KOTOが4月29日に東京・WWWでラストワンマンライブ「BACK TO THE UNIVERSE TOUR - FINAL -」を開催。このライブをもってアイドル活動を引退した。
KOTOは2014年1月28日に1stシングル「ことりっぷ」でデビューし、キッズダンサーとしての経験を生かしたダンススキルを武器として、中学生の頃から活動してきたソロアイドル。デビュー7周年の記念日に行ったワンマンライブで引退を宣言し、3月にはゆかりのゲストたちを迎えたラストツアー「BACK TO THE UNIVERSE TOUR」を行った。ツアーファイナルとして行われたラストライブのチケットはソールドアウトし、当日の会場には数多くのことらー(KOTOのファンの総称)が集結。会場に足を運べないファンに向けてツイキャスで生配信も行われ、たくさんの人々がKOTOの最後の勇姿を見届けた。
ラストライブは2部制で、第1部はデビュー曲「ことりっぷ」からKOTOの楽曲をプロデュースしてきた佐々木喫茶(レコライド)をバックDJに迎えた“喫茶セット”。開演時刻の18:00を迎えると舞台の幕が開き、キラキラにデコレーションされたステージとDJセットに立つ喫茶の姿が現れる。毅然とした足取りで登場したKOTOは、ステージ中央に立つと同時に「推定スウィーティ」で最後のライブを開始。キレのあるダンスパフォーマンスから2曲目の「くえすちょんくえすと」へとシームレスにつないでみせ、ことらーのテンションを一気にブチ上げた。「改めましてこんばんわ! ことらことKOTOです!」と明るく挨拶したKOTOは「開催させてくれて神様ありがとう」とつぶやいてパフォーマンスを再開すると「バレンタインズバレリーナ」「舞踏遊戯」を続けて披露。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、自由に声を出したり、移動したりできない状況ながら、ことらーたちはフリコピしながらライブを楽しみ、「エンジェルがエンドレス」では拳を振り上げ、「SixteenSick」ではタオルを振り回して盛り上がった。
佐々木喫茶とタッグを組んだ6カ月連続リリース企画第1弾の楽曲を中心としたセットリストでことらーを沸かせ続けるKOTOは「まだまだ泣いちゃダメですよ!」と呼びかけつつ、デビュー曲「ことりっぷ」をキュートにパフォーマンス。この曲はABCコスメストア原宿店とのタイアップソングとしてお化粧をテーマにしつつ、新たな世界への挑戦を歌った楽曲で、ラストライブでは「ここから世界が変わるんだ すべてすべてすべて受け止める」という歌詞がアイドル活動を終えるKOTOの意思表明のように響く。続けてKOTOが披露したのは、彼女を世に知らしめた代表曲「プラトニックプラネット」。この曲では「P・L・A・T・O・N・I・C!」のコール&レスポンスが恒例となっており、ことらーによる手作りの“プラプラボード”が掲げられる中、観客は心の声をステージにぶつけた。そして第1部のラストには、ゲストのレコライド、RIKE、SAWAが代わる代わる登場。それぞれがKOTOとのコラボ曲を披露し、彼女のラストライブを全力で盛り上げた。
転換時間を挟み、第2部では宇宙服風の衣装に着替えたKOTOが、宇宙船を模したオブジェが飾られたステージに1人で登場。「琴虎飯店」で口火を切り、「愛を届けるお人形」や「Can go!!」といった思い出深い楽曲を届けていく。ニュージャックスウィングを取り入れた「Dancing like a snail」やSAWA提供のキラーチューン「ギザギザのロンリナイ」を続けて踊ったKOTOが「宇宙の戦士になる準備はいいですか!」と呼びかけると「タイガーファイヤーサイバーファイター」へ。ハイテンションなサウンドに乗って、KOTOはエクササイズのようなダンスをエネルギッシュに踊り、爽快なムードを生み出した。
ここでパフォーマンスを一時休止したKOTOは、観客と向き合い「ことらーがいなかったらここまでやってこれてないです。ここまで継続してこれたのは、本当に応援してくれるみんなのおかげです」と思いを伝える。続けて家族やスタッフへの感謝の言葉を口にする中で涙ぐんでしまうが、「まだまだ続きがあるので気を取り直していきたいと思います! みんな楽しむ準備はいいですか!」と気丈に振る舞い、ユーロビートの「おとこのこちゃん」へ突入。ことらーと一緒に高速でパラパラを踊って涙を振り払い、その勢いのまま「たまにきみにまるまって」になだれ込む。するとフロア前方のことらーたちに動きが。これまでも創意工夫に満ちた仕掛けでKOTOのライブを盛り上げてきたことらーたちが、このライブで用意したのは映画「BACK TO THE FUTURE」に登場するタイムマシン・デロリアンを模した工作物と大きなメッセージボード。これはツアータイトルの「BACK TO THE UNIVERSE」にちなんだもので、それらを必死に掲げることらーたちの姿を見たKOTOは「ありがとう!」と微笑んだ。そのツアータイトルを冠した楽曲「BACK TO THE UNIVERSE」で自身の武器であるダンススキルを存分に見せたKOTOは、10代の集大成としてユニバーサルミュージックからリリースしたアルバムのタイトル曲「ばいばいてぃーんずららばい」を披露。ことらーと手を振り合い、「今日という日を忘れないでいてくれたらうれしいです」と挨拶してステージをあとにした。
ステージの幕が閉じたあと、フロアでデロリアンが神輿のように掲げられ、アンコールを求める拍手が沸き起こると、マントを羽織ったKOTOが再び登場。ことらーが彼女を送り出すために用意したピンク色のサイリウムが輝く中、KOTOはこの日2度目の「プラトニックプラネット」で最後の力を振り絞り、「よくできました!」という言葉でソロアイドルとしてのラストパフォーマンスを締めくくった。すべてを出し尽くしたKOTOは「出会ってくれて、見つけてくれて、本当にありがとうございました。とても幸せでした」と告げ、「そろそろお時間です。本当にありがとう」という彼女の言葉と合図に背後の宇宙船がガタガタと作動。カウントダウンとともに舞台の幕が閉じられていき、「行ってきます」と手を振るKOTOの姿が完全に見えなくなると、宇宙船が地球を飛び立つ発射音が会場に響きわたった。
ライブ後、YouTubeでは「BACK TO THE UNIVERSE」のミュージックビデオが公開された。MVは「タイガーファイヤーサイバーファイター」の映像も手がけた東市篤憲が監督したもので、地球を旅立ったKOTOのストーリーが描かれている。またツイキャスでは5月13日23:59までラストライブのアーカイブ映像を配信中。
なお本日5月1日から9日にかけて、東京・中野の謎の店ではコラボイベント「謎のKOTO展」が開催されており、今夜21:30からは佐々木喫茶、吉田豪、南波一海がKOTOを語り尽くす配信トークイベントが行われる。視聴チケットはツイキャスで販売中。
KOTO「BACK TO THE UNIVERSE TOUR - FINAL -」
2021年4月29日 WWW セットリスト
01. 推定スウィーティ
02. くえすちょんくえすと
03. バレンタインズバレリーナ
04. 舞踏遊戯
05. エンジェルがエンドレス
06. SixteenSick
07. ことりっぷ
08. プラトニックプラネット
09. スーパールーパー33(レコライドコラボ)
10. チキチキ(RIKEコラボ)
11. へなちょこ(SAWAコラボ)
12. 琴虎飯店
13. 愛を届けるお人形
14. Can go!!
15. Dancing like a snail
16. ギザギザのロンリナイ
17. タイガーファイヤーサイバーファイター
18. おとこのこちゃん
19. たまにきみにまるまって
20. BACK TO THE UNIVERSE
21. ばいばいてぃーんずららばい
<アンコール>
22. プラトニックプラネット