていて、こんなに歴史あるグループに入れたことが奇跡だと感じているし、ありがとうの気持ちでいっぱいです。メンバーとの何気ない時間もすごく楽しかったし、ホリックともいろんな時間を分かち合ってきましたね。
PRIZMAXとして過ごした全ての時間が僕にとっての宝物です。PRIZMAXは永遠です。僕の心の中でずっと生き続けます。短い時間だったかもしれないけど、一生忘れることのない素敵な1年間でした。支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。
ケビン
このグループに入って僕は初めてダンスに触れて、新しい音楽の楽しみ方を感じることができました。僕は絶対音楽をやめることがないので、PRIZMAXは僕の中で生き続けます。そんな思いを大事にして次の活動ができたらいいなと思っているので、そこに向けて全力で音楽を突き詰めていきたいと思っています。スタッフさん、ホリック。これからも温かい声援をメンバー全員によろしくお願いします!
森英寿
まず僕が伝えたいのは、こんな僕をグループに迎えてくれてありがとうございました。PRIZMAXに入って1年……皆さんに「ダンスや歌がうまくなったね、成長したね」と言われるけれど、メンバーの皆さん、友達、家族、ホリックに支えてもらったおかげで今僕はここに立てていて、成長できたことをわかってほしいです。今回皆さんに会えなくて寂しく悲しいんですけど、1つわがままなことを言うと……これからも森英寿を支えてもらいたいです。人としてもアーティストとしても未熟な部分がたくさんあるので、これからも支えてほしいなと思います。わがまま言ってごめんなさい、これからもよろしくお願いします。
島田翼
まず、幸せでした。僕、人生の半分PRIZMAXにいたんですよ。だからなくなる実感が正直ないんですけど、ライブが終わって明日とかになったら、じわっと寂しくなったりするのかな?なんて思います。ホリックのみんな、ありがとう。ホリックって仲良しだってよく聞いていて、それを聞いて僕は誇らしかったです。だから絶対、その友情は続けていってほしいなと思います。それで、僕らの話をしてほしいなと思います。
ホントに感謝の気持ちしか出てこないし、俺は幸せでした。最後にメンバーみんな、PRIZMAXでいてくれてありがとう。幸せでした。それぞれ次の道があると思うけど、みんなからもらった幸せを周りの人に分け与えるられるように生きていきたいし、表現者として精進していきたいと思います。
清水大樹
僕も翼と同じく14年間、PRIZMAXとして走ってきました。最初の頃からメンバーには曲者が多くて、それを僕がまとめる状況に自然となっていって。それを積み重ねていくと、自然と自分よりも周りを見るクセが付いていきました。でもみんな優しいから、俺は裏でやってるつもりなんだけど支えに気付いてくれているのがうれしくて。ホリックもそんなことについて僕に言ってくれたり。心優しいメンバーがいるから、そうやって優しいホリックが集まるんだろうなと思っていました。なんというか、胸張れる環境でいられました。
明日以降はそれぞれが光り輝く道へ走っていくと思うけど、俺はもう少ししっかりと自分を見つめられるような生き方ができればいいなと思っています。ずっと離れるわけじゃないけど、これまで当たり前だったものがなくなるということを今実感しているけど……でもこれもいいかなと思ってます! 最高の時間を皆様ありがとうございました。これからも清水大樹、メンバーのみんなをよろしくお願いします。
森崎ウィン
僕は本当に、みんなに感謝しています。俺のわがままを聞いてくれたりだとか、遅刻してもそのあとのリハで受け入れてくれたりとか、強がったときとかも包み込んでくれたりとか。PRIZMAXって帰ってくる場所なんだなと毎回実感しながらこの場所にいました。僕が音楽に出会い、好きになったのはこのグループのおかげです。こんなに親友ができたのも、このグループのおかげです。僕の人生、振り返ったらPRIZMAXなしではまったく語れません。
次に踏み出すのは、正直めちゃくちゃ怖いです。だけど、とにかくライブすごく楽しいです。楽しいと思えたのはホリックが僕らを笑顔で見てくれて、楽しんでくれたから。とにかく皆さんありがとうございました。そしてPRIZMAXに携わってくれたたくさんのスタッフの方々、ありがとうございました。大ちゃん、つばちゃん、モーリー、ケビン、ふみ。そして有ちゃん。そしてティム。ありがとう。PRIZMAXを今日まで信じてくれたホリック、ありがとうございました。僕ら6人……全員入れたらメンバー8人ですね。人生は続くので、その中で何かをみんなに分け与えられるようなエンタテイナーになっていきたいと思います。
PRIZMAX「PRIZMAX Live Level 0 ~FINAL~」2020年3月27日 日テレらんらんホール セットリスト
01. Mysterious Eyes
02. OUR ZONE
03. Someday
04. Never
05. Pleasure
06. HANDS UP
07. Lonely summer days
08. 夢唄
09. 春空
10. 愛をクダサイ
11. Beginning~DADADADADADA~Light The Night
12. HUG & KISS
13. カフェオレ
14. Three Things
<アンコール>
15. my girl