蓮沼執太フィル、いとうせいこう、和田永らが出演する音楽とアートのフェスティバル「隅田川怒涛」が5月22日(土)、23日(日)に無観客で行われ、その模様がYouTubeで無料生配信される。
「隅田川怒涛」は東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京が主催するイベント「Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13」のプログラムの1つとして春期と夏期の2回にわたり実施されるもの。コロナ禍の影響で昨年4月から開催延期となったのち、東京都に発令された3度目の新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を受け、オンラインで行われることとなった。
初日の5月22日には蓮沼フィルによる野外コンサート「浜離宮アンビエント」を配信。ゲストとして寺尾紗穂、角銅真実、笙演奏家の音無史哉、詩人の大崎清夏が出演するほか、蓮沼が本公演のために制作した“和歌”がテーマの新曲も披露される。
5月23日にはいとうせいこうを中心に言葉をフィーチャーしたプログラム「ことばの渡し」を展開。前半はカニエ・ナハ、宮尾節子、晋平太によるワークショップ、後半はいとう、GOMESS、なみちえ、SECRET COLORSらが出演するライブの模様が配信される。さらに使われなくなった電化製品を新たな楽器として蘇らせる和田によるプロジェクト「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」のワークショップとバンドパフォーマンスも披露される。
清宮陵一(NPO法人トッピングイースト)コメント
いよいよ! 2年の準備期間を経て「隅田川怒涛」の春会期を迎えることができました。改めまして、ここまでの間、開催に向けてご尽力くださった全ての方に感謝いたします。
残念ながら、東京では三度目となる緊急事態宣言下での開催となってしまい、隅田川沿いで皆さんにお会いすることは叶いません隅田川南北約10kmを舞台に、たくさんのプログラムが同時多発的に展開され、それらの間を遊覧船に乗ったり新緑豊かなテラスを歩いたり、、という今となっては夢のような景色は、いずれまたの機会を探れたらと思います。
それでも、5月22日と23日に実施する全てのプログラムは、アーティストたちが隅田川沿いに集い、リアルタイムライブ配信というかたちで皆さんに楽しんでいただけるようにしました。今回、浜離宮恩賜庭園を会場に蓮沼執太が新作を発表する「浜離宮アンビエント」では、寺尾紗穂と角銅真実もゲストとして参加します。また、廃家電を電子楽器として蘇生させて合奏する「エレクトロニコス・ファンタスティコス!~家電集轟篇~」(和田永+Nicos Orchest-Lab)と、日本のヒップホップの先駆者いとうせいこうを中心に言葉を用いた表現者が一堂に会する「ことばの渡し」を同日同会場にて実施し、さらには両プログラムがコラボレーションする時間も用意しています。
隅田川周辺は、さかのぼればこれまでに、明暦の大火をきっかけに両国橋が架けられたことによって栄え、飢饉による餓死者の慰霊と疫病退散のために今の隅田川花火の前身となる両国花火が生まれ、関東大震災、東京大空襲からも時間をかけて復興してきました。
葛飾北斎が描いた「怒涛図」の浪のように、人と人とが混ざり合っていく姿を隅田川流域で描いていくプロジェクトが「隅田川怒涛」です。その精神は叶わない状況であっても息づき、根を張り、未来へと確実につながっていくと信じています。
Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13「隅田川怒涛」春プログラム
浜離宮アンビエント
2021年5月22日(土)18:30~20:00(※天候により時間変更の場合あり)
<出演者>
蓮沼執太フィル(蓮沼執太、石塚周太、イトケン、大谷能生、尾嶋優、葛西敏彦、K-Ta、小林うてな、ゴンドウトモヒコ、斉藤亮輔、千葉広樹、手島絵里子、三浦千明、宮地夏海)
ゲスト:大崎清夏 / 音無史哉 / 角銅真実 / 寺尾紗穂
ことばの渡し
2021年5月23日(日)15:00~18:00
<出演者>
いとうせいこう / カニエ・ナハ / 川越サイファー / くるんちゅ from Mad City / GOMESS / 新橋サイファー / 晋平太 / SECRET COLORS / 田中象雨 / Dr. マキダシ / なみちえ / 宮尾節子
エレクトロニコス・ファンタスティコス!~家電集轟篇~
2021年5月23日(日)18:00~19:30
<出演者>
和田永+Nicos Orchest-Lab