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原田知世が40周年公演で豪華ゲストとコラボ、ファンのサプライズに涙「皆さんのことが本当に大好き」

原田知世(撮影:三浦憲治)
約2年前2022年10月21日 11:05

原田知世が10月16日に東京・東京国際フォーラム ホールAでデビュー40周年公演「原田知世 40th Anniversary Special Concert "fruitful days"」を開催した。

1982年7月にドラマ「セーラー服と機関銃」で女優デビューし、同時に主題歌「悲しいくらいほんとの話」で歌手活動をスタートさせた原田。アニバーサリーイヤーである今年は歌手活動に力を入れており、3月に通算21枚目のオリジナルアルバム「fruitful days」を発表、6月に東名阪ツアー「原田知世 40周年アニバーサリーツアー2022 "fruitful days"」を開催、そして10月5日にはレコード会社6社の枠を越えて全キャリアの中から厳選された30曲入りのオールタイムベストアルバム「原田知世のうたと音楽」をリリースした。原田は40周年公演の締めくくりとなるワンマンに、近年の作品でパートナーを組んでいる伊藤ゴロー(G)をはじめ、佐藤浩一(Piano, Key)、鳥越啓介(B)、みどりん(Dr / SOIL&“PIMP”SESSIONS)、織田祐亮(Tp)、藤田淳之介(Sax)、そして伊藤彩(Violin)、沖増菜摘(Violin)、三木章子(Viola)、結城貴弘(Cello)からなる「伊藤彩ストリングカルテット」を従えた11人編成で登場。自身の歌手活動にゆかりの深いアーティスト陣とのコラボステージを挟みながら新旧織り交ぜた全17曲をパフォーマンスした。

定刻を少し過ぎた頃、赤いワンピース姿の原田がステージに現れると場内は大きな拍手に包まれる。彼女はオープニングナンバーとして、2020年発表のカバーアルバム「恋愛小説3~You & Me」からナイアガラ・トライアングルの「A面で恋をして」をセレクトし、その澄んだボーカルをまっすぐに届けた。原田は会場に集ったファン約4000人に感謝の気持ちを伝えたのち、「今日が40周年最後のライブになります。6月のツアーでは『懐かしい曲も歌っていくので、皆さんそれぞれ心の旅をしていてくださいね』という話をしましたけど、今回はお祭りに参加するような気持ちでいてください。本当に素晴らしい大好きなゲストの方々が登場してくださいます。そうだな……“知世祭り”に参加してほしい、そんな感じです(笑)」と笑顔で語りかけた。「恋をしよう」「ユー・メイ・ドリーム」の演奏が終わると、1人目のゲストとして大貫妙子が登場。2人は出会いのエピソードに花を咲かせたのち、大貫が原田に初めて提供した楽曲「地下鉄のザジ」をデュエットしてホール全体をさわやかな空気で満たした。

2人目のゲストとして呼び込まれたのは、11月2日発売のトリビュート盤「ToMoYo covers ~原田知世オフィシャル・カバー・アルバム」で「天国にいちばん近い島」をカバーした土岐麻子。彼女は歌手・原田の魅力について、「知世さんはアルバムを出すたびに表現が変わっていたり、違った表情を見せてくださっていて。そういう新しい挑戦を続けていらっしゃる姿をすごく尊敬しています」と語った。その後披露された土岐作詞の「ping-pong」では、表情の異なる2人のボーカルが重なり合いオーディエンスを釘付けに。そして原田はライブの前半戦ラストにアニメ映画「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」の主題歌「冬のこもりうた」を歌唱。ステージ後方のスクリーンに映し出された雪の映像と、原田の美しいボーカルとが相まって幻想的な光景が広がっていた。

約20分の休憩を挟み、再び場内が暗転すると「Like This」の演奏がスタート。ステージを囲むように天井から吊るされた紗幕にカラフルな映像が投影される中、演奏中のバンドメンバーのシルエットが浮かび上がるなど凝った演出に会場の熱気が徐々に高まっていく。曲の終わりに幕が上がると、白を基調としたワンピースに着替えた原田の姿が。彼女は川谷絵音提供の「ヴァイオレット」で、ライブ前半とは打って変わりクールな歌声を響かせるなど圧倒的なボーカリゼーションで観客を魅了した。その後は3人目のゲストである高野寛が登場。2人が所属するバンドで現在は活動休止中のpupaの話題となり、原田が「この間ひさしぶりに皆さんに会って、『pupa、またできたらいいね』という話になって」と話すと活動再開を待ち望むファンから大きな拍手が送られた。その後のコラボステージでは、最新アルバム「fruitful days」から高野が作詞を手がけた「邂逅の迷路で」が披露された。

この日最後のゲストは、1992~96年にかけて原田をプロデュースし、彼女のアーティストとしてのターニングポイントを支えた鈴木慶一(ムーンライダーズ)。原田が自身の20代を思い返しながら「当時新しいことを始めたいと思っていて、きっと鈴木さんなら別の扉を開いてくれるんじゃないかなという予感があって」と話すと、鈴木は「すごい勘です(笑)」とうれしそうに語った。2人は鈴木が単独で作詞し、高橋幸宏とともにTHE BEATNIKSとして作曲した「アップデートされた走馬灯」をライブ初披露してファンを喜ばせた。原田はその後、辻村豪文(キセル)提供の「くちなしの丘」や、自身で作詞を手がけた「夢の途中」、作詞を高橋久美子、作曲を伊藤ゴローが担当した「一番に教えたい」「銀河絵日記」といった人気ナンバーを続けて披露してステージをあとにした。

原田は鳴り止まないアンコールに応えて再びステージに現れると、まずはトーレ・ヨハンソン提供の代表曲「ロマンス」をプレイ。この楽曲のみファンへのプレゼントとして撮影がOKとなり、原田はステージを練り歩きながら目線を送ったり、笑顔で手を振ったりしてスマートフォンを構える観客に応えた。原田が「14歳の私はこんな日がやってくるなんて想像していませんでした。本当にたくさんの素晴らしい出会い、愛をいただきながらここまで歩んでくることができました」と改めてファンへの感謝を伝えて披露した「時をかける少女」では、彼女へのサプライズとして観客がスマートフォンのライトを点灯。原田は客席に広がる光景に感激のあまり涙を浮かべ、声を詰まらせながらも「時をかける少女」を情感たっぷりに歌い上げた。この日一番の拍手が場内を包む中、原田は「本当にごめんなさい。ちゃんと歌えなくて。私は皆さんのことが本当に大好きです。これからもどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました!」と呼びかけ、大盛況の中で40周年公演の幕を降ろした。

原田知世 40th Anniversary Special Concert "fruitful days" 2022年10月16日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト

01. A面で恋をして
02. 恋をしよう
03. ユー・メイ・ドリーム
04. 地下鉄のザジ(with 大貫妙子)
05. ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ
06. ping‐pong(with 土岐麻子)
07. 冬のこもりうた
08. Like This
09. ヴァイオレット
10. 邂逅の迷路で(with 高野寛)
11. アップデートされた走馬灯(with 鈴木慶一)
12. くちなしの丘
13. 夢の途中
14. 一番に教えたい
15. 銀河絵日記
<アンコール>
16. ロマンス
17. 時をかける少女

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