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YOSHIKI×HYDE×SUGIZO×MIYAVIのバンド結成理由とは?世界に飛翔するTHE LAST ROCKSTARS会見

THE LAST ROCKSTARS。左からMIYAVI、YOSHIKI、HYDE、SUGIZO。
1年以上前2022年11月11日 7:05

YOSHIKI(Dr / X JAPAN)、HYDE(Vo / L'Arc-en-Ciel、VAMPS)、SUGIZO(G / LUNA SEA、X JAPAN)、MIYAVI(G)が本日11月11日に記者会見を行い、新バンド・THE LAST ROCKSTARSの結成を発表した。本稿ではその会見の模様をレポートする。

YOSHIKI、HYDE、SUGIZO、MIYAVIは、事前に11月11日12:00より重大発表を含む記者会見を行うことをそれぞれのSNSでアナウンス。その関連性が見えないことからファンの間ではさまざまな憶測が飛び交っていた。期待と不安が入り混じる中で始まった会見には、国内外さまざまなメディアが参加。ワールドワイドに活躍する4人の会見とあって注目度の高さをうかがわせた。

4人は黒を基調としたスーツ姿で登壇。YOSHIKIが「僕ら、YOSHIKI、HYDE、SUGIZO、MIYAVIはTHE LAST ROCKSTARSというバンドを結成しました」と宣言して会見をスタートさせた。「アベンジャーズみたいな感じだと思っていただければ」とYOSHIKIが話すと、MIYAVIが「誰がどれ?」とツッコミを入れ、場は一気に和やかなムードに。MIYAVIは「この4人で世界をロックするということで集まりました。頼もしいお兄ちゃんたちとロックできることを楽しみにしております。今日は11月11日、“1111”ということで、この4人が集まれば1+1+1+1ではなく100でも1000でも……ナンバーワンを狙って行きたいですし、思う存分遠慮せずにぶつかっていきたいと思います」と熱弁。HYDEは「やっとこの日が来た……いや、この日が来てしまったという感じですけど、僕もドキドキしてます。何もかもが刺激的で、僕にとっていい経験になると思ってます」と述べる。「僕らにとってこれが最後のチャレンジです」と口にしたのはSUGIZO。「人生を懸けて世界をロックしていきたい。全員がギリギリのところで火花を散らして溶け合って、10代、20代の頃に感じていたロックバンドの醍醐味や感動を日本中、世界中に伝えていきたいと思います」とTHE LAST ROCKSTARSの一員としての決意を語る。メンバーの中でもっともキャリアの長いYOSHIKIは、HYDEとSUGIZOがそれぞれ異なるバンドを母体としていることを踏まえ、「皆さん、それぞれのバンドはそのままあります。アベンジャーズのように僕らが集まって、日本から世界に挑戦しようということで、このバンドが結成されました」とメンバーの顔を見つめた。

そんなYOSHIKIの言葉に続いて、完成したばかりというバンドロゴが4人の後ろに映し出される。ロゴを背にYOSHIKIは、「僕ら友達として会う機会が多くて、『今度一緒にやろうね』という話は以前からしていたんです。それがコロナ禍などを通して話す機会が増えてきて。でも、最後にとどめを刺したのはHYDEだよね」とHYDEに視線を送った。これを受けてHYDEは、「YOSHIKIさんと交流を深める中で、すごくロックな人生を歩んでいらっしゃるけど、(最近は)ロックなドラムを叩かれているのを見ていない。あまりにももったいないと思って。Xが動かないのであれば、僕に時間をくださいと申し出ました」とバンド結成の経緯を告白。YOSHIKIはHYDEのラブコールにびっくりしたことを振り返りつつ、「『ロックするなら今です』と直球のメッセージをいただいて。MIYAVIとSUGIZOとも一緒にやりたいという話をしていたので、点と線がつながって」と語る。

MIYAVIはTHE LAST ROCKSTARSへの参加を決意した背景を「ヒリヒリするような音楽を作れるロックアーティストはどれくらいいるのか、同じ温度感で爆発できるアーティストはいるのか……日本中、世界中の人がワクワクできればと思い参加させていただきました」と明かす。SUGIZOは「グラマラスで危なくてギラギラしている」とほかのメンバーの魅力を解説し、「今、世界を見渡して、グラマラスでギラギラしたロックバンドはいますか? 僕らが思いを焦がした時代のスターやカリスマ、ロックも形骸化してしまった。絶滅危惧種なのかなと思った」とロックスター不在の現在の音楽シーンを憂うも、THE LAST ROCKSTARSを通して現代社会やZ世代に向けてさまざまなメッセージを発信していけると確信を言葉ににじませた。

その後、まだ4人の誰も完成形を観ていないというミュージックビデオ2曲がスクリーンで公開された。1曲目のセルフタイトル曲「THE LAST ROCKSTARS」はYOSHIKIが作詞作曲し、2曲目の「PSYCHO LOVE」はHYDEが作曲を、HYDEとYOSHIKIが歌詞を共作したナンバー。なお、この日の会見は定刻の16分押しでスタートしており、SUGIZOがMV公開のタイミングで「会見が遅れたのはMVの完成待ちだったんです」とエクスキューズを入れていた。

個性豊かな4人の集まりであることを懸念した司会者が「ケンカすることはあるんですか?」とおずおずと尋ねると、MIYAVIが「いつもYOSHIKIさんがケンカしますからね」と即答。YOSHIKIが「そんなことないでしょ!」と否定する中で、SUGIZOは「僕が止めてるからね。YOSHIKIさんを止めて30年ですよ」と笑いながら明かし、それにHYDEが「僕、(SUGIZOは)YOSHIKI使いだと思ってる」と乗っかる。心配そうな司会者の表情を見て、SUGIZOは「平和ですよ、大丈夫」とフォローを入れて記者陣を安心させた。

さらにYOSHIKIは「コンサート、発表しましょうか?」とサラリと口にすると、2023年1月から2月にかけて東京およびアメリカのニューヨークとロサンゼルスでライブを行うことを告知。「世界をロックする」という言葉通りの規模感に会見を配信で見守っていたファンは沸き立っていた。HYDEが「エンタテインメントの鬼みたいな人が集まっているので、絶対成功させないといけない。そういう意味で気合いが入ってます」、MIYAVIが「それぞれのスタイルをぶつけ合って、何が起こるか自分たちもわかってないので、それを世界中の皆さんと共有したいと思います。その志のもとに集まっています。新しいロックの形を見せたい」と意気込むと、YOSHIKIは「だからTHE LAST ROCKSTARSという名前を付けたんです」「それぞれが、これまで海外公演を経験している。僕らのビジョンは世界に向けて発信していくことが1つ」とバンド名に込められた決意を明かす。その言葉に、SUGIZOは「覚悟が必要なバンドですよ。楽曲はバンバンできていて、これがロックのスタンダードになる気がしています」と自信を見せる。

その後、会場および配信で参加するメディアからの質疑応答の時間が設けられ、メンバーは英語と日本語を交えながら記者たちからの質問に丁寧に答えた。「あなたたちにとってロックの意味は?」という質問が投げかけられると、MIYAVIは「アティチュードですね。常に何かに挑戦する、観客とワクワクと共有することがロックの原点」、SUGIZOは「態度だったり哲学、一番大事なのは進化、革新ですね。音楽的なジャンルの話をしているのではなく、ロックは哲学ですね」「ロックバンドが絶滅危惧種なのでその状態を壊したいというのがある」と回答。そんな中、HYDEは「僕にとってはビールを飲むことがロックです(笑)」と述べてメンバーや会見参加者たちを笑わせる。

また質疑応答の途中でSUGIZOは「ベーシストがいない状態で成り立つ音楽というのがキーかもしれない」とバンドの特性を述べるひと幕も。彼が「HYDEがベースボーカルという話もあったけどね」と実現しなかったアイデアを口にすると、HYDEは「ないなー」と笑いながら即座に否定。YOSHIKIが「僕がやろうか?」と申し出たところで、ほかのメンバーが一斉に「ドラムどうするの?」とツッコミを入れるなど、和気あいあいとしたムードが漂った。

お互いの印象について質問がおよぶと、YOSHIKIが先陣を切る形で各メンバーの魅力をトーク。「MIYAVIはすごい才能だし、常に戦っている。世界に彼が羽ばたかないチョイスはないんだろうな。MIYAVIというスタイルを築き上げたと思っている」と絶賛すると、MIYAVIは「エナジードリンクおごります」と笑った。さらにYOSHIKIは「僕はToshlを含めて素晴らしいボーカリストと一緒に仕事をさせてもらってますが、HYDEはきれいなボーカルで歌うときもあれば、すごい叫んだりもする。HYDEというジャンルのボーカルなんだろうなと。ある種、天然記念物的な。SUGIZOに関しては30年くらいの知り合いで、彼がいなかったらX JAPANは再結成しなかった。ギターに関してもSUGIZOというジャンルを確立させているよね。(このバンドでは)MIYAVI、HYDE、SUGIZOというジャンルと僕がやらせていただいている感じです」と明かした。

これを受けてHYDEは「YOSHIKIさんみたいな人は今後出てこないと思う。この時間を共有させてもらってるだけでも、自分の糧になる。こんな人生から音楽からロックスターの人はいない」と答え、MIYAVIも「YOSHIKIさんがいなかったらこのバンドは成立していない」と熱い視線をYOSHIKIに送る。SUGIZOは自身とYOSHIKIの長い歴史を「同じ学校の先輩と後輩」に例えながら、「100年、200年に一度の逸材だと思う」「僕はYOSHIKIさんのことを、モーツアルトだと思っていて。THE LAST ROCKSTARSはモーツアルトとベートーヴェンとシューベルトがバンドを組んだような感じ。これほど光栄なことはないです」と微笑んだ。「このバンドにおけるXファクター(何かを成功させるために不可欠な特別な性質や要素)は?」という質問にはMIYAVIが「爆発」「化学反応」、SUGIZOが「グラマラスさ」「爆発」、HYDEが「可能性」と回答。「愛」を挙げたYOSHIKIは身近な人たちとの悲しい別れに思いを馳せながら、「音楽は永遠に残る。ロックを続けている限りは皆さんに愛を届けることができる」と語った。

現時点で発表されているライブが日本とアメリカのみであることを受けて、記者からは「アメリカと日本以外でのライブ予定は? 出演してみたいロックフェスは?」という質問が。YOSHIKIが「1つひとつの公演が重要で、1つひとつの公演で命を削ってる。なんとなく世界ツアーを回るというのはなくて、今後話し合っていこうかと」と濁すと、MIYAVIが「100公演以上回りましょうよ!」と発破をかける。この流れからYOSHIKIはX JAPANとして出演した2018年の「Coachella Festival」に触れ、自分たちのファンばかりではないライブで受けた刺激について言及。HYDEも自身の海外でのアウェー体験を踏まえ、「アウェーでどう評価されるか。でも僕らは楽しめると思う」と胸を張る。MIYAVIは「このバンドであればどんどんフェスに出たい。これまでのファンと一緒に新しい夢を見ていく」と決意を口にし、SUGIZOは各メンバー及び所属バンドのファンを思いやりつつ、「一緒に飛翔していきたい。我々は音楽家として成長しながら大きくなっている。だからすべてのプロジェクトに人生を懸けれますよ。すべてのバンドのファンと一緒に新しい夢をみたい。でも故郷も大事。チャレンジ精神は本能なんです。だからこのバンドの活動が終わって、もとのバンドに戻ったら強くなってますよ」と安心させるように語った。これを受けてYOSHIKIは「僕らの結成が正しかったか、正しくなかったかは未来が決めること。それぞれのバンドにいい影響があってほしい」と述べた。

会見終了後には囲み取材が行われ、4人は記者陣の質問に回答。そこでは4人でのグループLINEでメッセージが飛び交い、メンバー曰く「絵文字もバンバン」使われていることが明らかに。新曲のリリース時期については、SUGIZOが「今年中に出したいと思います。できるだけたくさんの曲を届けたい」と明言していた。

THE LAST ROCKSTARS Live Debut 2023 Tokyo - New York - Los Angeles

2023年1月26日(木)東京都 有明アリーナ
2023年1月27日(金)東京都 有明アリーナ
2023年1月29日(日)東京都 東京ガーデンシアター
2023年1月30日(月)東京都 東京ガーデンシアター
2023年2月4日(土)アメリカ ニューヨーク州Hammerstein Ballroom(※現地時間)
2023年2月10日(金)アメリカ カリフォルニア州Hollywood Palladium(※現地時間)

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