ザ・ドリフターズとももいろクローバーZによるライブイベント「ドリフ&ももクロ ライブフェス~コントもあるョ!全員集合~produce by もリフのじかん」が本日11月18日に東京・日本武道館で開催された。
「ドリフ&ももクロ ライブフェス」はニコニコ生放送で配信中のザ・ドリフターズとももクロが世代を超えて交流するトークバラエティ「もリフのじかん~ももいろクローバーZ×ザ・ドリフターズ~」発のイベント。ザ・ドリフターズが日本武道館のステージに立つのは1966年のThe Beatlesの来日コンサートで前座を務めて以来、約55年ぶりとなった。スタジオを飛び出した2組は生バンドのコラボステージや、飯塚悟志(東京03)が書き下ろした新作コントを披露し、歌あり笑いありのバラエティ豊かなライブで観客を楽しませた。
開演時刻になると竹上良成(Sax)率いるバックバンドの演奏が始まり、The Beatlesの来日コンサートをオマージュしたステージセットの前に加藤茶、仲本工事、高木ブーがそろって登場。「ドリフのズンドコ節」で長年変わらない軽快な歌声を届け、観客から盛大な拍手を浴びた。加藤は「55年前はあと2人いたんですよ。いなくなっちゃったんですよねー。だから3人だけでもがんばろうぜ。でもね、3人だけじゃ心もとないから、いつもやっている仲間を呼びましょ」と半世紀の間にメンバーが減ったことを明るく笑いにしながら挨拶し、ももクロと飯塚をステージに呼び込む。2曲目に「こぶ茶ルンバ」が披露され、ももクロや飯塚もザ・ドリフターズとともに陽気な歌声を響かせた。
飯塚の妻である藤田真由美がバックバンドのコーラスに加わっている話などで盛り上がったあと、今度はももクロによるライブのターンへ。おなじみの登場SE「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」に合わせて改めてステージに現れた4人は、「月色Chainon」「Chai Maxx -ZZ ver.-」「笑一笑 ~シャオイーシャオ!」というタイプの異なるナンバー3曲をパフォーマンス。幅広い表現力、堂々としたステージングでモノノフ(ももクロファンの呼称)のボルテージをぐんぐんと上昇させた。
続いてお笑いコンビ・かが屋のネタを幕間に挟みつつ、ライブはコントパートへ突入する。まずは飯塚が自身で書き下ろしたコント「金メダル」をザ・ドリフターズの3人と披露。大先輩との共演に緊張した様子を見せていた飯塚だったが、アーチェリーの金メダリストのもとに、小学校の頃の恩師を名乗る謎の老人3人が訪ねてくるというネタで世代差を感じさせない絶妙なやり取りを繰り広げ、会場に大きな笑いを起こした。また、琴の演奏で失敗した人がお仕置きを食らうコント「お琴教室」にはももクロの4人も参加。「お仕置きですもんね。すみません、お仕置きですよ」と何度も断りを入れつつ、60歳近く年上のザ・ドリフターズを一斗缶などで勢いよく叩いてみせた。
フジテレビ系「ドリフ大爆笑」の人気コント「雷様」を復活させた「3人の雷様」では、仲本と高木がいかりや長介に代わる新しい雷様のリーダーに高城れにを勧誘。高城はウクレレの演奏に乗せて「スターダストセレナーデ」を歌ったほか、初期にももクロのリーダーを降ろされたことを自虐して語ったり、仲本がYouTubeチャンネルを更新しないことをいじったりと、お笑い芸人・永野とのライブ「永野と高城。」で磨いた笑いの腕前を遺憾なく発揮し、緩さと毒が共存するコントの世界観に見事に溶け込む。さらにコントパートのラストにはお笑いコンビ・ゾフィーの上田航平が書いたネタ「ただテンポがいいだけの人たち」をももクロと飯塚が披露。百田夏菜子がひと言目のセリフで噛み、コントがやり直しになるというグダグダな始まりだったが、曲に合わせてテンポよくセリフを畳みかける難易度の高いネタを本番で初めて成功させ、冠番組「ももクロChan」で長年共演している飯塚を唸らせた。
多彩なネタで会場を盛り上げたザ・ドリフターズとももクロは、公演終盤に再びライブパフォーマンスを展開。リトル・リチャード「のっぽのサリー」とエルヴィス・プレスリー「トラブル」の2曲で加藤はドラム、仲本と高木はギターの演奏を披露し、笑いも交えた往年のステージングでまだまだ現役であることを証明してみせた。リズムに合わせて早口言葉を言う「ドリフの早口言葉」では、出演者全員が合唱隊の白い衣装を着てステージに。飯塚は加藤の提案により妻の“まゆみっくす”と一緒に早口言葉にチャレンジすることになり、気恥ずかしそうな表情を浮かべていた。
その後、ももクロはザ・ドリフターズとバンドメンバーの演奏をバックに代表曲「走れ! -ZZ ver.-」を歌唱し、会場をカラフルなペンライトの光で染め上げる。クライマックスの「もリフMIXメドレー」ではザ・ドリフターズの楽曲「誰かさんと誰かさん」「ほんとにほんとにご苦労さん」や、ももクロの楽曲「行くぜっ!怪盗少女」「コノウタ」が次々に畳みかけられたほか、飯塚がTHE ALFEE「My Truth」を気持ちよさそうに熱唱。自身の歌にまゆみっくすがコーラスを重ねたことを、桑田佳祐と原由子の関係になぞらえて「サザンと並んだじゃないか」といじられていた。
そして「ドリフ&ももクロ ライブフェス」の最後に歌われたのは、「8時だョ!全員集合」や「ドリフ大爆笑」のエンディングテーマとして知られるザ・ドリフターズの代表曲「いい湯だな」と「さよならするのはつらいけど」。出演者たちは「風邪ひくなよ」「宿題やれよ」「お風呂入れよ」という懐かしのフレーズを叫び、曲に合わせて手拍子を鳴らす観客に向かって笑顔で別れを告げた。
なお、この公演の模様を生中継したニコニコ生放送ではアーカイブ映像をタイムシフト視聴することができる。
「ドリフ&ももクロ ライブフェス~コントもあるョ!全員集合~produce by もリフのじかん」2021年11月18日 日本武道館 セットリスト
ザ・ドリフターズ
01. ドリフのズンドコ節
02. こぶ茶ルンバ
ももいろクローバーZ
SE. overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
01. 月色Chainon
02. Chai Maxx -ZZ ver.-
03. 笑一笑 ~シャオイーシャオ!
ザ・ドリフターズ&ももいろクローバーZ
01. のっぽのサリー~トラブル
02. ドリフの早口言葉
03. 走れ! -ZZ ver.-
04. もリフMIXメドレー(誰かさんと誰かさん~ほんとにほんとにご苦労さん~行くぜっ!怪盗少女~コノウタ~My Truth~ももちゃん)
05. いい湯だな~さよならするのはつらいけど