2023年の幕開けに合わせて音楽ナタリーでは、さまざまなアーティストに「2022年にもっとも愛聴した3曲」を聞くアンケート企画を実施。回答者のジャンルごとに分けた全8本の記事を公開していく。今回は「トラックメイカー編」として、XTAL(Traks Boys、(((さらうんど))))、白濱亜嵐(GENERATIONS from EXILE TRIBE、EXILE、PKCZ)、DÉ DÉ MOUSE、tofubeats、Neetz(KANDYTOWN)、安本彩花(私立恵比寿中学)(50音順)が選んだ2021年の3曲を紹介する。
構成 / 橋本尚平
XTAL(Traks Boys、(((さらうんど))))
Yukio Nohara & Torei「Edit Passion」
最近自分より下の世代のDJやプロデューサーが活躍してくれていて嬉しいのですが、そう思わせてくれたトラックその1。実際に自分のDJセットの中でもプレイしているんですが、いい感じにフロアの熱を上げてくれます。
DJ SHIKISAI「I'll Make You Dub」
※参照:DIESEL DISCO CLUB: I'll Make You Dance | DJ SHIKISAI
その2。DJ SHIKISAI君のトラックは、イタロやハイエナジー感あるのが特徴だと思うんですが、このトラックも突き抜けていて最高。Dubバージョンの構成が好み。
Soshi Takeda「Blue Dress」
その3。去年100% Silkからリリースされた「Floating Mountains」もよかったですが、今年リリースしたよりチルアウトな「Same Place, Another Time」の中でも、特にこのトラックは素晴らしかったです。
プロフィール
XTAL(クリスタル)
k404とのDJ / プロデューサーユニットTraks Boysや、イルリメこと鴨田潤とのポップスバンド(((さらうんど)))のメンバーとして活躍。吉澤成友(YOUR SONG IS GOOD)と共作した作品もリリースしている。(((さらうんど)))は2021年にひさびさに活動を再開し、2022年8月に約7年半ぶりとなるアルバム「After Hours」を配信リリースした。
白濱亜嵐(GENERATIONS from EXILE TRIBE、EXILE、PKCZ)
Electric Callboy「We Got The Moves」
説明不要に聴いて欲しいです。
初めて聴いた時に「俺これ好きだわああああ!!」ってなりました。
サビ前半と後半の開放感のギャップだったり間奏部分の落としどころでキックをハードスタイルに変えてくるところやサウンドの重ね方、ミックス全てにおいて参考にしたいところが多すぎます。
このくらい音楽は自由に作らないと。
歌詞も好きです。
良いんだよ自由で楽しけりゃ。と言われてる様な気がして、うん。好きです。私これ。
modernlove.「until my heart stops beating」
80'sリバイバルなシンセウェーブ感もありながら歌がめちゃくちゃ今っぽいです。
僕らPKCZがやりたいサウンド感と近いなぁと初めて聴いた時思いました。
浮遊感あるのに地に足ついてる感じも好きです。
このくらいのBPMの曲たまんないです。
G.H.T「Salvation」
必要以上に歪んだサウンドとメロディーの上下が殆どなく繰り返されるフレーズに夢中になって聴きました。
インダストリアルロックでありながらも四つ打ちのビッグビートの香りもしつつサイドチェーンが掛かったベースラインにサイケトランスの雰囲気もするミクスチャーな曲だと思います。
ナインインチを聴いて受けた衝撃と同じ感覚がします。
プロフィール
白濱亜嵐(シラハマアラン)
2012年11月にパフォーマーとしてGENERATIONS from EXILE TRIBEに加入。2014年4月からEXILEのパフォーマー、2020年10月からPKCZのDJも兼任している。近年はトラックメイカーとして楽曲制作も手がけており、2022年は一般公募によるBiSHの楽曲コンペに応募した「脱・既成概念」がシングル曲に採用されたことも話題に。倖田來未による映画「仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル」の主題歌「Change my future」にも作編曲で参加している。
白濱亜嵐 | MANAGEMENT - LDH
白濱亜嵐 Official SNS | EXILE TRIBE mobile
DÉ DÉ MOUSE
ゾーイ・ワンダー(黃玠瑋)「Give It Up」
今年は台湾ポップスをよく聴いていました。
Misi Ke、Mandark、LÜCYなど(他にも数えきれないほど!)ぼくの心に響く素晴らしい歌を歌う人達の作品に出会えて本当に素晴らしい年だったなと。
2022年にリリースしたものに限ると、Zooey Wonderの「Give It Up」は大好きな一曲。
透明な歌声が心をすり抜けていくような心地よさ。
Crackazat「Never Ending Love」
デビュー当時の自分のサウンドの世界観を再確認させられたHudson Mohawkeの「Is It Supposed」とどっちにしようか散々迷ったけどやっぱりCrackazatの「Never Ending Love」にしました。
無骨なブレイクやベースプレイがシャイなLove To Infinity感あって最高なガラージハウス。
何よりタイトルもシャイでロマンティックで最高!
asmi「PAKU」
もうこれは一回聴いたら忘れられないでしょ!って感じの心地よさ100%のフロウ。
森口博子さんの「Ubugoe」のとてつもない歌の表現力に驚かせられた2022年だったけど、asmiさんの本能的なフロウに、そりゃみんなこれで踊るわって納得しました。
プロフィール
DÉ DÉ MOUSE(デデマウス)
遠藤大介によるソロユニット。2021年より"極上のポップス / シティポップを作る"というコンセプトのもと、TANUKIとの「Neon Lightの夜 feat. 一十三十一」、ぷにぷに電機との「Midnight Dew」、YonYonとの「Step in Step in」、SASUKEとの「プレ・ロマンス」、AZKとの「Disco Revenge」といったコラボ曲を次々に配信リリース。またLITEとともに新プロジェクトFake Creatorsを始動させ、2022年7月に1stシングル「When You Fake Sleep」を発表した。
DÉ DÉ MOUSE
DÉ DÉ MOUSE (@DEDEMOUSE) / Twitter
tofubeats
Kehlani「everything」
アルバム全体良い雰囲気でしたが、こういう構成で曲を作ろう、という点や、この曲をシングルにしてこういうMVを撮ろうっていうバランス感が何より良いなと思いました。シンプルな構成でありながらリッチで、最後までビートレスでありながら「聞こえてくる」感じも素晴らしいです。
(((さらうんど)))「How?」
この「How?」も収録のアルバム「After Hours」はハウスミュージックとポップスの融合を試みた作品としてはこの現代に贈るものとしては最適解ではないかと思いました。そもそも本年繰り返し聞いた作品というのがかなり少ない1年だったのですが、これはそんなコレといった作品が無いときにでも聞ける作品でした。DJ諸氏に向けたエクステンドミックスも用意があっていろいろバッチリ。こういう格好良い作品を作ってくださる先輩が国内にいることは本当にありがたいことだと思います。
Benedek「Peace Of Mind(ft. Dreamcastmoe)」
そんなに多くないDJ現場でプレイしていた楽曲からも何かを選ぼうと思ったのですが、本年のコンディショニング・トラックのうちいくつかからこちらを。Benedekのトラックはもちろん間違いないですがオケヒの間から聞こえるDreamcastmoeのけだるいボーカルもちょうど良いです。
プロフィール
tofubeats(トーフビーツ)
1990年生まれ、神戸在住のトラックメイカー / DJ。2022年5月には約4年ぶりとなるニューアルバム「REFLECTION」と、突発性難聴を患ったことをきっかけに執筆した初の書籍「トーフビーツの難聴日記」を同時発売した。11月には「REFLECTION」のリミックス集 「REFLECTION REMIXES」が配信リリースされている。
Neetz(KANDYTOWN)
The Weeknd「Out of Time(KAYTRANADA Remix)」
一聴して分かるKaytranadaのビートが凄い。特にキックの質感と鳴りがやばくて一発でフロアを揺らせそう。
Bhavi & Bizarrap「PUFF」
ベルギー出身アルゼンチンで活動するアーティストでアップルのCMで流れてました。
シンプルかと思いきや細部までこだわりがみえるトラップビートに、スパニッシュのラップが絡まってめちゃくちゃ気持ちいいです。
Yo-Sea「Body & Soul(feat. Gottz, Neetz)」
今年作った作品の中でも気に入ってる楽曲で二人のリリックも良いし、トラックも今までにない感じを出せたと思う。二人とはこれからももっと曲を作っていきたいですね。
プロフィール
Neetz(ニーツ)
ヒップホップクルー・KANDYTOWNに所属し、数多くの楽曲でラップやビートメイクに加えてエンジニアも担当。2019年には初のソロアルバム「Figure Chord」を発表した。KANDYTOWNは2022年11月に3rdアルバム「LAST ALBUM」をリリース。2023年3月8日に東京・日本武道館で単独公演「LAST LIVE」を開催し、同月をもってクルーとしての活動を“終演”する。
Neetz (@Neetz_kandytown) / Twitter
Neetz (@neetz_991) • Instagram photos and videos
KANDYTOWN LIFE
KANDYTOWN | Warner Music Japan
安本彩花(私立恵比寿中学)
100 gecs「Hey Big Man」
音作りで「こんなのってありなの?」と衝撃が走ったアーティストです。
私の固い頭をぶち壊してくれます。
この曲に限らず100 gecsは制作中になかなか前に踏み出せない時に聞きます。
パソコン音楽クラブ「KICK&GO(feat. 林青空)」
伊藤万理華ちゃんがMVに出ているという事からこの曲を知り、
そのタイミングでお世話になっているA&Rの方に勉強の資料としてオススメしてもらいinstrumentalをめちゃくちゃ聴きました。
"音楽は自由である事"を更に感じる事ができる楽曲に今年はたくさん出会えています。
MAISONdes「いえない(feat. 堂村璃羽,301 & GeG)」
初めてremixに挑戦させて頂くという事で狂ったように聴き込んでいた曲です。
初めにお話を頂いた時、何曲か候補を出す形だったのですが私の中では絶対この曲をいじりたい!!って決まってて…
決定する前から移動中もご飯食べてる時も全集中で聞いてました。笑
どうやって私色にするか…綺麗な音たちを思い切って崩していく作業が楽しかったです!
プロフィール
安本彩花(ヤスモトアヤカ)
私立恵比寿中学の出席番号5番。小学4年生のときにスターダストプロモーションにスカウトされ、2009年10月に私立恵比寿中学に“転入”(加入)。2017年よりDTMでオリジナル楽曲の制作を始め、毎年恒例のバースデーライブ「歌って踊って歌謡show!!!安安」では毎回新曲が披露されている。2022年6月にMAISONdesの配信シングル「いえない(Glitch Night mix) feat. 堂村璃羽, 301, GeG, 安本彩花」でリミキサーを務め、トラックメイカーとしての本格的なデビューを果たした。