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時代を先取りした“戦わないアイドル”Tomato n' Pineとは?

吉田豪
2年以上前2022年07月31日 15:07

2009年4月のデビューから2012年12月の“散開”(解散)まで、約3年8カ月という短い活動期間ながら、今もなお多くのファンに愛されているアイドルグループTomato n' Pine(トマトゥンパイン)。“トマパイ”の呼び名で親しまれた彼女たちが、2012年8月1日にリリースした唯一のアルバムが「PS4U」である。アイドル作品の名盤として高く評価される「PS4U」の発売から本日2022年8月1日で丸10年。そのタイミングに合わせ、トマパイファンとしても知られる吉田豪とともに今一度彼女たちの魅力を探っていこうというのが今回の記事の主旨だ。“戦わないアイドル”を自称した彼女たちが短い活動を通じてアイドルシーンに残したものとは?

取材 / 文・土屋恵介 撮影 / 臼杵成晃

agehaspringsが手がけるアイドルとしてデビュー

Tomato n' Pineが散開して10年。流れの激しいアイドルシーンだけに、トマパイを知らない人たちがいてもおかしくない。まずは彼女たちのプロフィールを駆け足で紹介しよう。トマパイは、2009年にグラビアアイドル / 俳優として活動していた小池唯と奏木純の2人組ユニットとして結成され、同年4月4日にミニアルバム「Life is beautiful」でCDデビュー。YUKI、中島美嘉、Superflyらのヒット曲を多数生み出していたクリエイティブカンパニーagehaspringsが手がけるアイドルとしてシーンに登場した。現在コラムニストやラジオパーソナリティなど多岐にわたって活躍するジェーン・スーが作詞とコンセプトプロデュースを手がけていたことでも知られる。しかし2人組時代のトマパイは、奏木の芸能活動休止で同年夏に早くも活動が止まってしまう。翌2010年春、奏木の正式脱退を受け、YUI(小池唯)に加えて、HINA(草野日菜子)とWADA(和田えりか)が加入し、同年8月25日にシングル「キャプテンは君だ!」をリリースして3人組グループとして活動再開。2011年3月9日にはシングル「旅立ちトランスファー」でメジャーデビューを果たした。

当時は今につながるアイドルシーンが徐々に形作られ始めた時期だった。2009年にAKB48が「言い訳Maybe」「RIVER」などで一般層を巻き込んでブレイク。翌2010年には、ももいろクローバーがメジャーデビューしたり、第1回「TOKYO IDOL FESTIVAL」が開催されたりと、まさにアイドル戦国時代前夜といったタイミングだった。総選挙や全力パフォーマンスなどを通じて、心身を削って上を目指すアイドルが脚光を浴び、さまざまなコンセプトのグループが出てくる中、トマパイが掲げたキーワードは“戦わないアイドル”というもの。アイドルシーンが徐々に熱気を孕んでいく状況において、普通っぽさ全開のメンバーが、引用を多用した渋谷系的なポップソングや時代の先取りとも言えるシティポップ的な楽曲を肩ひじ張らずに歌うスタイルはとても斬新だった。

吉田豪のプロインタビュアー人生に影響を与えた初期トマパイ

前置きが長くなったが、吉田豪にトマパイとの出会いを振り返ってもらおう。

「当時のボクがやっていたのは元アイドルとかヤバそうな芸能人とかプロレスラーとかのインタビューばかりで、雑誌『B.L.T.』の連載(1/2ページのインタビュー連載『吉田豪の青春賛歌アイドル盆地』。のちに1ページ連載の『ぶらり豪』にリニューアル)くらいでしか現役アイドルとは仕事していなかったんですよ。その連載にしても当時はAKBのブレイク前だからゲストは女優とかグラドルとかAV女優とかが多かったし、それでも星井七瀬とか杏さゆりとか、いい歌を出した子がいればすぐ連載に呼んで絶賛するぐらいの感じで。そしたら2007年にPerfumeのブレイクがあって、『アイドルもちゃんとした曲を出していこう』という流れができてゲスト選びに困らなくなってきて。Perfumeと同じ徳間ジャパンからはスウェディッシュポップ路線のバニラビーンズも出てきた。そんなタイミングで2人組時代のトマパイに衝撃を受けたんですよ。たぶん時期的にmixiとかで偶然知ったと思うんですけど、デビュー時にHMV新宿でやったインストアライブの動画でド肝を抜かれました。とんでもない楽曲のクオリティと圧倒的なビジュアルとほどよい拙さと照れ。いろんなもののバランスがよすぎて一発でヤラれてすぐにデビューCDを買いました。そのインストアの『Unison』はボクが人生で一番多く観たYouTube動画だと思います。当時は今と違って、アイドルがアルバムを出すまで活動を続けられることが当たり前じゃない時代だったんですよ。ブレイク以前のPerfumeにも同じことを言ったように、トマパイを連載のゲストに呼んで『あなたたちの方向性は間違ってないです!』と伝えなきゃいけない使命感にかられました(笑)」

この時点で、トマパイに対する吉田豪の熱量の高さが強烈に伝わってくる。彼は、音だけでなくトマパイのビジュアルプロダクトのよさについても、こう語る。

「2人がゴロゴロ寝転がって写真を撮るシーンとかを収めた初期のプロモーションビデオがあって。雑誌『H』とか、ああいう90’sっぽい感じで作られてるんですけど、ボクはその映像に映画『ヴァージン・スーサイズ』みたいな雰囲気を感じたんです。すごく絵がきれいでかわいらしいけど中身はない、Sex Pistols的に言うと“Pretty Vacant”みたいな(笑)。2人時代のトマパイは、そんな雰囲気を醸し出していましたね」

では、当時のインタビューで感じたことを語ってもらおう。

「小池唯と奏木純は、生年月日(1991年4月4日生まれ)も学校も同じで、仲よくなって同じオーディションを受けたと言ってました。でもボクの中には、友達同士で結成した2人組アイドルは必ず失敗するという持論があるんですよ(笑)。彼女たちもデビューCD『Life is beautiful』の時点で、ケンカして仲直りするという内容の曲(『Unison』)を歌ってるわけですけど、そこですでに不穏ではあって。初めて取材した時点であまり活発に活動してなかったというか、実は、このときもなんとなく嫌な予感はしていたから、『とにかく素晴らしい音楽をやっているんだから、活動を続けてください!』と2人に伝えに行くのが目的みたいなものだったんですよ。それに対して彼女たちも『続けたいです』みたいなことを言って、『その言葉を聞けただけで満足ですよ』というボクの言葉で記事が終わっているわけですけど、結局この取材が2人としての最後の活動になってしまったことがあとでわかった、と。すでに手遅れだったみたいなんですよね」

わずかな期間で終わってしまった2人組時代のトマパイ。それが、吉田豪のプロインタビュアー人生に大きな影響を与えることになったというのだ。

「2人組時代は活動期間が2009年の春から夏とすごく短くて、その後と違ってアイドル同士の対バンイベントにもほぼ出ていなかったし、ライブも数回しかやってない。『生で観た人どれくらいいるんだろう?』って感じなんですよ。当時のボクは仕事のスケジュールを最優先していたので、あまりアイドルのライブに行ってなかったんです。仕事が終わってちょっと時間ができたタイミングで、その日に行けるインストアライブに顔を出す程度で。でも2人組時代のトマパイを生で観られなかったことをすごく後悔して、どれだけ仕事が忙しくても、ちゃんと生の現場に行かなきゃダメだと思うようになりました。ここで人生が変わったんですよ(笑)。それくらいの時期からアイドルのインタビュー仕事をガッツリするようになったわけですけど、そのきっかけがトマパイだったのは間違いないです」

YUI、WADA、 HINAの3人組として活動再開

その後トマパイは、YUI、HINA、WADAという絶妙なバランスの3人組となって2010年5月にカムバック。シングル「キャプテンは君だ!」を発表してアイドルシーンでじわじわと話題を集めていくこととなる。吉田豪もグループの活動再開を喜びつつ、その一方で複雑な思いを抱いていたのだという。新生トマパイとも仕事はしていたが、そうなっても吉田豪は2人組時代のトマパイへの思いに取り憑かれていた。

「当然3人組時代も大好きだったんですよ。曲もいいし応援はしてたけど、ただ2人組時代が好きすぎた(笑)。2人組時代に残した作品がCD1枚しかなくて、その頃の曲は封印されちゃったし、ほかに作品が何もないから、情報に飢えすぎていたせいで奏木純の水着DVDまで手に入れて。人生で初めてアイドルのイメージビデオを買いましたよ(笑)。当時ボクの師匠でもあるリリー・フランキーさんが『グラビアアイドルのDVDをスローで再生しながらThe Beatlesをかけると亡くなったときのイメージ映像みたいになって泣けるし、酒が進む』と言っていたので、ボクも奏木純の映像に合う曲をいろいろ試して。彼女が森を走り抜けた瞬間に小池唯と遭遇してハグするみたいなシーンがあるんですけど、そこに一番ハマったのがRocketshipの『Hey Hey Girl』でした」

ちなみに奏木純は2013年に行われたオーディション「ミスiD 2014」にエントリーし(当時の芸名は金子織江)、吉田豪賞を受賞している。

「自由人ぞろいのミスiD参加者の中でも、奏木さんはトップクラスで自由人でした。オーディションの最終審査直前に『その日は家族旅行があるから行けません』って突然言い出して(笑)。彼女のためだけに審査委員長の小林司さんとボクの2人で急遽、面接の日を設けたんですよ。ほかの審査員は誰も来れなかったんですけど、そこでちょっと歌ってもらおうって流れになったから、もちろんボクが『Unison』をリクエストして。彼女、もうすっかり歌詞も忘れてたから、スマホで歌詞を見ながら歌って、ボクら2人はすごい高まったんですけど、結局おじさん2人が盛り上がったところで、その現場も見てなければ思い入れもないほかの審査員には伝わるわけがないんですよね(笑)。女性審査員に届くような魅力もある人だったけど、生で見ないとそれも伝わらないから、どの賞にも引っかからないまま終わるところだった。でも彼女は『ここで結果を残せなかったら引退します』と言ってたんで、急遽、吉田豪賞を出したんですよ。これで引退は阻止できたと思ったら、その直後に幼なじみのサッカー選手と結婚して引退してしまったという。それも含めて自由なトマパイらしいなと思ったんですけど、それくらい2人組時代のトマパイをボクはずっと引きずってたんですよ」

常に冷静沈着で客観的な視点を持つ吉田豪がここまで過去を引きずるのはかなり珍しいことではないだろうか。そんな彼の思いとは別に、トマパイといえばYUI、WADA、HINAというイメージの人が圧倒的に多いのも事実。メンバーが変わってもグループ自体の“戦わない”姿勢は受け継がれており、その自由な雰囲気は、ジェーン・スーのプロデュースによるところが大きい。

「ジェーン・スーさんの教育がよく行き届いていて、メンバーも『今はアイドル戦国時代だけど、私たちは戦う気はありません』って自ら宣言してたんですよね。ももクロと競演したときも『私たちは、ももクロさんみたいに個性もないし武器もない。でも、それでいいんです』みたいなことを言っていて(笑)。常にのびのび活動して、圧をかけずにメンバーの個性を生かすというジェーン・スーさんの理想を体現したグループだったと思いますね。スーさんは、のちのち『自由にしすぎて、それが大変だったと気付きました』とボヤいてましたけど(笑)」

トマパイのメンバーは、いい意味で変に着飾らず、素の自分のままでアイドルをやっていたわけだ。ここで吉田豪にインタビューを通して感じた3人の印象を語ってもらおう。

「YUIさんは本当に自然体でピースフルな人です。でもアイドル戦国時代の中であえて“戦わない”という姿勢を打ち出していたのに、戦隊モノのドラマ(2011年『海賊戦隊ゴーカイジャー』にゴーカイピンク役で出演)に出ているという(笑)。一時セミリタイアして2020年に芸能界に復帰したんですけど、ピースフルな印象は今も変わらずで。たまにTwitterのスペースを聞きに行っても、仲がいい俳優さんと話してるだけで相変わらず平和そうだなって(笑)。WADAさんには不器用な人という印象がありますね。不器用ながらも常にまっすぐな姿勢でアイドル活動に取り組んでいて。アイドルとしてのポテンシャルが高いのは間違いなかったし、インタビューでも『トマパイの今後はWADAさんの覚醒次第ですよね』と話したのを覚えています。HINAさんは“気遣いの人”という印象。自由人すぎるYUIさんと、口下手なWADAさんの間で、がんばってインタビューに答えてくれてました。3人の中で一番トマパイ的な匂いがなかったHINAさんがその後、トマパイの音楽性も受け継いだFaint★Starというアイドルグループをやることになるのも意外でしたね」

アイドルシーンに燦然と輝く名盤「PS4U」

そんな彼女たちが2012年8月1日にリリースした唯一のフルアルバム「PS4U」は、アイドルシーンに燦然と輝く名盤にして、トマパイのキラキラした魅力がたっぷり詰まった作品だ。McFadden & Whiteheadのダンスクラシック「Ain't No Stoppin' Us Now」を下敷きにしたグルーヴィな「ワナダンス!」を筆頭に、ポップなハウスチューン「なないろ☆ナミダ」、サンバテイストの「10月のインディアン」、フィリーソウル感あふれる「キャプテンは君だ!」、Stock Aitken Watermanを彷彿とさせるユーロビート「POP SONG 2 U」など、トマパイの楽曲はダンスミュージックをベースにしたトラックが多く、サウンドはストリングスや生音を生かし、極力当時のトレンドを入れていない。そのぶん今聴いても古さがないのだ。そしていい意味で抑揚のない3人のボーカルが、切なさと高揚感が共存するメロディのよさをさらに上昇させるというマジックも起きている。またジェーン・スーによる歌詞は、10代の女の子の日常から生まれる感情をそのままパッケージしたような感覚があり、それが3人のキャラとジャストなマッチングを見せている。また、それぞれ曲調は違えど、どの曲を聴いてもトマパイらしいなと思えるところも面白い。

吉田豪も本作について「好きな1曲を選べないくらい名曲ぞろいのアルバム」だと賞賛しつつ、その一方でコアなトマパイファンならではのこんな苦言を呈する。

「ボクが3人組時代で一番好きな曲はシングル『キャプテンは君だ!』のカップリング曲『ためいき、オカリナ、ほら猫が笑う。』なんです。アルバム未収録のこういう名曲がサブスクで配信もされず埋もれてしまっているのは非常にもったいないと思うんですよ」

順調な活動を展開する最中、突然の解散発表

トマパイは2012年2月から西麻布のクラブeleven(元YELLOW)で「POP SONG 2 U」というイベントを毎月開催していた。アイドル以外にも、ZEN-LA-ROCK、土岐麻子、サイプレス上野とロベルト吉野、住所不定無職、SAWA、Small Circle of Friends、かせきさいだぁ&ハグトーンズなど、多彩なゲストを迎えて行われていた本イベントは、組み合わせの妙もありなかなかの楽しさだった。

8月には1stアルバム「PS4U」を発表し、活動のペースも順調。グループの人気もさらに高まっていた。しかしトマパイは11月17日にオフィシャルサイトで突然“散開”を発表。12月29日にelevenでの「Tomato n' Pine ワンマンライブ The First and The Last “POP SONG 4EVER ~散開~”」で3年8カ月の歴史にピリオドを打った。

「今も忘れられないんですけど、ラストライブがボクの配信番組『豪STREAM』とカブってしまったんですよ。ライブの途中で帰らなきゃいけなくて、最後の瞬間まで観ることができなくて、それがすごく心残りでした」

個人的な話だが、トマパイのラストライブで真っ先に思い浮かぶのは、隣で観ていた知人の音楽ライターがボロボロ号泣している姿。「こんな素晴らしい空間がなくなるなんて……」という彼のひと言は、1人のトマパイファンのストレートな思いとして今も自分の心に焼き付いている。それとは対照的に、メンバー3人は至って通常のライブをしていたような記憶しかないのが実にトマパイらしいところだ。

「本人たちは解散に対してもドライな感じでしたよね。『どうしても続けたかったのに!』みたいな思いが、それほどなかったと思うんです。そういう意味でも、最後まで自然体で」

今もTwitterで“トマパイ”というキーワードを検索すると、コンスタントに誰かしらが“いいグループだった”的なことをツイートしている。活動期間も短く、決して大ブレイクしたわけではないが、刺さる人にしっかりと刺さったわけだ。彼女たちには、まさに“記録よりも記憶に残るアイドルグループ”というワードがぴったりとハマる。

「そういう声が多いのは、嫌な部分を見ないで終わったというところもありますよね。ギスギスした部分を見せられたり、イメージを裏切られたりすることもなかったですから。集客がどんどん落ちたり、音楽性がガラっと変わったりするようなこともなければ、メンバーのスキャンダルもなく、突然解散して。バニラビーンズが解散したときには、メンバーの無念さみたいなものが伝ってきましたけど、トマパイのメンバーからはそういう感情が一切伝わってこなかった(笑)。バニビの解散に関しては惜しかったとは思いますけど、充分やり切った感じもあったし、ファンの人もそこまでの喪失感を感じなかったんじゃないかな。逆にトマパイは悲壮感もなく突然終わってしまったから、そのぶんファンの喪失感が大きかった。バニビとトマパイ、デビューが近くて音楽性も近いのにここまで違うのかと思いますね」

時を経ても古びないエバーグリーンな魅力

何もないが確実にそこに何かがあった。だからこそ心に残る。アイドル戦国時代黎明期に、クオリティの高い楽曲と“戦わない”という独自のスタンスで活動を続けたトマパイ。あの時代に彼女たちが残したものについて改めて吉田豪に聞いたみた。

「非常に現代的なスタンスでアイドルをやっていたグループだと思います。かわいい子がフワッとした姿勢で、ただただ、いい曲を歌う。メンバーが運営に追い込まれていなかったのも理想的ですよね。ファンとしたら、メンバーには壊れてほしくないわけで。だから、現代的な視点でいえば究極に理想的なアイドル像だと思います。今はアイドルに以前ほど濃いキャラクターを求めない時代になってるじゃないですか。運営から圧をかけられて、いろんなグループが潰れていく中、結局は坂道グループみたいに普通にかわいい子がいい曲を歌ってるほうがいいんじゃない?みたいな風潮になっていて。そういう意味でも、かわいい子が一切の圧を受けることなく、素晴らしい曲をのびのび歌うというトマパイの存在はすごく今っぽいと思うんです。インタビューで掘っても掘ってもこれといったエピソードが出てこなくて、個人のキャラクターがあまり見えてこないところもそう(笑)。ボクらはそこに物足りなさを感じたけど、今の時代にはそれがちょうどいいのかもしれないなって。そこが、インタビューしてもいちいち面白かったバニラビーンズとは真逆なんですけど、無理せず消耗しないのが正解だったのかもなって今はちょっぴり思います」

吉田豪が名盤と掲げるデビューミニアルバム「Life is beautiful」のジャケットは、メンバーを写したチェキを並べた、このうえなくシンプルなデザインとなっている。そして、その飾らないシンプルなデザインが、時代を越えてエバーグリーンな魅力を放つTomato n' Pineというグループを象徴している気がしてならない。

「アートワークから何からまったく古びていないですからね。坂道のユニットって言われても、『そうなんだ』って思うくらいのビジュアルのクオリティじゃないですか。サウンドも一切古びていないし、改めて歌詞を読み直しても、『今、この表現どうなの?』みたいなノイズがないんですよね。本当にジェーン・スーさんのやりたいことがしっかり反映されたグループだったと思います。アイドル戦国時代以前からいい曲を歌い続けていた人たちであり、ボクにとって、『アイドルは永遠じゃないぞ』と教えてくれた重要なグループでもありますね」

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