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七尾旅人が無観客のリキッドで年越しライブ決行、コロナ禍で作られた新曲などをバンド編成で

七尾旅人(撮影:新保勇樹)
約3年前2021年01月06日 9:03

七尾旅人が12月31日に東京・LIQUIDROOMで無観客のカウントダウンライブを開催し、その模様を有料配信。Shingo Suzuki(B / Ovall)、Kan Sano(Key)、山本達久(Dr)、小川翔(G)というサポートメンバーからなるバンドセットでのライブで新年を迎えた。

1990年代より毎年大晦日から元日にかけて年越しパーティが行われてきたLIQUIDROOMだが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりこの開催を断念。七尾はその代わりとしてカウントダウンライブを行うことになったが、当初は有観客で実施される予定だったこの公演も、この日の首都圏の鉄道が終夜運転を取りやめたことなど情勢を踏まえて、2日前に急遽無観客で行われることに変更された。

七尾は開演前に「先々のことを考えると、カウントダウンだ! イェーイ! という感じにはなりづらいところなんですけど、自分もいちミュージシャンとしてこの1年を味わいつくしてきたところもあるので、そういう部分で1曲1曲大事に歌っていければ」と挨拶。都内の新型コロナウイルス新規感染者数がこの日初めて1300人を超えたことを踏まえて「本当は『来年はいい年になるぞ!』というふうにしたいんだけど、コロナ禍始まって以来の感染者数という微妙なタイミングで歌わせてもらうのは、俺には合ってるのかなって。だから、観てもらえるとうれしいです」と視聴者に声をかけた。

ライブ序盤、七尾は曲が進むごとにサポートメンバーを1人ずつ呼びこんでいく。まずはKan Sanoを呼び込み、無人のフロアを見て「不思議な感じだね」と笑いながら、七尾は映画「ピノキオ」の主題歌に自ら日本語詞を付けた「星に願いを」を歌唱。ピアノとギターで織りなされるシンプルなサウンドの上を、深くディレイのかかった歌声が飛び交った。

さらに2人は、七尾がコロナ禍になってからニュースサイトで見た「どこにも居場所がなく『コロナで死にたい』と願う家出少女」のルポルタージュがきっかけで作られた「リトルガールロンリー」を演奏。続いてギタリストの小川翔が加わり、「ストリッパーのおねえさん」で七尾の歌声に優しく寄り添うようにボリューム奏法を披露した。

ライブで演奏するのは初めての新曲「September Rain」からは山本達久が参加。「Wonderful Life」では七尾が打ち込みのビートの上で優しく歌いながら、この現代に生きるさまざまな人々の切実な物語をつづる。ここまでパンデミック以降に作られた新曲を中心にライブが行われてきたが、「Leaving Heaven」を皮切りに「迷子犬を探して」「スロウ・スロウ・トレイン」「DAVID BOWIE ON THE MOON」と、最新アルバム「Stray Dogs」からの曲を続けてパフォーマンス。Shingo Suzukiも加わってバンドメンバーが全員集合し、美しく躍動感のあるバンドのアンサンブルが七尾の歌声を彩る。そのほか、広大なサバンナを想起させるパーカッシブな演奏に乗せて七尾が咆哮する「Across Africa」や、キラキラしたサウンドに包まれながら訴えかけるように力強く歌い上げる「きみはうつくしい」も披露された。

続く「Memory Lane」は東日本大震災の時期に作られ、当たり前のようにあった日常が変わったことを歌った楽曲。七尾はこの曲を、コロナ禍の今の状況に重ねるように思いを込めて歌った。「Rollin' Rollin'」では、やけのはらとのコラボがひさびさに実現し、回転するミラーボールに照らされながらロマンチックでムーディなサウンドに乗せて、2人で掛け合いを展開。曲の後半でバンドがセッションを始めると、演奏は徐々に熱気を帯びていき、七尾とやけのはらのテンションも上昇していく。「サ-カスナイト」もバンドアレンジされ、すべて生演奏で披露。七尾はステージを降り、誰もいないフロアの真ん中に立って歌い上げた。

2020年最後の曲になったのは、コロナ禍になって最初に書いた曲だという「今夜、世界中のべニューで(Who's singing)」。七尾は配信の視聴者に向けて「フロアはがらんどうだけど、また一緒に何の気負いもなくみんなで歌えるようになる日が2021年のうちにきっと来ると思うし、くじけずにやっていきましょう。今にしかつかめないものがあると思うので」と語りかけ、1人で弾き語りをしながら日常が戻ることを願うように「世界中のベニューで 音楽が始まる日には この壁も 崩されて 新しいドアに変わると」と静かに歌った。そしてこの曲のアウトロでバンドも演奏に加わり、どんどん曲のテンポが加速。そして演奏終了とともに2021年を迎えた。

新年1発目の曲は、こちらもバンドアレンジでイメージを変えた「Future Running」。原曲におけるジューク / フットワークの性急なビートとソウルフルなサウンドが、生演奏ならではのグルーヴ感で表現された。そしてサポートメンバーたちがステージを去り、「最後に曲だけ、弾き語りで締めさせていただきます」と話した七尾が、コロナ禍で制作した曲「If you just smile」を、静かに語りかけるように1人で歌唱。ここでライブが終わるかと思われたが、七尾は「せっかくバンドが来てくれたから最後はみんなで1曲だけ演奏して終わりたい」と自らアンコールを希望した。そして七尾は再びバンドメンバーを呼び込み、最後に「どんどん季節は流れて」を披露。オンラインライブを観てくれた視聴者やライブのスタッフに感謝の言葉を述べて、ライブを締めくくった。

このライブの模様はLINE LIVE内の月額プレミアムチャンネル・サブスクLIVEにて、1月10日(日)23:59まで見逃し配信が行われている。

七尾旅人「LIQUIDROOM presents 七尾旅人 Countdown Live」2020年12月31日 LIQUIDROOM セットリスト

01. 星に願いを with Kan Sano
02. リトルガールロンリー(未発表曲) with Kan Sano
03. ストリッパーのおねえさん(未発表曲) with 小川翔
04. September Rain(未発表曲) with 山本達久、小川翔
05. Wonderful Life(未発表曲) with 山本達久、小川翔
06. Leaving Heaven
07. 迷子犬を探して
08. スロウ・スロウ・トレイン
09. DAVID BOWIE ON THE MOON
10. Across Africa
11. きみはうつくしい
12. Memory Lane
13. Rollin' Rollin' with やけのはら
14. サーカスナイト
15. 今夜、世界中のベニューで(Who's singing)(未発表曲)
16. Future Running
17. if you just smile(未発表曲)
18. どんどん季節は流れて

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