乃木坂46の 1期生・樋口日奈の卒業セレモニーが、昨日10月31日に東京・東京国際フォーラム ホールAで行われた。
2011年8月から約11年にわたり、選抜メンバーやアンダーメンバーとしてグループを牽引してきた樋口。彼女の旅立ちを祝福するため、大勢のファンが会場での観覧や配信を通じて彼女のラストステージを見守った。
2011年8月の1期生オーディション最終審査の映像から始まったセレモニーは、樋口がセンターを務めるアンダー楽曲「My rule」で幕開け。5期生を含むメンバーで優雅さに満ちたパフォーマンスを披露し、メンバーは早くも観る者を釘付けにする。また、MCで「感謝を胸に楽しみたい」と語った樋口は、この日のセットリストが「今までの年表みたいなもの」であることを明かした。
思い出を振り返るVTRとメンバーとのトークを交えつつ進行する卒業セレモニーでは、樋口が5期生と共に歌い踊る「狼に口笛を」など、最後だからこその興味深いコラボレーションも実現した。続く「やさしさとは」は、樋口が“同志”と表現する1期生の秋元真夏、齋藤飛鳥、2期生の鈴木絢音の4人で披露され、4人の絆の深さが伝わるような愛情に満ちた歌声が会場中に響き渡る。また、樋口が初選抜入りを果たした8thシングル「気づいたら片想い」では、4期生とのパフォーマンスも実現。続くトークパートでは、賀喜遥香や柴田柚菜が樋口との思い出を明かす中、弓木奈於は独特の話題で場の空気を和ませた。
続いて、アンダーメンバーを交えて「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」「シークレットグラフィティー」を披露すると、樋口は前者を「私を奮い立たせてくれた曲」、後者を「私に責任感を与えてくれた初センター曲」と紹介。特に後者では曲後半を観客のハンドクラップのみで歌い、会場の一体感を高めていく。さらに樋口は、3期生楽曲「思い出ファースト」を3期生と一緒に披露するなど、彼女がグループ在籍時にやり残したことを後輩たちと一緒に実現させていった。
セレモニー後半に突入すると、樋口にとって忘れられない2曲が立て続けに披露される。2017~8年に発表された「インフルエンサー」「シンクロニシティ」は共に「日本レコード大賞」を獲得した、グループの歴史において欠かせない2曲だが、彼女はこれらの楽曲を通じて「乃木坂46でよかったと感じられた」と明かした。
樋口を慕う後輩・阪口珠美をセンターに据えた「口ほどにもないKISS」は、樋口の希望で阪口やアンダーメンバーと一緒に披露された。また、この日出演予定のなかった1期生の和田まあやがサプライズが登場し、樋口と和田が「孤独兄弟」をパフォーマンスする場面も。曲中では、樋口が和田の優しさに触れたエピソードが初めて明かされるなど、笑顔と涙が入り混じったパフォーマンスが会場に感動の渦を巻き起こした。そして樋口は「これからも少しでも多くの人に元気や笑顔を与えられる、そんなきっかけの一部になれるように強く生きていきたい。最後は強い気持ち、強い意志を持ってこの大好きな乃木坂46から旅立ちたいと思います」と、強い思いを込めて「きっかけ」で卒業セレモニー本編を締めくくった。
アンコールでは紫色のドレスを身にまとった樋口が「これからも皆さんのそばに、誰よりもいたいなと思います」という思いを込め「誰よりもそばにいたい」をソロで歌唱。続く「ロマンスのスタート」では、本編には出演できなかった山下美月、清宮レイが駆け付け、この日の出演者全員で幸福感あふれるパフォーマンスを展開していく。曲中には樋口へのサプライズとして、メンバー1人ひとりが似顔絵やメッセージを書き込んだみかんをプレゼント。さらに、客席も樋口のメンバーカラーである紫とオレンジのペンライトで染め上げられ、彼女の新たな旅立ちを祝福した。
最後の曲に入る前に、秋元から樋口へメッセージが送られる。ここでは秋元がキャプテンに就任した際、抱えていた悩みを樋口が前向きな言葉でフォローしてくれたことに対する感謝が告げられ、「ちまは優しさの塊みたいな人」と称する。そして、「自分を犠牲にしてみんなを守ってきてくれたちまだから、これからはちま自身のことだけを考えて幸せになってほしい。それを約束して、次の道に進んでくれたらうれしいです。本当に11年間お疲れ様でした」と労いの言葉を送ると、樋口も「みんながいたから優しくなれたと思うし、乃木坂って本当に素敵な場所だなって、11年いても思うってすごいことだと思う。みんながいたから今の私がいます」と口にし、最後は「乃木坂の詩」で11年にわたるアイドル人生を締めくくった。
最後の挨拶を終えると、客席からは「ひなちま ありがとう」と記されたメッセージカードが掲げられるサプライズが。これに感極まった樋口は「幸せです。また会おうね!」と再会を約束して、ステージをあとにした。