松村沙友理(乃木坂46)の卒業コンサート「さ~ゆ~Ready? ~さゆりんご軍団ライブ / 松村沙友理 卒業コンサート~」が6月22日と昨日23日に神奈川・横浜アリーナで開催された。
2011年に乃木坂46 1期生オーディションに合格し、約10年間グループの中心メンバーとして活動してきた松村。これまでにリリースされた全シングル27枚で選抜入りを果たしており、その明るくポジティブなキャラクターとおおらかな人柄でメンバーやファンから愛されてきた。今回の公演は、彼女が率いる“さゆりんご軍団”によるライブと松村の卒業コンサートという2部構成で行われ、23日にはライブの模様がStagecrowd、Rakuten TV、ABEMA、Hulu、LINE LIVE-VIEWINGで生配信された。この記事では同ライブ2日目にあたる23日公演の様子をレポートする。
第1部・さゆりんご軍団のライブは軍団員の紹介ムービーで幕開け。雨の中ビニール傘を差しながら鼻歌を歌う松村の映像が映し出されると、彼女のハミングを合図に鼻歌バージョンの「Overture」が流れ始める。会場が早くもさゆりんご軍団によるシュールな世界観に包まれる中、軍団員である松村、伊藤かりん、佐々木琴子、寺田蘭世、そして松村と同じ1期生で2020年にグループを卒業した中田花奈が登場。5人で「ぐんぐん軍団」「白米様」をはつらつと歌い、コミカルな歌詞や振り付けでオーディエンスを楽しませた。自己紹介を終えた軍団長の松村は、神妙な面持ちで「結成から7年、本日さゆりんご軍団、解散ライブとなります」と挨拶。寺田は「解散ライブ」と書かれた大きな横断幕が頭上に掲げられているのを一瞥し、「解散については特に聞かされてなかったんですけど、1曲1曲噛み締めなきゃなと思います」と真剣な表情で発言して観客の笑いを誘った。
その後5人は、「ハルジオンが咲く頃」「何度目の青空か」「ハウス!」の替え歌バージョンである「さゆりんごが咲く頃」「何度目の軍団か?」「ライス!」を意気揚々と披露。「2度目のキスから」のパロディ「りんごのパクリから」では、秋元真夏と“真夏さんリスペクト軍団”の鈴木絢音が舞台に乱入し、両軍団によるゆるやかでほほえましいバトルが繰り広げられた。その後彼女たちは、HoneyWorks meets さゆりんご軍団+真夏さんリスペクト軍団 from 乃木坂46名義の楽曲「大嫌いなはずだった。」、さゆりんご軍団のオリジナル曲「働き方改革」を歌唱。サプライズでJAグループ会長・中家徹氏からのビデオレター、この日の映像のナレーターを務めた堀江由衣からのメッセージが届けられると、堀江の大ファンを公言する松村が思わず涙をこぼす。そして「さゆりんご軍団って、需要ありそうですね」とつぶやいた松村は、動揺するメンバーに向かって、「さゆりんご軍団は、解散しません!」と高らかに宣言。「解散せーへんで!」というテロップとともに大きな横断幕が床へと落ちていく中、事情を察したファンたちに軍団の解散騒動が“茶番”であることが明かされた。そして5人は火花が散るステージで「さゆりんご募集中」をエネルギッシュにパフォーマンス。「また50年後にライブやろう!」と談笑しながらステージをあとにした。
しばしの休憩タイムをはさみ、公演は第2部・松村の卒業ライブ本編に突入。水玉模様とフリルが印象的な衣装に身を包んだ松村が登場し、6月9日にリリースされたばかりの自身のソロ曲「さ~ゆ~Ready?」を手を振りながら歌い上げた。続いて「乃木坂ー! 踊れー!」と叫びメンバーと合流した彼女は、「ガールズルール」を勢いよくパフォーマンス。「夏のFree&Easy」では、梅澤美波の「今日はみんなで松村さんにたくさんの愛を伝えていきましょう!」という煽りに笑顔を見せ、会場いっぱいのオーディエンスと心を通わせた。その後松村は、同期の白石麻衣の卒業以降、自身の心の支えになっていたという向井葉月を「でこぴん」でフィーチャー。また大の仲よしである新内眞衣と涙ながらに「今、話したい誰かがいる」をデュエットしたり、2人で“からあげ姉妹”というユニットを組む生田絵梨花と「無表情」「1・2・3」「やさしさとは」を披露したりと、各メンバーとの強い絆を感じさせるステージを展開した。
ライブ終盤に差しかかる頃、松村が1人舞台に立ち歌唱したのは「急斜面」。この楽曲はファンから“御三家”と呼ばれていた1期生 橋本奈々未、白石、松村の3人によるユニット曲で、すでにグループを卒業した橋本と白石の存在を思い起こさせるように、松村が立つステージには3色のスポットライトが照らされていた。続く「泣いたっていいじゃないか?」では1期生8人が集合。そして松村の「私がやりたかったことを全部こうして形にしてもらって、本当にありがとうございます。次の曲も、私にとってとても大切な曲です」という紹介のあと「シンクロニシティ」がスタートすると、松村はかつて白石が務めていたセンターポジションに堂々と立ち、メンバーとともにエモーショナルなパフォーマンスを届けた。
アンコールに突入し、ベージュ色のドレスに身を包みステージに現れた松村は、グループのメンバーとして活動してきた10年間を振り返りつつ、両親、家族、スタッフ、メンバーへの感謝の思いを涙ながらに明かす。そしてぐるりと客席を見回した彼女は、「ファンの皆さん、私の10年間はどうでしたでしょうか? 乃木坂46として10年間生きてきてつらいこともあったけど、辞めないでがんばろうと思えたのはファンの皆さんのおかげだと思います」「卒業発表してからも実感がなかったけど、オンラインで皆さんと話したとき、いつもは笑っている皆さんが泣いているのを見て、初めて卒業を実感しました。これからは皆さんとそうやってお話できなくなると思うと本当にさみしい。私にとって、ファンの皆さんはかけがえのない存在でした。この10年間、どんなときも支えてくださってありがとうございました」と声を震わせ、「皆さんのおかげで素敵な10年になりました。乃木坂46に入って心からよかったと思います。えへへ」と涙を浮かべながら笑顔を見せた。
その後、全員で橋本の卒業シングル曲「サヨナラの意味」、ドキュメンタリー映画「悲しみの忘れ方~Documentary of 乃木坂46~」の主題歌「悲しみの忘れ方」を歌唱。そしてラストナンバーとして再び「さ~ゆ~Ready?」が流れ始めると、花道を歩く松村にメンバー1人ひとりからバラの花が渡されるというサプライズが。齋藤飛鳥と生田にサポートされながら無事に会場を1周した松村は、「みんな本当に最高だよ! さゆりんご、完全燃焼しましたー!」「乃木坂46のことも、皆さんのことも大好きです。本当に、ありがとうござい……まっちゅん!」と元気に手を振って卒業公演に幕を下ろした。
乃木坂46「さ~ゆ~Ready? ~さゆりんご軍団ライブ / 松村沙友理 卒業コンサート~」2021年6月23日 横浜アリーナ セットリスト
<さゆりんご軍団ライブ>
00. Overture(鼻歌ver.)
01. ぐんぐん軍団
02. 白米様
03. さゆりんごが咲く頃
04. 何度目の軍団か?
05. ライス!
06. りんごのパクリから
07. 大嫌いなはずだった。
08. 働き方改革
09. さゆりんご募集中
<松村沙友理 卒業ライブ 本編>
00. Overture
01. さ~ゆ~Ready?
02. ガールズルール
03. 夏のFree&Easy
04. ロマンスのスタート
05. ごめんねFingers crossed
06. でこぴん
07. 今、話したい誰かがいる
08. 無表情
09. 1・2・3
10. やさしさとは
11. 急斜面
12. 泣いたっていいじゃないか?
13. ひと夏の長さより
14. シンクロニシティ
<アンコール>
15. サヨナラの意味
16. 悲しみの忘れ方
17. さ~ゆ~Ready?